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喜怒怒怒

~皆様、決して怒らせてはいけない人を怒らせてしまったという経験はありますか?~





いつも、優しい人が
怒るとすごく怖かったりしますよね。


私は、子供の頃
大魔人という映画をよく観ていました。


内容は、あまり覚えていませんが
大魔人という大きな巨人が
顔に腕をかざすと
優しい顔から鬼のような顔に変わるのが
印象的で、今でも覚えています。


普段、怒らない人が怒った時は
私は大魔人を思い出します。


そんな、大魔人まではいきませんが
私は過去に怒らせてはいけない人を
怒らせてしまった
ことがありましたので
その時の体験談をお話させていただければと思います。


どうか、皆様お話を聞いていただけないでしょうか?








私が中学生の頃です。


私には、3人の友達がいました。

クーさん(空母みたいな体を持つ友達)
詳しくは、「階段でやってはいけないこと1選」より

カズマくん(とても健康な友達)
詳しくは、「僕らは密会中」より

ゴリラさん(ゴリラになりたい友達)
詳しくは、「正義と悪と自転車」より





私は、このメンバーで
よくふざけあっていました。


そんなある日
学校の休み時間に
ふざけあっている中で
カズマくんの指が
クーさんの目の中に入ってしまいました。


いくら最強の体を持つ
クーさんでも、これは痛かったみたいで
普段温厚なクーさんが怒ってしまいました。


けれど、カズマくんとゴリラさんは
クーさんが本気で怒っているのに
気づかずクーさんの痛がるモノマネをしました。


私も、ついついそれを見て笑ってしまいました。


すると、クーさんが本気で怒って
近くの机をバンッと思いっきり叩いたのです。

クラス中、しーーーんと静かになります。


私は、間違えなく
殺されると思いました。


カズマくんもゴリラさんも
ガチガチにビビっていました。


クーさんは、中学生ながら
握力が70キロ近くありましたので
きっと私達3人ぐちゃぐちゃに丸められて
ピンポン玉ぐらいの大きさにされると
思いました。


しかし、クーさんは
私達に何もしてこないで
そのまま怒って教室から
出ていってしまいました。


クーさんだけ違うクラスでしたので
そのままクーさんに会うことはなく
授業が始まり
そのまま給食の時間になりました。





私達は、
クーさんに1秒でも早く謝りに行こうと
急いで給食を食べて
クーさんのいるクラスに向かいます。


すると、クーさんは
食べるのが遅いので
1人で給食を食べていました。


私達はクーさんのそばまで行き
「クーさん、さっきはごめん!!」
と謝りました。


しかし、
クーさんは全くこちらを見てはくれませんでした。


ヤバいぞ、
クーさんはめちゃくちゃ怒ってる。







カズマくんが言います。
「クーさん、ごめん。
指が入ってしまったのは、わざとじゃないんだ。」


クーさんは、全く反応しません。




続けてゴリラさんが言います。
「俺もモノマネしてごめん!」


クーさんは、聞く耳を持ちません。




も謝ります。
「クーさん、笑ったりなんかしてごめんね。」


クーさんは、眉1つ動かさず黙々と食べています。






しばらく、沈黙が続いた後。


クーさんが突然、
机に置いてある
味噌汁が入った茶碗に
顔をギリギリまで近づけて
動かなくなったのです。


茶碗を手で持たず
なぜか、顔だけを茶碗にギリギリ近づけて
動かないのです。







…クーさんは何をやっているんだ?



普段、温厚な人が怒るとこんなことになるのか!?



友人の理解できない行動に
私達は怯えました。



クーさんは、
体をくの字に曲げたまま動かず
またしても沈黙の時間が続きます。



異様な光景に
クラスのみんなもザワザワし始めてきました。





クーさん、本当にごめんよ。

頼むから何か言っておくれよ。

どうして味噌汁に顔をギリギリ近づけて
ぴくりとも動かないんだよ。





すると、クーさんは突然顔を上げました。













「ふあ~!



俺、味噌汁の匂い大好きなんだよね~!」








満面の笑顔で
クーさんは言いました。



そして、ようやくこちらを見てくれて
「さっきのことは気にするなよ!」
笑ってくれました。


私達は、状況の整理は後回しにして
クーさんが許してくれたことに
心底ホッとしました。


よくわからないけど
今日の給食に味噌汁があったおかげで
私達は助かったのです。




ありがとうございます。
美味しい給食を
いつも作ってくださる方達。





みんなとは今も仲良しですが
それ以来、
絶対にクーさんを怒らせないように
気をつけてます。




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