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社長の発言により、企業イメージや信頼は失墜する。最近の社長発言に見るリスク管理の重要性。

ここ数日、ビッグモーター社の不正保険請求問題が世間やニュース、情報番組、ワイドショーを席巻している。

ことの発端は、ビッグモーター社の保険不正請求問題だが、そのあとの対応や社内情報の流出などをはじめ、元社員から情報、社長のLINE内容の流出など、炎上は続いている。

本内容は、報道内容やニュース内容から広報の専門家が分析する内容です。

過去の社長発言に見る炎上リスク
思い出されるのは、外資系大手ファストフードチェーンの社長発言とその対応ではないでしょうか?
誰もが知る大手外食ファストフードチェーンの混入問題に起因する発言や、社長会見の内容、それまでの経緯などが掘り下げられ、売り上げにかなり悪影響が与えられ、大手企業とはいえ、多大な損害と印象の悪さを与えたと記憶している方も多いのではないでしょうか?
広報のトレーニングでもしばしば、悪い例として、取り上げられるこの事例ですが、社内の論理と消費者軽視が表面化したものでした。

これと同様に今回のビッモーター社の内容は、この教訓を全く糧にしていない例といえます。

すべてが、後手後手に回り、社長の報酬返上では沈静化はできそうにありませんし、説明責任や再発防止策など全く聞こえてきません。
聞こえてくるのは、組織ぐるみであったり、元社員からの証言など、ネガティブな内容のみです。

早急な説明責任と事実の公表
ここまで炎上してしまっては、沈静化にはかなりの時間と労力が必要になります、経営陣の刷新にはじまり、第三者員会による監査、不正保険金額の返還や、刑事的民事的な責任所在など、考えるだけで、非常に大きな問題になるでしょう。
まずは、経営陣による事実関係の認定と、謝罪、正確な問題内容の公表を行い、それに基づいて、懲戒や経営陣への責任追及など、大きな問題をクリアしなければ、会社としての存続も危ぶまれる可能性が出てきます。
また、公表を速やかに行わないことで、消費者や系列店の離脱、金融機関からの融資等の打ち切りなど、山積するであろう問題がたくさんあることが想定されます。

社長の言葉の重要性
会社を代表する社長の言葉は、企業の存続を左右します。
今回のように、社長の感情ではなく、事実を見て上での発言が必要になります。このような事態を引き起こした場合また、社内で不正が横行している場合、元社員の離脱が多い場合など、必ず、世間に情報は漏れていきます。
特に、ノルマがきつい営業や、気持ちに反して強要された不正行為などは、かならず、公表されます。

社長の発言がさらに炎上を招き、報道機関や記者は、こぞって新しいネガティブ情報を発信するようになる傾向にあります。
事実の公表をしなかったばかりに、多くの掘り起こされてこなかった過去の事例やネガティブな話題が出てきてしまいます。

このように、ちょっとした発言が、会社の命運を左右することを社長は理解し、また広報担当者は経営者に対して、発言の主旨やその内容などをチェックしていくことが必要になります。

沈静化には、まだ時間がかかる可能性が高いですが、一日も早い事実の公表が望まれます。



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