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マリンアクティビティ事故に見る、リスクマネジメントの重要性と認識の甘さとニュースの薄さ。

つい先日、沖縄県糸満市の沖で、ダイバーが行方不明になる事故が起き、4時間後に無事、救助されたが、ここ数年ダイビングやシュノーケルなどの事故が多く報道されている。

今回の事故は、無事発見されているが、ついこないだもSUP(スタンドアップパドル)で十数時間漂流する事故や、観光客のシュノーケルやダイビングでの事故が多く報道されている。

そこで、マリンアクティビティにおける事故原因とリスクに対する認識の甘さについて、事業者と利用するユーザー(観光客)の両面に関して分析してみたい。

マリンアクティビティ事業者の認識
沖縄県内のマリンアクティビティ事業者は、個人経営の店舗も多く、原則受付からアクティビティの開催まで、自前で行うことが多い。当然、県の条例でも安心安全を掲げ、講習や保険などをはじめとする推奨をしており、それにクリアすると優良店を掲げることができるようになっているが、形骸化されているのは否めない事実である。
また、当然、事業者からしてみれば、お客さんからの申込がないと開催はできないため、格安での提供や天候がある程度悪くても出航したりするケースが多い。
個人的に、ダイビングライセンスを保有しているので、これまで利用した事業者の中にも、波高や強風時でも船を出航するケースがあり、乗船したこともあるが、本土からの観光客をメインとしている事業者では、ある程度きついような天候や条件でも出航するケースがある。

また、事業者の中には、インストラクターが不足している事業者や、そもそもバイトで補っている事業者もおり、見た目ではわからないで利用している事業者があることにも注意が必要です。

利用する観光客のリスク管理の甘さ
自分が観光地に行けば同じような気持ちになるかもしれないが、せっかく来たんだからという理由で、体調不良を隠しての参加や二日酔いでの参加、既往歴を隠しての参加するなどしている方が多いことも事故の原因の要因になっている。
また、海は陸上と違い、体の自由も効かず、また、酸素ボンベやシュノーケルでの呼吸方法などもパニックになりやすいことも挙げられる。
誤って、海水が気管に入ると上級者でも厳しいですし、ましてや初心者では、対応が厳しく、溺死する恐れがあることを認識する必要があります。
特に、体験ダイビングやシュノーケリングで、事前にインストラクターが講習してくれますが、ちゃんと聞かなかったり、友人と話したりしている方も多いなど、マリンアクティビティに対するリスク事態を全く気にしていないことも非常に残念であると言えます。

未然に防ぐための努力と事故時の備え
もっとも効果があるのは、間違いなく少人数渡航。インストラクター1名につき、2名がベストであると考えています。特に、今回の事件のようなドリフトダイビングや深夜のナイトダイビングなどは、少人数で行うことが事故の目を事前に摘むことができます。
シュノーケリングでも同様で、たまに大人数で渡航しているのを見ますが、非常に問題になる可能性をはらんでいます。

また、今回のように目印となるブイが流された場合や、万が一に備え、インストラクターにはGPSを持参させるとか、遭難時に備えた発光灯の義務化などの議論があってもよいかと思います。

沖縄県内のマリンアクティビティ事故の影響度が薄い
これは、広報という職種側感じていること。沖縄県内の事件事故のニュースは、内容が薄い。どういうことかというと調査報道系やその後の追跡取材がほとんど見られないこと。
事件事故のストレートニュースは多いが、例えば、インストラクター講習の義務化の動きや傷害保険の義務化などこのような事件事故に対するソリューションも報道が担う役割はあるはず。観光で成り立っている県であることは事実だが、県が安心安全を掲げた観光立県を目指している以上、それをサポートする動きがあってもよい。

これは、県の広報が旧体然であるからかもしれないが、もう少し調査報道を基地以外に向けていけば、根本的な解決にも近づき、観光の主であるマリンアクティビティの安心安全につながることになるのではと、考えてしまう。





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