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富士山麓・山中湖の新カルチャーハブ。カフェと量り売りの店”Yamanaka Terrace”

モノクロームの屋根一体型太陽光パネル、Roof-1を設置している施設や住居に訪問し、太陽光発電が支える人々や彼らの営みにクローズアップする本企画第3弾。

世界に誇る霊峰・富士山を眺望できる、日本人にとって古くからの憧れの地、山中湖。ここに”世界中の人が訪れるコミュニティビレッジ”を目指す場所がある。先月オープンしたばかりのカフェと量り売りの店”Yamanaka Terrace"(ヤマナカテラス)だ。カフェのほかにも、国道沿いにある広大なスペースには、富士山を眺められるパビリオンやステージを観覧できる大階段などが整備されている。また、会員制のキャンプ場やアウトドアアクティビティができるスペースを現在準備中で、野外での音楽イベントやフードイベントなど様々な企画がされる予定だという。富士山を見るために訪れる海外からの旅人も多く、取材中もカフェ内では英語が飛び交っていた。

パビリオンと大階段
カフェ棟への3つの入り口のうちの1つ、看板のロゴは服部一成氏によるもの

カフェ棟は建築家の登竜門とされるJIA新人賞、住宅建築賞金賞、吉岡賞など数々の賞を受賞した中川エリカ氏の設計によるもの。屋根として、モノクロームの屋根一体型太陽光パネルRoof–1が設置されており、日中の電力は太陽光エネルギーによる自家発電をしている。また、敷地内にあるテンセグリティ構造のパビリオンは原田雄次氏による設計で、カフェ棟に散りばめられたスーパーグラフィックの手法を用いた青のブロックカラーやロゴは、キューピーハーフの広告等で著名なグラフィックデザイナーの服部一成氏が手がけている。

1960-70年代に流行したスーパーグラフィックの手法
Yamanaka Terraceをつくったクリエイターたちの本が、環境配慮の本とともに飾られていた

仕掛け人は、東京の大手企業に勤めたのち、山梨県に移住し、このカフェを運営する会社、”愉快な暮らし”を起業された盛田浩市さん。Yamanaka Terraceとその仕掛け人の魅力にクローズアップしたいと思う。

仲間と集まる場所づくりのために、東京から山中湖へ

過去にはキャンピングカーで30カ国以上も旅をしたり、ハードな山登りをするなど、アウトドアや海外旅行が好きだという盛田さん、なぜ山中湖に拠点を持つことになったのでしょうか?

オーナー・盛田浩市さん

盛田さん:「仲間と集まれる場所が作りたい、という想いが出発点でした。コロナをきっかけに海外旅行へ行けなくなったことと、子供を自然の中で育てたいなという思いなどが重なり、平日は仕事をして、週末は山梨県で過ごすという2拠点生活を始めました。そこで自然の中で身を置く時間が長くなり、ここで仲間と集まれる場所が欲しいなって思うようになったんです。山中湖に来るまで気づかなかったんですけど、僕、湖が好きだって気づいたんですよね。(笑)ニュージーランドで見た原風景に似ていたり、何か引き寄せられるものがあって。だから、ここで何かやろうって決めました。」

大きな開口部の窓からは美しい山並みが。ニュージーランドで見た景色に似ているという。

敷地内は子供たちやペットが駆け回れるよう、車が乗り入れられないようになっていたり、バリアフリーのエントランスが用意されているなど、”みんな”が安心して自由に楽しめる場所になるように設計されている。敷地から徒歩1分ほどの離れたところに300台ほど停められる広い駐車場が備わっていて、お客さんがキャンピングカーで来て、そのまま宿泊できるような場所にしたいと考えているそうだ。また、季節に応じて移りゆく自然の風景を楽しんでもらえるような敷地のデザインになっているという。標高の高い山中湖では、4月下旬でもまだ桜色が美しく散りゆく姿を見ることができた。

カフェではQアラビカグレーダーの資格を持つ焙煎家・川平和秀さん監修による自家焙煎のコーヒー豆を使用したフラットホワイトなどのエスプレッソドリンク、”Kathy’s Kitchen”の山口恵さんのお菓子教室で学んだスタッフによる焼きたてスイーツ、ニュージーランド産のナチュールワインやクラフトビールが提供されている。ぜひ、大開口の窓から景色を眺めながら、あるいは外を散策しながら楽しんでいただきたい。

合理的に考えたら辿り着いただけ、サステイナブルなライフスタイルは自然なこと

Yamanaka Terraceでは中川エリカ氏設計の建築と融合する、太陽光発電する屋根としてモノクロームのRoof-1が設置されている。太陽光発電により、施設で使う電力を自家発電したり、井戸水を使用するなど再生可能エネルギー100%で運営され、様々な資源削減の工夫がされている。

盛田さん:「今は本当に環境のことを考えてます。オペレーションをする観点でその選択をしていったら、太陽光発電だったし、水道が通っていないので井戸水をつかって、生ごみはコンポストにして。ゆくゆくはここに畑を作ろうとしています。都心から見るとかっこよく映っちゃうんですけど、一番合理的に考えると、それにたどり着く。SDGsなどの言葉が使われるようになりましたが、実は昔の人たちの取り組みがブラッシュアップされてきたっていうだけだと思いますけどね。」

屋根にしか見えない太陽光パネル、Roof-1が屋根として設置されている

”環境に優しく”を、”ジブンゴト”にできる場所に
店内ではオーガニックのドライフルーツやナッツを好きな分だけ計って購入することができる。個包装やラッピングをなるべく減らし、使い捨ての資源を最低限にすることができる。

盛田さん:「計り売りって海外行くと普通にあるじゃないですか。でも、 日本はその機能をコンビニが担っているので、小包装されている。それはそれですごく清潔ですしね、クオリティも高く、独自に発展した文化だと思うんですけどね。でも、好きな量だけ、容器・包装なしで、必要な分だけ買えるってことに、ちょっとチャレンジしたいなと思って始めたって感じですね。店舗でもマイマグを持参していただけると100円値引きしています。」

環境への配慮を自分ごとになるようなきっかけを、環境面の取り組みや実験をしていく場にもしたいという盛田さん。ニュージーランド発のホームケアブランドeco storeも販売している。eco storeは石油由来の成分を使用せず、生分解性が高いヤシノミ・ココナッツ由来の界面活性剤を使用しており、生活排水で水を汚さない。

盛田さん:「eco storeのものを取り扱っているのも、さきほどの水の話と同じで、井戸水を使ってるということは、自分たちの敷地内で排出したものを何十年後かに使うことになるんです。自分たちにはね返ってくるとみんな考え始めるんですよね。自分ごとになるとやっぱり行動に起こすんで、自分ごとにできるような、環境面での取り組みだったりとか実験みたいなことをできる場にしたいなと思ってます。そういうことを企業の力を使わずに自分たちの場所の力だけで育ててくというか、育ててもらうというか、 なんか、そういう感じですね。私が力を持ってるわけでもないですけど、場がそういう風に育てられるということに、後ろからニヤニヤしていたいんです(笑)」

山梨県北杜市の人気フラワーショップ、Flowers for Lenaのドライフラワーも販売している

訪れる人と、おもしろい”場所”をつくる

最終的には世界中の人が訪れるビレッジにしたい

盛田さん:「僕はとにかくここの場所を盛り上げたいと思っています。会社員時代にはまちづくりなどに携わってきましたが、実際にまちづくりをしているのは住んでいる人々だと僕は思っています。だから、ここに訪れる人たちと一緒にこの場所を面白くしていきたい、僕はそういう場、ハコを提供したいと思っています。なので今後、音楽イベントとかフードイベントとか、いろんなことを企画していきたいと思っています。でもそれだけでは視野が狭くなってしまうので、いろんな地域や場とつながれるツールを作りたいと思って、デジタルスタンプラリーの事業「みんラリ」も立ち上げました。あと、最終的には週末だけここで生活できる場所とか、森林の方にレジデンスをつくったりなんか、そういうビレッジのような場所にできたらいいななんて考えています。」

ここを訪れるお客さんが自ら様々な楽しみ方を見つけ、発信していって欲しいと願う盛田さん。”カフェと量り売りの店”という肩書きだけでは語り尽くせないほどのたくさんの面白いことが起こる場所になっていくだろうYamanaka Terraceは、今後要注目のカルチャースポットになるに違いない。


5/18 - 5/19開催。Yamanaka Terraceとモノクロームの合同内覧会にいらっしゃいませんか?

Roof-1の実物が設置されているYamanaka Terraceの施設をご覧いただきながら、モノクロームスタッフによる製品の説明や設置相談も受付します。参加をご希望の方は以下リンク先の申し込みフォームに必要事項をご記入ください。

参加申し込みフォームはこちら


Yamanaka Terrace
〒401-0502 山梨県南都留郡山中湖村平野1414−1
HP:https://yamanakaterrace.com/
Instagram:@yamanakaterrace
X(Twitter):@yamanakaterrace 


モノクロームについて
モノクロームは、創業者の梅田優祐が自宅を建設する際に、理想の住宅用太陽光パネルと、つくられた自然エネルギーを効果的に制御するためのソフトウェア(HEMS)が存在しない問題に直面したことをきっかけに、その問題を解決するため、2021年7月に設立された会社です。

HP: https://www.monochrome.so/
Instagram:@monochrome.so
X(Twitter):@monochrome.so

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Text&Edit:Miko Okamura Ellies
Photo&Video:Christopher Ellies



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