にゃーん

 ウルトラマンのハヤタ隊員の搭乗していた「三角ビートル」を「(異星人の乗り物としての)空飛ぶ円盤っぽい」と言う人はほぼいなかったと思う。
 コロンビアの「黄金ジェット」を「YF―102戦闘機のようだ」と言う人や、ケネス・アーノルドが途中から証言を変えた物体の形状をXB―35やYB―49といった航空機と関連付ける人はいても、「宇宙人の技術だから」とは言わなかったと思う。
 多分ナチスドイツ時代のリピッシュ博士のグライダーについても、それがどんなに異様でも、地球外生命には関連付けられなかったのではないだろうか。

 せいぜいが、「UFOロボグレンダイザー」で愛機「TFO」を失った兜甲児がテストする「新型円盤」が、「三角翼の地球製UFO」と言える位だろう。
 これとて空力的には前作「グレートマジンガー」で、父剣造の設計したと思われる「ブレーンコンドル」の影響が見てとれるのだが。

 そう、これから話そうとするのは、あの「黒い三角形」の事である。

 確かに、ジョン・A・キールも書いているように、空飛ぶ円盤神話の歴史には時折、三角形の飛行物体が出現していた。しかし主流として扱われる事は無かった。

 1950年代に現れた特殊な偵察機(NASAの気象観測機という事だったが、それだけでは無かった)であるU―2は空飛ぶ円盤と誤認される事もあったし、日本でもUFO着陸隠蔽神話に似た「黒いジェット機事件」を起こした。そのテスト飛行が行われたのが「エリア51」である。
 ちなみに後にU―2は「TR―1」と呼ばれるようになるが、これは覚えておいた方がいいかも知れない。

 1970年代の終わりか1980年代の初めに矢追純一スペシャルに登場した「UFOの破片」(というスケッチ)は、航空機に用いられるハニカム構造であった。
 そういえば、矢追スペシャルで軍の演習施設に入った事で、国籍マークのよく解らない「黒いヘリコプター」に追われるのも放送された。

 そして、もちろん「ロズウェル事件」に代表される、「空飛ぶ円盤の機体の回収」のお話は、オーバーテクノロジーとの出会いのみならず、多分それがリバースエンジニアリングにより地球側に技術がもたらされ、航空機に反映されるという所に繋がるのだろうが、1980年代前半の段階ではまだ今一つ、具体例に欠いていたのではないだろうか。
 リバースエンジニアリングネタそのものは、既に1950年代にアズテック事件がらみの怪しげな石油採掘装置として存在しているにしても。

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