ガンダムの模型から考えたり その2

 ガンダムの模型から考えた時に私が「バンダイのCM」、「MSV」とともに思い出す企画が「ガンダム・センチネル」である。

 これもまた本来の企画の意図するものとかよく分からないんだが、印象に残っている。

 ガンダムのプラモデルに殺到する熱狂から数年後、知り合いから「宮崎駿の漫画の載っている模型雑誌がある」と聞いて「モデルグラフィックス」誌を買い、そこで展開されているのを知ったのである。

 印象としては一部モデラーによるガンダム世界のメカのリアリティーの再解釈という感じであったが、なんか模型好きの年長者のあんちゃんが、ガキどもを相手に持論を語るみたいな感じの方が強くて、あまり良い印象ではなかった。

 昔のモデルグラフィックスは結局手離してしまったので買い直してみたりしている。結構高値になってるんだな。
 中には「オペレーション・スペリオル」という読者によるコンテストもあった(1989年4月号)。センチネル的文脈に沿ったガンダム世界のメカのコンテストという事になるだろう。この種の企画にありがちな文言通りに、これは!という感じに飛び抜けた作品は無かったそうだ。そりゃそうだ、企画側の考えたセンチネル的文脈は企画側が一番上手く理解できているはずだからだ。

 その中に発見はあって、何と『超時空世紀マクロス』シリーズに登場するVF-4というメカの改造機、正確にはその後部に「木に竹を継ぐ」ような別のユニットを接続した機体が、審査員には諸々嫌みを言われながらもカラーページ掲載を勝ち取ってしまうのである。コアファイター+ブースターというより、「モスピーダ」のレギオス+トレッドに近いのかな。

 確かにこのVF-4はガンダム世界のメカよりも実在する飛行機っぽくて飛びそうに寄せてるけど、実在しないデザインである。多分その方向性がセンチネル的だったのであろう。他の作品世界の製品を流用したのは安易だが。

 このコンテストの載った1989年4月号には、本来の「ガンダム・センチネル」側の記事に「コア・ブースター・エクステンデッド0088」というメカが載っている。これは「やるならこうするんだよ」的な模型だろうか。
 ガンダム世界のコアファイターの後ろに、「スペース1999」のイーグル号的な感じに組まれたフレームを接続、中には燃料タンクがあり、円盤型レーダーと長距離砲が載っているというものである。

 他の号(1990年2月号)には「ワイバーン」という宇宙戦闘機の競作がある。MSVの「コアファイターバリエーション」(これ好きなんだけど詳しく知らない。「マングース」は欲しい)的な機体である。中でも「謎の円盤UFO」の「スカイダイバー」を参考にしたらしい「ミスルトゥ」が、アニメ的な見映えも含めて興味深い。超音速巡航から小型機を分離し、亜音速の格闘戦に持ち込むというものらしい。後に宇宙において変形合体モビルスーツの訓練用に再設計された設定らしい。
 確かに変形合体モビルスーツの訓練用に航空機を使うってガンダムには出て来なかったな。なんか「宇宙版巨人の星」と呼ばれた作品には出てきたけど。

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