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はたらく現場

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喪に関わるひとたち編(霊柩車の工場の職人さん、墓じまいを任される石屋さん、ホテルマンのように自宅のお葬式を取り仕切るひと、若い女性納棺師さん、きびきび祭壇の花を飾るひと、、、)
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#お葬式

ルディと、こまっちゃん。

「婦人公論 8/25」で「いまとぎのお葬式」の取材をしました。  訪れた場所のひとつは、生花祭壇に代えて、大きな「シルクスクリーン」を使った祭壇をメインに提案している葬儀社の倉庫。以前、別件で取材したときに「自宅に帰りたい」といわれながらも病院で亡くなられた故人のために、自宅の書斎を写真に撮り、それを映画館のスクリーンのように引き伸ばしてパネルに貼り付け、祭壇の棺の後ろのスペースに設置した。葬儀場での事例写真をみせてもらったことがありました。  まるでその部屋にいるかのよう

すごい!! 「お弔いの現場人」たち

「はたらくひと」というインタビュールポをしてきました。『お弔いの現場人 ルポ葬儀とその周辺を見にいく』(中央公論新社)のつづきみたいなもので、葬儀関連の情報サイトでの短期連載。  第1回は、エンバーマーさん。東京など都市圏の火葬場は混み合い葬儀まで日数があいたりする事情もあり近年要望が増えているという、ご遺体保存処置をおこなう専門職で、通常部外者は見ることのできない施術室にも入ることができました。  インタビューではあるのですが、「働く現場を見たい」と無理をいい、仕事の手

孫が任された「おばあちゃんのお葬式」

昔ながらの「自宅葬」のあるかたち 取材・撮影=朝山実 前回を読む☞https://note.mu/monomono117/n/n8b1136ad762e 「父のときも息子には一生懸命やってもらったんですけど、人数が多かったのでホールを借りてやったんです。でも、今回は母の希望でもあったんですよね」  2018年12月、埼玉県飯能市内のご葬儀に立ち会った。施行を任されたのは、鎌倉に拠点を置く「鎌倉自宅葬儀社」の馬場偲(しのぶ)さんだ。  亡くなられたのは偲さんの母方の「お

「自宅葬」という文化を推奨する、小さな葬儀社

取材・撮影=朝山実 「何もしなければ、始まらない。始めなければいいんです」  ここは鎌倉駅に近いビルの会議室。取材をはじめて1時間は経過していただろうか。「始めなければいい」ときっぱりと言い切る林さんは、「鎌倉自宅葬儀社」の立ち上げに際して事業コンセプトの設計を担ってきたパートナーだ。鎌倉まで取材に訪れたのは昨年秋だった。  鎌倉を拠点とする、鎌倉自宅葬儀社の設立は2016年。社名にあるように、自宅でのお葬式を提案する葬儀社だ。 「みなさん誤解しているのは、葬儀会社に電