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日常生活で鍛える

先日コメントをくれたひとがいた。
おそらくかなり功夫を積んでいる。
僕など足元にも及ばないだろう。
その中で話題に出たので、
少し書こうと思う。

『日常生活が鍛錬になる』というものだ。

僕は以前からそう思っていた。
なんでも勉強になり、意識次第で鍛錬になると思っていたのだ。
それ自体は間違っていないと思う。

しかし、今は少し認識が違う。
文字通り日常生活自体を鍛錬に使うことができるのだ。
コメント上で站椿の話題が出たのだが、
それを始めてから認識が明らかに変わった。
単純に立つとか座るとか全ての行動が鍛錬になり得るのだ。

最初は背骨を上下に引っ張るだけのイメージだった。
これはこれで身体の一体感は出るし、
意識的には間違ってないと思っている。
しかし、骨の位置が整い出すと、
筋肉の張りが出るところが出てくる。
これは今までのアンバランスが生む歪みだと思う。
それも無くなってくると、
脱力が大事というものの、
最低限の力を入れるポイントがある。
これが通るようになった時に起きた僕の身体の変化は、
扁平足がなくなったことだ。
足のアーチが急に出てきた。

よく足のアーチが重要視されている方がいる。
これは非常に大事なポイントだと僕も思う。
医療従事者なのでそのような方を多くみるわけだが、
その方達のほとんどが足や足首を調整している。
それはそれでいいと思うのだが、
足首のズレは結果であって、
あくまで全体のバランスを整えるべきだと僕は思う。

中心が整って、それが連なると勝手に整うのだ。
よく腰が悪い、首が悪い、膝が悪いという人がいる。
それはあくまでバランスが悪いところが出た歪みの結果であって
原因ではない。
僕は尻を締めろと言っているが、
そこが足りない人が多いだけで、
それ自体は答えではない。

偉そうなことを言っているが、
僕自身研究中なのだ。
これは正解だろうと思って出した答えを何度捨てただろう。

今、僕の中で確信のある姿勢の基準は

『鼻で呼吸しやすい姿勢』だ。

僕自身何を基準にすべきかずっと悩んできた。
基準は見た目ではなく呼吸だ。
それも鼻呼吸。

これを基準にすると、
上下の意識ができていることを前提に
左右の意識もするとより呼吸がしやすくなる。

胸郭が開くようなイメージだろうか。
そうするといよいよ呼吸できる量が増えていき、
呼吸だけで体幹部が鍛えられていく感覚ができくる。
そうすると、ただ、呼吸しているだけで、
胸郭が緩やかに動き出し、
かつ堅牢になっていく。

今は分かりやすく上下、左右と表現したが、
感じるイメージは重力方向に対して、
垂直や平衡という表現が正しいかもしれない。
ただ肉体は3Dなので、
今は身体の意識する方向の微調整を続けている状態だ。

これは正しい方向がこの角度というのはなくて、
あくまでそれぞれの中に答えがあるものだ。

最終的に大事なものは身体の中の深部感覚であり、
それを意識して立つということの難しさを思い知ることとなる。

中国武術では站椿が大事とされている。
これに異論はない。
しかし、意味もわからずただただ何十年もさせるのは違うと思う。
昔の道場経営の問題もあると思うが、
今は時代が違う。
そして達人と言われる人が、
最終的に站椿が大事だからということで、
説明もなしに初心者に站椿を強いることもある。
達人は自分は強いわけだが、
教えるのがうまいとは限らない。
その人の段階を考えなければならない。

僕はここをクリアーにしていき、
日本の子どもの身体を強くしたいと考えている。

あまり言わないようにしているが、
最後に少しだけ科学的でないことを話そうと思う。
ここでの科学的ではないというのは、
現代の科学ではまだ証明されていないが、
僕が正しいと思っていることとする。

現代人の身体の弱さは気自体の量の少なさ(気虚)と、
気の回りの悪さ(気滞)に起因していると
僕は考えている。
それは今回の話題であげた天の気しかり、
食事から摂取する地の気もしかり。
最低限の運動は必要だとは思うが、
日常生活の改善というだけでも、
正しくできればかなり身体は強化されると考えている。

『鼻呼吸しやすい姿勢』をみなさんも意識してみてはどうだろうか?

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