見出し画像

足の踵信仰とつま先出力

あるウエイトリフティングの指導者がXで踵信仰の人はうまくつま先をを使えていないみたいな内容のポストをしていた。これはあるタイミングのひとには正しいが、あるタイミングのひとにはミスリードになる。そんな話をしよう。

実際この指導者は優秀でしっかり踵を踏めているし、ウエイトリフティングは全身のつながりが大事な競技で、骨でしっかり支えていないと体重に対して重さが支えられない。一般的な筋トレは否定派の僕もウエイトリフティングはありだと思っている。個人的になしだと思っている筋トレはアームカールみたいな部分部分を鍛えるような動きをする筋トレだ。しかし、それもボディビルなどの競技においては有効だと思うし、あくまで僕が目指している身体にはという話だ。

僕は踵信仰と言えるだろう。上から来た重さを地面に逃すのに踵はを使わなければならない。これ自体に間違いはないと考えている。しかし、つま先出力もまた真理なのだ。どういうことかというと、受けるのは踵出力はつま先ということ。

足の速い人はベタあしでは走らない。しかし、足の速いひとは急に動きたしたタイミングや不意に動き出したタイミングで靭帯を切断する。前十字靭帯を切ることが多い。これはどういうことかというと、つま先出力は5速とか6速の走りを得意としているのに発進に使ってしまったから負荷がかかり過ぎて断裂している。要するに用法を間違ったということだ。つま先出力はトップスピードを維持するとか、すでに発進しているものを動かすのに使うべきなのだ。

逆に踵は上から来た重さを地面に逃し、動き出すタイミングや加速のタイミングであれば、上から来た重さの反力を上に返すことで発進の初速を上げやすくしたりする役割がある。武術や格闘技ではこの初速をいかに速くするかが課題であり、相手に技を当てるポイントになるので、踵信仰が多くなる。

これは両方正しくて、踵をしっかり踏めるひとが、つま先出力をマスターすれば、上からの圧力を地面に逃し、最大限の人体が生み出す出力を前に出すことができる。僕が最初に言ったあるタイミングのひとには正しくてあるタイミングのひとにはミスリードになると言ったのはこのためだ。

踵をしっかり踏めるひとは踵信仰になってないで、次のつま先に行かなければならない。逆に踵をしっかり踏めていないのにつま先出力ばかりになると十中八九ケガをする。
実はこれ、バレエでは徹底されている。まずフレックスという踵を踏んでいる状態で四股のように膝を曲げ伸ばししたり、ターンオーバーと行ってつま先をやたらめった横に広げる足の形をとる。最初につま先を使えない姿勢にして、踵を使える身体にするのだ。小学校の高学年から中学校に入るまではトウシューズを履くことはなくポワントと言われるようなつま先立ちはさせない。身体ができていないのにそれをさせるとケガするからだ。
昨今は習い事として軽くやっているバレエ教室ではすぐにトウシューズを履かせたりポワントさせたりすることもあるらしいが、まぁそれぐらいの負荷なら怪我はしないだろう。

踵をしっかり踏む。その後足底をしっかり鍛えてからつま先出力を意識するそうすると無駄なケガは無くなるのではないだろうか。ラグビーで言えば、大畑さんや、福岡さんなど足の速い選手は前十字靭帯を断裂している。出力が圧倒的に大きいが故に起きているケガなのだが、踵をしっかり踏めていたらもしかしたらケガしなかったかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?