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錣山親方(元寺尾関)が亡くなられた

僕は相撲が好きだ。千代の富士が好きで幼稚園から小学校ぐらいまではよく見ていたと思う。中学になってからは18時に帰ってこれない関係で段々大相撲ダイジェストとかで見るようになっただろうか。
千代の富士から若貴ブームがあって、曙、武蔵丸なども活躍していた。その時代に決して身体は大きくはない(いうて185cm100kg超え)が存在感を発揮していた力士がいた。

寺尾関だ。

角界きっての男前で取り口や気の強さがめちゃくちゃカッコ良かった。
その中でも1991年だったか、貴乃花当時貴花田18歳との一番だ。
年齢としては高校生の貴花田に負けるわけにはいかないととった相撲がめちゃくちゃ良かったのだ。
絶対に勝つんだ!負けたくない!そんな気持ちの入った一番だった。
しかし、その覚悟で挑んだ男が当時18歳の子どもに負けるのだ。
最初は突っ張るのだが、左上手だったか取られて最終的には押し出しで負ける。
その立ち合いの後、花道でさがり(まわしの前にある暖簾みたいなもの)を投げつけて、相撲は生放送なので全国のお茶の間にそのシーンが流れると言う大事件があった。苦情が殺到したそうだが、幼心に「かっこいい!」って思ったのを覚えている。

本気の男の怒った顔はかっこいいのだ。僕の中で金剛力士像とか不動明王のような憤怒の顔が好きなのだ。あの顔を見て嫌いという男の人はいないとさえ思っている(言い過ぎ)。

僕が見たカッコイイ3大憤怒の顔は「寺尾関の貴花田に負けた時の顔」、「貴乃花が優勝決定戦で武蔵丸を投げた時の顔」、「WBCで韓国にマウンドに旗を刺された後のイチローの顔」だ。

例えるなら仏像だと東大寺の金剛力士像や興福寺の阿修羅象の憤怒の顔だろうか。
どれもなんせめちゃくちゃかっこいいのだ!
本気の顔なのだ!

自分はそんな顔を人生でしたことがあるだろうか?
おそらくないであろう。本気で打ち込んだ人間だけができるそんな顔なのだ。

昨今ラグビーや空手で相撲をトレーニングに入れているところも出てきている。今日を機に寺尾関の取り組みをぜひ見てほしい。その後の花道まで見てほしい。本気で打ち込むとはつまりそういうことなのだ。


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