The Roastery By Roj vol.1
チェンライに着いて3日目。
ようやく私は一人旅にほっとしていて、なんなら今後の人生で何度もまた来たい場所ができてしまった。会いたい人たちができた。
長野で出会った方にチェンライに着いたら紹介していただいていた、アンクリットさんとサロジさんと、サロジさんの奥さんのケンさん。
アンクリットさんはギャラリーを持っていてアーティストであり、有名な方らしい。
渡辺謙さんと撮った写真を見せてくれたから、きっとすごい方なんだろう。
英語もままならない、何処の馬の骨かもわからない私を快く時間の合間を縫って案内してくれた。
かっこいいバイクで現れてなかなかのスピードでカフェとマーケットに連れて行ってくれたアンクリットさん。ナイスガイです。どうもありがとう。
翌日。The Roasteryというカフェを経営しているサロジさんと奥さんのケンさんに会いに、カフェに向かった。
そこで出迎えてくれたサロジさんとケンさんに会った瞬間に、なんだかすごくほっとしてしまった。
笑顔の素敵な2人。そして心の温かさが言葉がわからなくても伝わってくる。
サロジさんはカフェから車で1時間ほどの場所にある山でコーヒーを育てていて、世界中のバリスタが訪れるらしい。だからサロジさんは英語を話せる。(チェンライの方は英語は挨拶くらいなら伝わるけれど、基本はタイ語しか伝わらない)
サロジさんは私に沢山のことを英語で伝えてくれて、伝わるようにわかりやすくゆっくり話してくれる。そして、私もこれからやりたい事や自分の想いなどを伝えてみる。
サロジさんとケンさんでプランを立ててくれて、昨日はサロジさんのコーヒー豆の精製所、山のコーヒー農園がある村に連れて行ってくれた。
チェンライは思ったより街だ。チェンマイほどではないが、賑わっている。コーヒー農園のある村の名前は "Ban Pang Khon" という。山道を走っていくと、チェンライの市街地とは打って変わって一気に農村風景になる。
Bon voyageと書かれた門をくぐると家の庭にはコーヒーの木があり、家の一部にコーヒーチェリーが干してあったり、鶏や犬や猫がいたり。
門をくぐってすぐ、アタさんという方の家で車が停車した。アタさんたち何人かでコーヒーチェリーが干してある小屋の間に家を建てていた。
てっきり大工さんかと思っていたが、後で聞いたらみんなコーヒーファーマーらしい。カメラマンの人もいた。
ここではみんな、家も建てたり何でも自分たちでするらしい。理想の暮らしだ。
サロジさんとアタさんにそこからまたオフロードを走って、コーヒー農園に連れて行ってもらった。
山の斜面に、びっしりコーヒーの木が植えてある。何もなかったところに植えたみたいだ。
徳之島でお世話になってる宮出珈琲園の宮出さんと同じだ。
コーヒーの木の間にはところどころ、アボカドやモリンガ、グアバに桑の実と色々植わっていて、それも徳之島と同じだ。
標高は1200m。
これは長野で暮らしていた家があった標高と同じ。
チェリーの収穫のピークは終わっていたけれど、まだまだこれから色付きそうなチェリーもたくさん。
品種はカティモールがほとんど、ティピカやブルボンもあるらしい。
9月〜2月のコーヒーチェリーのピッキングや精製のシーズンにはたくさんの人が訪れるらしい。
その為に、コーヒー農園の山の斜面に泊まれる場所も作ってあった。(ここも、アタさんが作ったらしい!すごい。)
農園から戻ったら、アタさんの奥さんがお昼ご飯を用意してくれていた。ありがたすぎる。そしてどれも、とても美味しかった。
アタさんの奥さんは、2歳の子供がいて、寝かしつけてる間にコーヒーのピッキングをする
コーヒーチェリーの果肉を除去して乾燥させた豆から、虫食いなど欠点豆と呼ばれる豆を取り除く作業だ。
生豆を仕入れて焙煎する前にもこの作業をするのだけれど、その時点でかなり綺麗な豆が多いので、遠い国のどこかの誰かがきっと物凄く頑張ってくれてるのだろうと想像していた。
会うことができた。
こうやって、やってくれてるんだ。
アタさんの奥さんと一緒に作業した。
途中、近くで寝ていた可愛い男の子が起きた。水鉄砲を持って私に向けてくる。どこの国も男の子は変わらないな。たまらなく可愛い。
あ〜この村に来れてよかった!次はもっと、一緒に作業できたらいいなぁ。徳之島との繋がりもできたらいいなぁ。なんて、妄想を膨らましながら去った。
帰国したらサロジさんのコーヒーをこの風景を想いながら淹れてみたいと、思っています。タイのコーヒーはやっぱり甘くて優しい。酸味の心地よいコーヒーです。
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