100年コーヒー そしてインドへ
タイの旅が終わった。
ビザなしで今滞在できる最大日数が45日間。
結局私はギリギリまでいて、一昨日インド行きを決めビザを申請し、昨日無事にビザが下りたのでチケットを取った。
相変わらず滑り込みの人生だ
ビザの申請はオンラインでしたのだけど、結構時間がかかり手こずった。一発で翌日に下りてよかった!
向かうは南インド、バンガロール行きです。
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バンコクではLong luck guesthouseという日本人の方が経営するゲストハウスに泊まっていました。オーナーは世界を旅してタイで宿を始めたというゆかりさん
ちょうど、滞在させていただいてる間に7周年のパーティーがあった。
異国で0から始めて継続しているのだから、ほんとにすごい。
そこで人が繋がったり皆の帰れる居場所になってるのだから、ゆかりさんは勢いで始めたと言っていたが偉業だと思う。
旅人は若者が多く、ロビーでの賑やかな様子に最初の数日間は輪に入るのを躊躇していたが、7周年のパーティーの日、沢山の人が集まり私も参加した。
一際目立つ、全身ピンク色の男性と女性もいた。
お二人が夫婦で、彦根でお店をしていると小耳に挟んだ。
彦根って、滋賀の彦根??
(私の実家は滋賀県です)
男性の近くに行くタイミングがあり、気になって聞いてみた。
彦根で夫婦でピンクに特化したアパレルの店をしているという
旦那さんのはねさんも、奥さんのなみこさんも、帽子から髪、服も鞄も靴も爪も、全てピンク色だ。
なみこさんは少し話した後、仕事があるそうで部屋に戻っていった。
賑やかな片隅で、はねさんと沢山話をした。
はねさんは元バーテンをしていて、経験に勝る話はないと思って旅に出たそうだ
1年で世界一周する予定が、カジノや治験バイトでお金を稼ぎながら、4年間世界中を旅したらしい。
帰国して手作りのカフェを開き、今はアパレルのお店をしながら、今回も仕事でタイに来ているとのこと。
それだけ旅をして観光地にはほぼ行かず、南米のインフラの整っていない奥地で現地の人と暮らしたり、ケニアの民族が暮らす村で列車を降りて、出された探りたてのミルクを飲んで思いっきりお腹を壊した話やヒッチハイクで旅した話
はねさんが感じたままに旅した話は、どれも "生きた話" だった
旅のしんどかったことも話してくれた。
かつてされていたカフェと、アパレルのお店の写真も見せてくれた。
全てがピンクだ。外装も内装も置いてるものも。
それを見せてくれるはねさんの携帯も待ち受け画面も爪のネイルも、全て
なみこさんは笑顔の素敵な柔らかい雰囲気の女性だったが、筋の通った男らしさを感じて、聞けば、仕事が大好きでタイに来ても日中は動き回り、夜も部屋に篭って仕事をしてるのだそう
今のお店のやり方と暮らしをするのに10年かかった話も聞いた。
ここまで突き抜けて、貫き通して お客さんに愛があって、人生をクリエイトしている
はねさんと話す中で、この間自分の中で感じていたモヤモヤが、腑に落ちた気がした。
その日の晩、私は南インドに行くことを決めた。
南インドのコーヒーカルチャーを見てこようと思う
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昔、バイクで日本縦断して、いつか世界を冒険したいと思っていた。行ける限りの国に行こうと思ってた。
今もその気持ちは持ってるけれど、今回タイに来て、ワクワクできない自分がいた
世界遺産を見るよりも、近くの川沿いの橋を、枝をつきながら手を繋いで歩く老夫婦の後ろ姿を見た時の方が 今の私はぐっとくる
素晴らしい景色も、誰かと分かち合いたい
せっかく東南アジアにいるから、この後カンボジア・ラオス・ベトナムと回ろうかとも考えていたけれど、なんだか気乗りがせず、今じゃないんだな
何事もタイミングってある
その時がベストなタイミングだと、信じたい。
私は今、空間作りをしたいし、求めてくれる人に丁寧にコーヒーを淹れたい。
生きた話を、したい。
今回の旅は、感じてみたいコーヒーカルチャーを感じて、歩きたい場所を歩こう。流れのままに。
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ビザも無事下りたので、先日アユタヤ遺跡を勧めてくれたあべさんから、珈琲屋ならローカルなコーヒーも味わっとかないと、と勧めていただいていた "100年コーヒー" に行ってみることにした。
宿の近くの船乗り場から片道1時間弱、チャオプラヤー川を下ったところにその店はある
100年以上続いているから100年コーヒーというらしい。
めちゃくちゃ甘いコーヒーだと聞いていた。
思い立ったのが夕方。やってるかどうか、営業時間もわからないその店を目指して船に乗った
到着したのは17:45。往復の最終便の船は18:10に出るという
舲乗り場から多分、5分程であるだろうその店に、急いで歩いて向かった。
路地裏にその店はあった
店主のお父さんはベンチで横になっていて、お母さんは腰をかけていた。
コーヒーを飲めるか聞いてみたけれど、英語は通じない。翻訳機も字が小さくて伝わらない。
ジェスチャーで、コーヒーを何とか頼んだ
カップに氷をたっぷり入れて、予め作られていたどろどろの濃そうなコーヒー液を注いでくれて、ミルクを入れて渡してくれた。
一口飲んでみた。
・・・あっんまい!!!
目を見開くくらいに、甘かった。
どのくらい甘いか例えるなら、逃げ場のない甘さといったらいいのだろうか
急ぎ足で帰りながら、水と魚の唐揚げを買って船に乗った。
これがタイの100年続くコーヒーの味。
あのお母さんの手で淹れてもらったコーヒーを飲めるのは、人生で今回きりかもしれない。
来てよかった、と思った。
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最後の夜はみんなで遅くまで飲んだ
オーストラリアで車で生活してる男の子や、36歳で無一文で旅を始めて、ギターと歌でバスキング(路上でパフォーマンスをしてお金を稼ぐこと)しながらそのまま7年半海外にいる人
大学生の子からは初々しい悩み相談も聞いた。
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朝、空港に向かう為に起きたらまだロビーには誰もいなく、もっと早くに輪に入ってみんなと沢山話してたらよかったかな なんて名残惜しさも感じつつ 名残惜しいくらいがいいのかも、なんて自分を説得して宿を後にした。
旅にもスキルが必要だと思っていて、言葉もそうだけど 日々の調べること やってみて違ったり選択や決断の連続だったり、日常よりも、自分のペースだったり段取りよくできないことが沢山ある。
情報収集は大切だけど、結局五感に勝るセンサーはないと思ったりもする。
タイでもっと色々吸収できたんじゃないか、と思ったりもするけれど、それも含めて今回のタイでの旅はおしまい。また訪れたい場所です、Thailand
お次は10年ぶりの、インド
南インド、そして1人で行くのは初めてなので、またしても何も決めてませんが、0スタートでいってきます!
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