海外に住む日本人のイメージ
童謡『赤い靴』をふと思い出した。
1番しか記憶に残っていなかった。暗い曲調から、女の子が悪い人に連れ去られていくことを想像し、子供心にとても怖かった。50代半ばの今になって全歌詞を読んでも、なんともいえない気持ちになる。
今では青い目になっちゃって
異人さんのお国にいるんだろう
作詞した野口雨情は、この歌にどんな意味を込めて書いたのだろう。当時の人々はどう感じていたんだろう。黒い瞳が青い瞳に変わるなんて、誰も信じていなかったとは思うけれど。
*
「あら、海外に住んでるのにすれてないのね」
と、母の知り合いに言われたことがある。相手の真意はわからない。
海外在住者に対するマイナスイメージを持っていて、その枠内に私は当てはまらなかったのだろう。そうとは受け取ったものの、何となく気になった。
「すごいですねー」
カナダ在住であることがわかると、初対面の方々からそう言われることが
よくある。単なる会話の一部というだけで、別に他意はないだろう。
それでもなんとなく誤解を解きたくて、
「住んでるだけなので、全然すごくないですよ」
と笑って答えてしまう。
実際そうだから。
国際結婚し海外に移住すると、日本国籍じゃなくなると勘違いされやすい。
二年半ぶりに実家に帰った昨年の秋、日本の赤いパスポートとカナダの移民カードを父に見せた。嘘のような本当の話だ。親でもそうなのだから、海外在住者の身内や知り合いでない限り誤解してしまってもしょうがない。
童謡『赤い靴』が発表された大正時代から昭和、平成と100年の時が流れた。令和4年10月時点の海外在留邦人は130万人を超えている。これから海外生活を始める人達、海外生活を終えて帰国した人達を含めたらその数はさらに増える。
日本国籍のまま海外に永住できる。外国籍に変更することもできる。外国籍から日本国籍に戻ることも出来る。
私達は同じ地球人。どこに住もうと変わらない。
サポートしていただきありがとうございます。そのお気持ちが投稿を続けるモチベーションになります。大事に使わせていただきます。 コメントはいつでもお気軽にどうぞ!