バスの運転手は誰か?
カミーノをはじめて、はや1週間が過ぎました。
朝5時頃に起きてパンをかじり、元気よくバックパックを背負い、道中で拾ったフレッシュアーモンドや、木からもぎとったイチジクにかぶりつきながら、ネイチャーのパワーを感じつつひたすら歩き、14時頃に到着した街で宿を探し、体と服を洗って、足のまめをつぶし、疲れていたら昼寝してから、元気であればそのまま街を散策。気分と予算によってレストランで食べたり、スーパーで買ったものを食べたり。まだ外の明るい21時頃には、柵のないまじで落っこちそうな二段ベッドの上で(まだ若いので進んで上の段に寝ます)、寝袋にすっぽり身をおさめて、微動だにせず朝まで眠りこける。基本的に、毎日この繰り返し。
味気なく書いちゃいましたが、ひとつひとつが本当に素晴らしい。言葉も全然なんとかなる。生きていけています。むしろ、すっごい豊かに。
◾️バスの運転手は誰か?
バスにはたくさんの人が乗っている。美しい人、醜い人。賢い人、馬鹿な人。寛容な人、怒りっぽい人。強い人、弱い人。すべて、私。
さあ、あなたはどの自分を運転席に座らせる?
選択するのはあなた自身。いま、どの自分が運転席に座っているのか。私の場合、まずはその瞬間瞬間、そのことに気づくところからはじめようと思います。
(Wisdom from Leo, age 68, from Holland)
◾️見当違いな慮りと気遣い
誰かに深刻な何かを相談されたとき、いろんな寄り添い方があると思います。ただただ話を聞く。励ます。相手の立場に立った上で、自分だったらこうする、という話を参考程度にしてみる。抱きしめる。美味しい食べ物をおごる。とかとか。
先日、失恋して落ち込む英国DJに対して、帰国して彼女に会いに行くようアドバイスをした私。最終的には、自身のインナーボイスに従ってカミーノを続けることを選んだ彼。
この出来事を、80セントのワインを飲みながら1人カフェで振り返っています。
自分の行動を振り返って、一番良くない手段だったんじゃないかと反省しています。もっと良い方法があったよなあと。じゃあ、なぜあの時、私はそうアドバイスすることを選んだのか。彼が私にそう言ってほしいんじゃないかと勝手に想像したのです。相手が求めるものを勝手に推し量り、自分的には善意でもって、それを表現した。つまり、私個人としての心のこもった意見でもなければ、前提情報を整理した上でのアドバイスでもない。(右脳的にも左脳的にも微妙!)
すぐに答えを出そうとする私の癖が出た一件だったように感じます。
彼がそう言って欲しそうだったから。それを見越して言ってあげた。本当に?
(展開して、人から何らかのアドバイスをもらったとき、すべてをすっと受け取るかどうかは考えもの。自分自身でしっかりとバスのハンドルを握っていようとおもいました。)
見当違いな慮りと気遣い。このことでどれだけの人がすれ違っているんだろう。親しい間柄でもよく起こっていることかもしれません。
今回の件を、道中で一緒に歩いたLeoに話したり、自分の奥深くに潜ったりすることで、整理できた今後の指針的なもの。
・Make others their own decision.(↔︎Make my own decision.)
・Drive your Bus, Not others.(↔︎Mind your own business. )
・Listen actively and advice nothing.(私的にたぶんこれが一番むずかしいし、これが良い指針かどうかわからないけど、目の前は一旦これにトライした方がよさそう。感覚的に。)
◾️先頭が道を間違えれば、後に続く人も道を間違える
今朝、まだ日が上がらないうちに泊まっていた教会を出発。しばらく暗い道を1人で歩いていたが、公園で2人のセニョールを発見。道を示すサインを暗闇の中で探すのは大変だったので、彼らを見つけて一安心。あとは、後をついていくだけ。
ある箇所で、彼らは自分たちの歩いている道に自信をなくしはじめた模様。彼らの背中を追いかけつつも、無意識にサインを気にしていた私は、「この道であってるよ!この後、そこを渡るみたい!」と言って目の前の橋を指差した。2人のセニョールは、「どうもありがとう。おかげで後に続く数十人を迷わさずに済んだよ。先頭に立つ人が常に正しいとは限らないよね」と言って笑いながら、橋を渡り始めた。スペイン語だったので、一言一句わからなかったけど、大体そんなことを言ってたんだと思う。たぶん。
2日前、私は先頭を歩いていてサインを見失い、まあ大丈夫だろうと歩き続けていたら、実は全然違う方向に歩いていた。後に続いてきていた5〜6人を同時に道に迷わせてしまった。そのことがあったから、セニョールの背中を追うことに安心感を覚えつつ、サインに気を配りつつ歩いた。
これ、現実世界でもよくありそう。
先頭を歩くのも自分の選択。だれかの背中を追うのも自分の選択。あなたのバスの運転手は、あなた自身なのだから。
◾️おまけ
◇誘い方がおしゃれすぎるハムレット@Pub
“Two beer, or not two beer?”
◇イラク出身でスペイン在住の、Mr.ビーン
◾️今日のソウルソング
♪On your mark
On your mark
いつも走り出せば 流行りの風邪にやられた
On your mark
僕らがそれでもやめないのは 夢の斜面見上げて行けそうな気がするから
答えを出さない それが答えのような
きみとぼく すべてを認めてしまうにはまだ若すぎる
♪ナウシカのサントラのたぶん1番
花や木や小鳥のことばを
あなたにも教えてあげたい
♪やさしさに包まれたなら
カーテンを開いて
静かな木漏れ日のやさしさに包まれたなら
きっと目にうつる すべてのことはメッセージ
Buen Camino!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?