見出し画像

313【自分の人生の主役は自分である】

三寒四温の言葉通りに、日に日に日差しの温かさが増し、着実に春の息吹を感じる季節を迎えました。「人間が動き出しけり春の風」正岡子規が詠んだ句です。

いよいよ行動の春、あらゆる生命が躍動する春の到来です。

四月から新しい生活を踏み出す卒業生に次の言葉を送ります。それは、

「自分の人生の主役は自分である。」

自分自身を生き抜くことの大切さについてです。やってもやってもなかなか道が拓かない。結果が出ないと思うような瀬戸際の時は、誰にでもあります。自分と比べて他人の方がよく見えてしまう場合もあります。しかし、その時こそが、自分の可能性を拓くチャンスだと言われています。大切なことは、目の前の状況に正面から向き合い、自分で考えて、判断できる力を磨くことです。自分の人生の主役は自分であるとは、ピンチのときほど、いま自分は、人生という劇の本番をやっている最中だ。今日はうまくいかなかった自分を演じている日だったのだと、心にゆとりをもって、でもがんばっていれば、自分の道は必ず拓く、なぜなら諦めないからだと希望を信じる自分を作ることです。目標が叶うかどうかは、本当はやってみなければわかりません。でも一生懸命挑戦する中で、自分の中で強さを磨くことができます。そしてたとえうまくいかなくても、もう次の目標に頭を切り替えて、その実現のために自分の時間を使える、そういう自分になることができます。自分の人生の主役は、自分であるという、強い信念、意志が着実に育まれていくことを願っています。

最後に、私が大切にしている作家、吉川英治さんの言葉を紹介して終わります。

「本当の人生の苦労らしい、苦労を舐めたに違いない人は、そんな苦労と闘ってきたととても見えないほど、明るくて、温和に、そしてどこか風雨に洗われた花の淡々たる姿のように、さりげない人柄をもつに至るものである。なぜならば、正しく苦労をうけとって、正しく打ち克ってきた生命には、当然、そういうゆかしい底光りと香がその人の身についているはずのものだからである。」

卒業生の輝かしい未来に夢を託し、お祝いの言葉とします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?