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ももたわんまんライブレポ-4

ももたワンマンライブレポート:その④

 2020年1月26日、日曜日。大阪市梅田のとあるライブハウスにて。
 我らの愛すべき漫画家なかはら・ももた先生のデビュー30周年のイベントが開かれた。
 私とおゆきはイベントの準備を手伝うべく、開場より一時間早く会場入り。
 すでに、階段上には待っている人が二人ほどいた。

 会場に入って、風船や花を作って飾り付けたり、サプライズ用のイラスト蒲鉾と切り分けるナイフとかを用意したり、鏡割りの準備をしたりと、慌ただしく時間は過ぎていく。
 司会のホリーニョ君も、海軍士官役のあちを君もやってくる。あちを君はこの日のために5キロも痩せたそうだ。
 出番が終わったらすぐ帰るというあちを君。せっかく収史さんに会えるチャンスがやってきたのに、悲しい!そんな話をしていたけれど・・・あちを君の中ではもしかしたら、この時にすでにあることを決意していたのかもしれない。
 予算の関係で(笑)スタッフTシャツが4着しかないと知ったおゆきが1週間で制作した自家製スタッフTシャツを着込んで、最後の打ち合わせ。

 いよいよ開場である。
 定員30名の予約は数日で完売した。
 どの人もももた先生にひと目会いたい、お祝いしたいと熱い思いで駆けつけてくれている。地元の人も関東や東海地区、九州の人も。東北からも便りが届いていたらしい。
 早い人は30分以上前から並んで待っていてくれた。ありがとう。みんなありがとうございます。
 タオル付きチケットも好評で、来てくれるだけでもありがたいのに、お土産やお祝いの品を持ってきてくれた方もいて、皆さんの気持ちが本当に嬉しかった。

 そして、スタート。
 中の人と私は収史さんを出迎えるため、階段上で待機していたので、スタート時の様子もあちを君の海軍士官姿も見られなかった。残念・・・(泣)
「タクシーで来られるのかな?」
「いや、歩いてくる気がする」
 とか、話してる間に、何人か前を通っていくから、そのたびに、二人してドキッと緊張しては、ほお~~~っとため息をつく。
 13時ちょい前、角を曲がってやってくる見覚えのあるシルエット。
 き、き、き、キターーーー!本物!マジだ!
 収史さんはいつものように「来ました~」って感じで笑顔を見せてくれた。
 中の人を紹介して、登場の段取りをお話する。
 会場のレイアウトの都合上、あまり早く入口付近へ行くとお客様にバレてしまうので、なんと収史さんとは路上で打ち合わせ&待機と、恐れ多いことをしてしまってた。その日が雨でもなく、特別寒い日でもなくて本当に良かったよ・・・。
 こんなところでも、ももた先生、晴れ女様のパワーを全開にしている。

 中の人がステージ上の様子を見に行っている間に、改めてお礼申し上げ、会場の入り口にあるバルーンスタンドのところで、お祝いメッセージを書いてもらったりして、入場を待つ。
 みんなにバレないかドキドキして落ち着かない・・・。
 ほどなく、中の人の合図でササッと中へ入る。
 ほとんどの人には気づかれずにすんだのだけど、トキヲイキルヲタの何人かが「うそっ、マジか?」と気づいたので「しーーーーっ」て釘を刺した。黙っててくれてありがとう・・・!

 控室はお客さんがドリンクを受け取っていた場所。収史さんが中に入るとライブのハウスのマネージャーさんが驚愕の表情で迎えてくれる。それがなぜか後でわかるのだけど、きっと彼も「うそーーーー!まじかーーーー?」って叫びたかっただろうな(笑)
 控室ではすでにステージを降りたあちを君が着替えていて、残念ながら海軍士官となった勇姿は収史さんには見ていただけなかった(泣)
 しかし、簡単にだったけど、あちを君を紹介して、とうとう「あちをmeets収史」が実現。感無量だったよ(泣)

 そして、あちを君は何かを思いついたように、海軍士官の衣装をきれいにたたみ、その上に帽子を置いて「これは置いて帰ります・・・」と風のように去っていった。
 そうか、あちを君はこれを収史さんに着てもらって、チェキの時にでもももた先生と記念写真を撮ってもらう用に置いていってくれたのだなと、その時はそんな風に思っていたのだが・・・。
 ステージではまさか収史さんがここにいるとは知らないももた先生が歌を歌っている。

 その間に、登場のタイミングと持っていってもらう蒲鉾の説明。衣装の置いてある横の椅子に蒲鉾を置いて、説明していると、ふと収史さんが「ねえ、これって着てもいいのかな?」と聞いてきた。
「え??えええええ?えええええええええええ?」
 人は驚くと言葉をなくす。
 人は驚くと固まる。
 人は驚くと踊りだす。
「ま、ま、ま、ま、まじでーーーーー?」
 こくこくとうなずくだけしかできずに、あたふたしている間に、収史さんはさっさと上着をはおりボタンをしめていく。

 ちょ、ちょっと待って・・・・!
 目の前に!大尉がいる・・・!
 おい、おい、おいーーーーー!
ももた!歌ってる場合じゃない!!!
 中の人ぉぉぉ!
 おゆきぃぃぃ!
 あちをぉぉぉ!
あと、誰よ。
 誰でもいいけど、誰とも連絡が取れない。インカムない。電話も電波が届かない!
 うおおおおおおってなってる横で、収史さんはしっかり衣装を着て、帽子もかぶって、控室の鏡の前でセルフチェックしていた。

 ステージでは2曲目がかかり、ヲタの人たちに引っ張ってもらって会場一体となって声をあげている。
 その曲に合わせて、こぶしを振り上げてくれる美大尉さま・・・。
 尊い・・・あまりにも尊い。
 尊とすぎて、尊い以外に言葉がない。

 五体投地するしかない!でも狭い!できない!結果、ケチャしかできない!

 ももたーーーーー!ここに大尉がいるよ!
大尉があなたの歌でこぶしをあげてくれているよーーーーー!!!!
 なんだろう、この世界線・・・。
 夢か幻か?自分の願望が強すぎて、白昼夢を見てるのか・・・?
 曲は3番目の歌に変わっている。
 曲の途中でターボーさんの声が聞こえてきて「ターさんだ、これ、ターさんだよ」と収史さんはニコニコして言っていた。

 その間に収史さんは全身衣装に身を包み、あの時、マッサンで見た海軍士官となっていた。
 もう、肩のラインとか、立ち姿とか、どうしたらいいんだろう・・・。←かなり気持ち悪いですがスルーしてください

「いや、それで出ていったら、先生、逃げるかもしれない・・・」
 と、つぶやく私に「えへへ」と収史さんは楽しそうに笑う。
 そう。打ち合わせありのサプライズだったけど、さらにそれの上を行くサプライズは収史さんプロデュースだったのです・・・・。

 ももた先生の夢が叶う瞬間。
 あちを君の熱い思いが通じた瞬間。
 今日まで頑張ってきた中の人の思いが報われる瞬間。
 お手伝いに駆けつけたスタッフの気持ちが震える瞬間。

 すべてのことが一つの形になっていく過程を目の前で見ている。
 その奇跡に言葉もなく、ただ、感動して。
 この目に焼き付けよう。
 この後に起こることが、ももた先生にだけではなく、会場にいる人、今日のために思いを馳せてくれた人、全員へのサプライズになっていくのを・・・。


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