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7「詩」雨があがる前に

あの日も雨だった

雨粒が放射線状になって
視線の先から溢れていた

ひとりぼっちだった
けれど寂しくもなかった
ひとりぼっちは慣れっこだった

雨粒が感情を失った心の穴に落ちると
穴は一瞬微か何色かに染まった
雨音が激しくなる
心の小さな穴はいろんな色彩に変わりながら
心のほぼ全部を埋め尽くした

雨音が静かになると
穴はすぐさま元の色に戻った
元の色
元の色がどんなだったか思い出せないまま
おそらく元の色に戻った

雨はもうすぐあがるだろう


相変わらず心には無数の穴が空いたままだ
違っているのは
雨の水滴が穴を滴り
ずっと深いところに落ちていく音が聞こえること

金属製の響きが心の深い所に伝わっていく振動が
鼓動に共鳴している心地よさ

雨があがる直前
ずぶ濡れになった心に薄く虹がかかる
虹の色を忘れないように
手のひらで覆ったまま
立ち続けている

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