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ジョン・ウィック:コンセクエンスを見た!(ガルパン最終章第四話のネタバレ注意)

新しいキーボードを買ったので、試しに記事を書いてみる。とりあえず昨日見たジョン・ウィック:コンセクエンスについて書いてみよう。

ジョン・ウィックはDVDで入門し、チャプター2とパラベラムは映画館で見た。そして今回のコンセクエンスである。
本来、俺はコンセクエンスを見るつもりはあんまなかった。だって上映時間が2時間45分もある。

2時間45分も映画館で座っていろと………?

十代の頃は上映時間約3時間のロード・オブ・ザ・リングを見ることに何の躊躇もなかった。だが今は違うッ!(ギュッ)絶対途中でトイレに行きたくなるゾ。
それに20時に開場して、出てくるのが23時、なんか休日の三時間を無駄にしたような気分になる。大人の休日の三時間は貴重なんだ。
それでもイオンでガールズ&パンツァー最終章第四話を見て、晩御飯食べたらなんかいい感じで時間も経っていたので、ノリと勢いで観るか! と思って観た。

まぁ、そんで感想なんだけどさ………

微妙………。

ジョン・ウィックシリーズってさ、キアヌ・リーブスがFPSの上手い人の動きで敵を殺す映画なんですよ。
そして、それがすべてだ。
いや、すべてじゃないけどこの映画の75%くらいはそれでできている。
でもさすがに4回もやられると、飽きる。
とはいえ、シリーズにまるっきり工夫が無いとは言えない。
チャプター2はあの世界の新システム『誓印』が登場し、ジョンがフル装備で仕事の準備~実行する場面を見られたり、色々楽しめた。
パラベラムではルールを破って主席連合と全面戦争する様子が熱かった。完全防弾装備の特殊部隊相手に戦うジョンはすげーかっこよかった。
そしてコンセクエンス、今回はどうだ?
特に真新しいことはない。ドニー・イェンが出てくるだけだ。

*以後、コンセクエンスのネタバレ有*

そもそも何でジョンは戦ってるの?

第一作目でジョンは愛犬をロシアンマフィアに殺されたので、ブチ切れてロシアンマフィアを壊滅させた。それはわかる。すげーわかる。
第二作目ではイタリアンマフィアから誓印の力で無理やりやりたくない暗殺の仕事をさせられた挙句、仕事が終わったら裏切られて始末されそうになる。それでブチ切れてイタリアンマフィアを壊滅させる。それはわかる。すげーわかる。
第三作目では掟を破って殺害禁止の聖域、ニューヨークコンチネンタルホテルでイタリアンマフィアのボスを殺したせいで、主席連合に狙われることになるジョン。
ジョンは主席連合のさらに上、首長と会談して許してもらう代わりに旧知の友人であるニューヨークコンチネンタルホテルの支配人ウィンストンを殺せと言われる。殺人現場の監督も連帯責任のようです。
ここから話がなんかおかしくなる。
ノコノコとコンチネンタルホテルへ行ったジョンは、ウィンストンになんかこう、説得されて自分もあんま乗り気じゃなかったから「やっぱ主席連合と戦う!」ことにする。優柔不断!
で、色々と頑張るんだけど敵の波状攻撃にコンチネンタルホテルが陥落しそうなので、ウィンストンに裏切られて屋上で撃たれる。
と、思ったらなんかウィンストンの作戦で、屋上から上手く屋根から屋根へ落ちたジョンはホームレスの王であるローレンス・フィッシュバーンに助けられ、なんか横暴な主席連合に復讐を誓ってパラベラムは終わる。
そもそもジョンは聖域で人を殺した自業自得のような気もするが…………いや、まぁそれはいいか。

あらすじ

前作から結構な時間がたち、心身ともに回復してトレーニングして、往時の実力を取り戻したっぽいジョンは、さっそく主席連合の上に立つ首長をぶっ殺しに行く。話が早くていいですね。
でも首長は別人だ。なんか前の首長はクビになったらしい。
お前、一番偉いんじゃないんかい。
とりあえず首長をぶっ殺すジョン。
その後、ニューヨークコンチネンタルが廃棄されると通知を受けるウィンストン。しかも一時間である。早っ! 前回は一週間くらい待ってくれたじゃん。どんだけ短気なの。
そんで主席連合は侯爵と呼ばれる金髪で、イケメンで、白人で、金持ちで、性格が悪くて、無能な、ポリコネ映画の主人公とほぼ対極の存在になんか全権を託したらしい。
ナンデ?
いや、本当になんでだよ。首長といい、主席連合の指揮系統がさっぱりわからん。っていうか他に人材いないのかよ。こいつ絶対だめだよ。短気な奴をトップ立たせるな。
っていうか、チャプター2のイタリアンマフィアのボス、確かサンティーノだっけ? あいつに性格がそっくりなんだよな。なんで同じようなキャラに、同じようなことをさせるんだよ。
一時間後、爆破されるニューヨークコンチネンタル。なんか前回も同じような展開だったな。
一方、大阪コンチネンタルに身を寄せるジョン。ジョンがなんで大阪に来たのかはよくわからん。情報を得に来たんだっけ? 
大阪コンチネンタルの支配人の真田広之とジョンは親友で、真田広之はジョンをかばって侯爵の部隊+ドニー・イェンの襲撃を受けて殺される。なんか前回も同じような展開だったな。
「メイワクカケテスマナイ」と詫びるキアヌだが、発音自体は前作の「オマエヲコロスノハオレシカイナイ!」より格段に良い(っていうか普通に上手い………?)ので練習すればもっと上達しそうな気がする。
ジョンは道中、ツンデレの黒人(犬を飼っている)に襲撃(という名の援護。ツンデレなので言葉と行動が逆に動く)を受けつつにっちもさっちも行かないので、ニューヨークへ戻ってウィンストンのアドバイスを受ける。
ウィンストンは「決闘というルールがあって、それで侯爵と一対一で戦える。あともうちょっと考えて殺せ」と言われる。多分、後半は聞いてなかったな。
それで決闘するためになんやかんやして、パリの何とか寺院で決闘することにこぎつけた。卑怯というか、頭がいいというか、常識的な侯爵は決闘を不戦敗にするために約束の時間までにジョンが来ないように、賞金をかけてジョンに殺し屋を差し向ける………んだけどさ。

学ばない人たち

前作から思ってたけど、懸賞金2000万ドル(今の為替レートだと30億円くらいか?)かけられたからってジョン・ウィックに戦いを挑むかね?
ロシアンマフィアもイタリアンマフィアも、あとなんかその他大勢が殺されたんだよ?
なんで自分はやれる! って思うの? その自信はどこから来るの?
バカなの? 死ぬの?(死にます)
いや、全員がそうじゃないとは思う。半分くらいは「いや、無理だやめとこう。今日はおとなしく家でAPEXでもやろう」と思っているかもしれない。
にしてはジョン・ウィックを襲撃する人数が半端ない。母数どんだけだよ。
これも前々から思っていたんだけどこの世界、殺し屋多くね?
そんなに需要のある職業なの?
凱旋門で撃ち合っているが警察が一向に来ない。
警察も主席連合の世界とある程度関係しているような描写は第一作からふわりとあるが、限度があるだろ。その辺の描写もなんか一作目に比べて雑なんだよな。巻き込まれる一般車がかわいそう。
俺がそんなことを考えながら見ていると、最終的にすごい階段の場面に入る。この階段を登れば決闘の場所だ。げんなりするジョンだが、決闘の場所を指定したのはお前だろ。なんでこんなとこ選んだの。
そして階段に待ち伏せし「へっへっへっ」とばかりにポケットに手を突っ込んで笑う雑魚たち。
いや、なに笑ってんの。お前ら数秒後に死ぬかもしれないんだぞ。っていうかたぶん死ぬ。すでにもう何十人単位で死んでいる。「俺これから死ぬかもなぁ」とかいう緊張感を持て。
どうして過去の事例から何も学ばないんだこいつらは。

そもそもなんでジョンは強いのか?

やっぱり階段で次々死ぬ殺し屋たち。
それにしてもジョン・ウィックはどうしてこんなにも強いのだろう?
それはジョンの戦闘力もそうだが、一番は敵の殺し屋が打たれ弱いからだと思う。
こいつらは全身防弾でもジョンに撃たれると怯む。投げられたらそれだけで「痛くてぇ………動けなくてぇ………」と言わんばかりに動きが鈍くなるのだ。
出て来た時はすっごい自信満々なのにジョンに「トォーッ!」と投げられると途端に弱気になって、へなへなとなって、頭をゆっくり撃たれてしまう。それがいけない。
一方ジョンは、どれだけボコボコにされても、撃たれても、力強く動いて、立ち上がって反撃する。人生でもきっとそういうのが大切なんだろうと思う。

そもそもなんでジョンは戦ってるんだっけ?

これ途中、ジョンもわかんなくなっている節がある。ジョンは侯爵を殺そうと息巻いているが、別に侯爵になんかされたわけでもないし。主席連合と戦う! という動機のはずなのに、肝心の主席連合の存在がなんかあやふやなんだよな。
決闘では自分の自由を賭けてるし、主席連合の世界からおさらばしたいのか、復讐してこの世界を変えたいのか、お前はどっちだ。話の雲行きが怪しくなると険しい顔をして誤魔化すのをやめろ。

俺がコンセクエンスに期待したこと

前作で上から目線で横暴な命令をしてくるムカツク奴らを片っ端から始末して欲しかった。バーバヤーガと恐れられた全盛期の圧倒的な力で主席連合を皆殺しにして欲しかったのだ。完全なジョン・ウィックのターンでパラベラムの、主席連合に抑圧された世界を吹き飛ばして欲しかった。
にも拘わらず前作に出てきたムカツク奴らは一切、登場せず代わりに侯爵という二番煎じの悪役が出てきてそいつを殺して終わった。
決闘も主席連合のルールの中に組み込まれたシステムだし、結局、ジョンはその中でこじんまりと納まってしまったように見える。
ていうかジョン、お前犬はどうした。お前の犬どこ行ったんだよ。この映画のアイデンティティーの一つじゃないのか?
なんかがっかりだなー。
屋内での俯瞰視点での戦闘はゲーム、っていうか「ジョン・ウィック:ヘックスだ!」と思って一人で盛り上がってしまったけど。

なんか、あんまりパッとしなかったんだよな。ドニー・イェンのアクションは流石にキレッキレだったけど。マジで動きが早すぎる。
やっぱチャプター2のカタコンベの戦闘シーンが、シリーズの中でベストかな。
今回のアクションは全体的にあまりハラハラしなかったし。はっきり言って面白くなかった。道路で戦うシーンは漫画『TOUGH』で鬼龍が高速道で車にはねられるシーンを思い出して、なんか変な気持ちになった。これは俺が悪いんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

っていうか、直前に見たガールズ&パンツァー最終章第四話の方がよっぽど緊張感があったぞ。
継続高校のミカは大洗女子学園が仕掛ける作戦を見透かして二重三重に手を打ってくるし、強力なスナイパーは狙ってくるし、主人公であり最強の指揮官である西住みほが退場するところから始まるわで「これ大洗の負けイベント? 敗者復活戦でもやるのか………!?」と俺は真剣に思った。
もうマジで最後までミカに勝てるイメージが浮かばなかったし、最後の崖を滑り落ちながらの戦車戦は「誰か死ぬんじゃねぇか?」とハラハラしながら見ていた。
黒森峰と聖グロリアーナの戦いは本当にどっちが勝っても物語が成立するから、展開が読めなくてやっぱりハラハラした。聖グロリアーナからはクランベリーとか、バニラとかすっごいビジュアルの新キャラが出てきて「ああ、こいつらも、しばらくしたらXのタイムラインでR18指定のイラストを描かれるんだろうな」と思うとなんか感慨深かった。
あともう一つサプライズがあったが、実際に劇場で見てくれ。

いやー、ガルパンは面白いな。上映時間も54分だから気軽にみられる。
それに引き換え、ジョン・ウィック:コンセクエンスは本当に2時間45分もかける内容だったのか? 最後だから適当に終わらせた感じがする。
ジョン・ウィックに限らず上映時間の長大化は、ネットフリックスの影響もあるらしい。要するにメジャーで通らない巨匠の長尺企画が、ネットフリックスで通って、それで賞を取ったから「俺も俺も!」と俺も俺もボーイたちが巨匠にどんどん好き勝手長尺企画を作らせているというのが今の流れらしい。
前見た007/ノー・タイム・トゥ・ダイも2時間43分だったな。
やめて。
途中でトイレに行かなくちゃならないから。
小説でも思ったけど、コンパクトに出来るならコンパクトにする工夫は必要なんだよな。横溝正史も年を取ると話が長くなるとどっかで書いてた。病院坂の首くくりの家は、だから上下二巻なのだが、これに関しても俺は「上下二巻にする内容か?」と首をかしげている。昔の横溝先生だったら、上巻の内容を半分以下にまとめられたはずですよ。
ま、それはさておき。

やっぱりキアヌ・リーブスが好きだ。

なのでこれからも頑張ってほしいけど、さすがにアクションスターやるにはもう年なんじゃないか?
でもトム・クルーズも頑張ってるし………なんとかなるか?
キアヌ・リーブスにはぜひとも、もう一山くらい当ててほしいものだ。
もしくはゲームでもいい。サイバーパンク2077にも出てるし。
ジョン・ウィック:ヘックスの続編でないかなー! あれ結構、気に入ってるんだけど。
ダッシュのコマンドが追加されれば、もっと面白くなりそうですよ?

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