見出し画像

【二温目】いつか延長線を描きたい。彼との休日の日々

三寒四温を繰り返しながら、だんだんと春の足音が大きくなっているのを感じる。桜の開花予想がニュースで見られるようになってきた。わくわくする春への期待も高まっていく。

私の教習所通いも終わり、それに合わせて彼も帰省から帰ってきた。今日から3日間、彼との休日がはじまった。


教習所の卒業を迎え、そのまま彼の家へ向かう。着いたのは17時を過ぎた頃。
東京なのに彼の家の周りは物価が驚くほど低い。近くの商店街では焼き鳥一本70円程で買えてしまう。2人で一本ずつ買っても140円驚いてしまうでしょ?焼き鳥片手にまだ慣れない商店街を巡る。「いつか焼き鳥5本くらい買って帰って焼き鳥丼したいね」と話した。美味しそうではないか。70円の冷めた焼き鳥はあっという間にお腹の中に消えてしまった。こおばしいタレが美味しかった。

あんまりにもお腹が空いていたから 「お酒飲みたい!」 と私の意見で初めての居酒屋さんへ向かった。それが信じられないお米のやわらかさで、一瞬にしてお店を出た。そしてすでに行きつけになりつつある隣の居酒屋さんへ逃げる。

行きつけになりつつあるお隣の居酒屋さんはもつ煮が売りでいつも(3回目)食べる。
「これこれ、やっぱり美味しいね」
なんていいつつ、どこで食べても味なんて変わらなそうなコーンバターを私は注文する。ダイエットちゃんとしてたし、お酒も飲んでなかったから、今日だけはジャンキーにいきたい気分なのだ。

あつあつコーンバター

彼が居ない間、私は夜の教習でお酒を飲む暇はほとんど無く、飲んだ日と言えば会社の懇親会で肩身狭くいたのと、大学の卒業研究でお世話になった客員教授さんとの2回くらい。どちらもそれなりに気を配るし、安易に心を休められない。

だから久しぶりに彼との呑みで楽しくなってしまった。2週間って過去一の長さだったような気もする。2つの飲み会や教習所や春からのお仕事のことでも、いろんな感情が私を取り巻いていたから “彼がいる” その安心感に、つい飲みすぎてしまった。先日は彼も大惨事を起こしたのだからちょっと酔ってるくらい許してくれるよね。

彼はきっと私の持っている不安を察知していてくれる。少なくとも付き合ってからのこの7ヶ月はそうだ。私の不安とかネガティブなものを察知して、さりげなく慰めてくれたり、“ネガティブを吐き出せない” ことも知られてしまっているから、それを直そうと話すように促してくれた日々があって、お酒を片手に愚痴れるようになった。なんと有難いことか。私が彼の仕事ぶりを羨ましく思っているのもきっと感じているね。それを私が彼に言ってしまったら、私は惨めすぎるから言わないけれどそんなことまで見透かされている気がするんだ。だから余計、吐き出してしまいたい愚痴だけを話すことができるのかもしれない。

その日はそのまま、抱きしめ合って眠った。久しぶりに彼の体温を感じる。冷え症の私と違っていつもあたたかい。そのぬくもりにほっとする。やっと帰るべき場所に来れたんだなと微睡みながら思った。


次の日は彼は朝からオンラインでのお仕事で、その横で私はnoteを読んで、漫画も読んで、小説も読んで、いつもの寝て過ごす休日をしていた。彼もお仕事と言っても資料作成は終わってるようでかなり私に構ってくれてはいた。もし、同棲したらひとりの時間が少なくなって私は辛くなるんじゃないかなという不安もあった。今日の感じではもちろんひとり時間が減るのは感じた。でも、私の時間も邪魔されず、ただ同じ場所と同じ時間を共有している空間がとても居心地よく感じられて、案外大丈夫なのかもしれないと思った。ただ、不安はそれだけじゃないからまだ二人暮らしには踏み切れないけれどね。

夕方から夜にかけて彼は友達との予定があったので私も一緒に外に出た。電車で別れて渋谷駅へ向かう。働く場所は渋谷じゃないとは言え、もう10日程度で生活圏が東京へ移る。今日の感じでは私はしばらく慣れないんだろうなと思った。いや、東京を良いと思える日が来るのだろうか。その前に私は嫌気がさしてしまうのでは無いかと思う。その時がきたら、また考えよう。

足早に買い物を終わらせて帰路に着く。デパ地下で少しだけいいもの買ってきて夜ご飯とシャワーを済ませる。そしてご飯を食べながら彼を待つ。いつも夜の電話を待つのとはちがう。「早く帰ってきて欲しい」思いは変わらないけれど、なんだろうこの感じ。一緒に暮らしたらずっとこうなんだろうか。このまま眠ってしまっても大丈夫ななんとも言えない安心感があった。


次の日は彼が朝からオンライン会議で、仕事する彼を横目で私はまた微睡んでいた。昨日と言い今日と言い、幸せな朝だった。明日からまた目が覚めて彼が居ないと思うと少し寂しい。

どうしてこんなに同棲のことを書いてしまうんだろう。それは私がずっと悩んで行ったり来たりしているからだろう。そして彼もこの3日間は今までよりも「一緒に暮らしたら〜」と話すようになったからかもしれない。

新卒での同棲は難しいとよく聞く。私は一人暮らしの経験も無いし、私と彼のお給料には同じ新卒とは思えない差がある。そして私は環境の変化にめっぽう弱い。いつもはじまる前から不安で仕方ない。暮らしでも金銭面でも、きっと頼らざるを得ない。自立したいのに、そんな甘えたことを私はしたくないとも思う。そして私は漠然とした不安をきっといくつも抱えている。

2人で暮らしたくてたまらない。
でも、今の私じゃやっぱりそんなこと言えないんだ。

じゃあ、春から頑張ろう。
少しずつ自信をつけよう。

改めてそう思った。


彼の家に行って周りを歩く。
東京なのにらしくない風景、そこを見る度に彼の住む街が好きになりつつある。
これからここでの思い出が増える度に、どんどん好きになってしまうんだろうね。

帰る前に食べたたこ焼き
1つ1つがとても重かった🐙




この記事が参加している募集

新生活をたのしく

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?