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桜散り紫陽花

    • 春を待つ停留所(次)

      出逢いからはじめての桜の季節 いつも君の乗るバス停の一つ先の停留所は 桜の花が満開だった 停留所の中にまで桜の枝が入り込み ベンチに座れば雨の日でさえ お花見ができる場所だ 約束したわけじゃないこの場所で 次という出逢いの奇跡を思う 今という同じ時を同じ場所で過ごしたことは 1度目の奇跡に違いない 1度あれば2度3度続くものと期待しかしていない 桜の季節は短い 同じように僕らの出逢いも短い日々だった それでもなぜか記憶の中に残る印象は 未だかつて見

      • 春を待つ停留所

        桜散り紫陽花

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          6本

        記事

          最終回

          時を遡る日記の1ページ 令和6年2月15日 春一番が吹いたとニュースで知る。 少し早い桜情報に、出逢いと別れの季節が 足早にせまるように感じた。 自席から右列2番目。 今年の春、1年限りの特別な出逢い。 結局のところ、離れてしまえば、 ほぼ毎日顔を合わせていた日常からは、 誰が何と言おうと忽然と消えてしまう。 その姿を探したところで見つかることはない。 せめて思い出という景色のなかに 収めておきたいと思うのは、 娘を思うような親心。 さみしさを打ち

          予告編

          二人称の物語に登場するのは 私と彼女だけ 父と娘の親子ごっこの 主人公に彼女を選んだ理由は 過去に出逢った1年限りの仲間たちと同じように その仲間たちすら忘れないように 大切に大切に日々を記憶していたい私の わがまま以外の何ものでもない ただの仕事での出逢いで線引きするより 同じ時を過ごすには どこか本音で向き合う人としてのつながりを 大切にしたかった 誰かの描いた物語のような日常ではなく しっかりと自分自身の言葉で伝えることのほうが やはり自分自

          魔法の言葉

          桜の花が散るころは 人気のドラマも必ず最終回をむかえる 期待する続きの特別編があるように ボクらもきっと特別な出逢いが再びあると信じている それは何年後なのかわからないけれど 人生は出逢いと別れの繰り返し 偶然に出逢う再会の物語があっても不思議じゃない はじまりはそう 金木犀のにおいがする公園から 金木犀と青い空 キミがスマホを上向きにして覗く撮影どき そっと後ろから声をかけるのはどうだろう 「まだ魔法が効いているみたい」 そういって 振り向き様に

          魔法の言葉

          なんとかなるさ

          いつもの公園の いつもの桜が いつものように散ってゆく もう少し 満開のままでいてほしいけれど どうにもならないことを考えるより 散った花びらの道を 綺麗だなって思っているほうがいい そうやって前を向いてゆこう 大丈夫、なんとかなるさ そうやってここまで来たんだから さぁ~ 明日も笑顔でがんばりましょう

          なんとかなるさ

          約束までの下書き

          約束したのはたった一言伝えるための 名台詞を自分の言葉で伝えること 誰かを思う時間は その誰かを大切に思う 小さな小さな愛情 自分にとっても 相手にとっても それは優しい時間なんだと私は思う いつも何気なく隣に居てくれる 恥ずかしそうにしながらも 賑わいのなかではど真ん中 そんな存在と写真を撮りながら 微笑ましく見ていた 朝に見る彼の空気が時折 この世の終わりのような曇天の空と 見ているこちらが不安にある日も時にある 隣にいてくれる彼にとっての

          約束までの下書き

          やさしい雨

          桜を濡らす雨 涙のように零れ落ちる花びらが 足元に積もりはじめる もうすぐ満開だった桜は 終わりをむかえる 出逢いと別れを繰り返すように 季節は巡り 成長する後姿に1度目の桜が舞う 今日の桜雨はキラキラした思い出を いっそう輝かせるようなやさしい雨 長い髪から覗くピアスの数 大きな瞳と変わらない大きな笑顔 ふたりで向き合う昼休み 一緒に並んでごめんなさい 小さな花びらのような思い出は 涙に濡れる悲しい雨より やさしい雨で 積み重ねて、桜道にし

          やさしい雨

          無敵の呪文

          金木犀の魔法へのリターンは、こんな物語。 桜の季節は別れのとき 〜私を忘れないで〜 桜の花言葉🌸 ……… 朝早くにみる窓際の姿  おはようの言葉は 視線の合わない空返事 左側の横顔に何度となく 視線は感じていたけれど 通り過ぎる日常をやさしさという言葉で 包み込んでくれていることなど 知らなかった 綺麗だねという常套句 私だけの特別ではなかった ふいに構えるレンズの奥 記録に残す写真は 記憶に残したいやさしさという眼差しで 収められているこ

          無敵の呪文

          離れていても家族だから

          昨日、義理の父から話がしたいと電話を受けていた。 土曜日ではあったが、 私が仕事だったこともあり、 改めて伺うとしていた。 さすがに気になる。 今日ひとりで会いにいった。 家族のことを思う父や母の願い。 私自身、知ることのない思い。 こうして話をする機会を、 積極的に取ってきたとは言い難く、 ご無沙汰している反省からはじまる。 あっという間に2時間ほどが経っていた。 内容はともかく、 「話せてよかった。」 安堵したような父と母の言葉。 私自身、正

          離れていても家族だから

          無敵の笑顔

          出逢いは去年の初夏。 イベントの撮影をしながらファインダーを覗く先に、ひときわ輝く笑顔というより、きらっきらのオーラを感じた。 無意識にシャッターを切っていた。 イベントが終わり彼女の話題になる。 あんな風にエネルギッシュな子がうちにいたらいいね。 そう仲間と話していたことを今でも鮮明に覚えている。 出逢いとは奇跡のようなもの。 第一印象のままの屈託のない笑顔に導かれるように、今、彼女と同じ時を過ごしている。 「期待しかしてないからな!」 そう言葉にする私の

          無敵の笑顔

          笑顔が最高のおしゃれ

          ~笑顔が最高のおしゃれ~ そんな言葉があった。 今年になってからというもの、あまり良いことがない。 特別な日ではないけれど、運気が上がるようにと妻が 水晶のブレスレットをプレゼントしてくれた。 若い頃、ハンドメイドで作っていた自分好みのブレスレットも、 その時ばかりの指輪やピアスも衝動買いで、 いつの間にか部屋の片隅に仕舞い込んだまま。 さすがにこの歳になると、あまり興味もなくなっていた。 何か身に着けることで、ほんの少し気分が変わる。 遠い昔に感じたなつ

          笑顔が最高のおしゃれ

          心の声

          横断歩道を渡る小学生、 姉弟と思われるふたりが手を挙げた。 朝の県道は通勤車両で急ぐ方々が多く、 すぐには止まらない。 しばらくして、ようやく軽自動車の女性ドライバーが、 ゆっくりと停止した。 お姉ちゃんが深々と頭を下げる。 同時に弟くんも深々と頭を下げた。 ドライバーさんの横顔しか見ることはできなかったが、 思いっきりの笑顔だとわかった。 感心感心と私も笑顔になった。 が、それで終わりではなかった。 横断歩道を渡り終えたふたり。 止まってくれた車が