見出し画像

戦略提言はシーソーのように

あなたの会社での地位はどの辺りにありますか?
経営に提言できるレベルでしょうか。
それとも事業部や部門を率いたり、影響を与えられるレベルでしょうか。
多くの人は所属部署の中で若干の影響を与えられる程度だと思います。
会社組織のピラミッド構造から考えると裾野の方が広いのは当然のことです。
一部の人を除いて、戦略提言がそのまますんなりと受け入れられることはありません。
視点や視界の不足で受け入れられないことはままありますが、地位の不足によって受け入れられないことも多々あります。
良い提言であっても素直に認めては沽券に関わる、そんな前時代的な発想は今も根強く残っています。

もし会社や部門や上司が間違った方向に進んで行こうとしていたら、地位が認められていない人はどう間違いを正して戦略をスイッチさせたらいいでしょうか。
本当にあなたの戦略の方が正しい場合、そのヒントは公園のシーソーにあります。

シーソーで遊ぶ時、どのように力をかけるでしょうか。
自分が子供で相手が大人なら無邪気に力をかけても、相手に委ねても上下動が楽しめます。
逆に自分が大人で子供の相手をする時には少しずつ力をかけていくと思います。
一気に上から下へ、下から上へと動けば振り回されるか跳ね飛ばされてしまいます。
力任せの切り替えは暴力に近い状態になってしまいます。

力任せの切り替えは暴力、これは提言にも同じことが言えます。
どんなに正しいことだとしても、ある力学が働いているものを切り替えるには流れを読む必要があります。力任せでうまく行くものではありません。

「これが正しいのでこっちにしましょう」これは状況によっては力任せの切り替えになってしまうかもしれません。
迂遠なやり方に感じるかもしれませんが、少しずつ重石を増やしてジワっとシーソーの傾きが変わるようにささやかな疑問を投げかけていき、決裁者の主体的な判断で切替を促していくのが理想的です。
「こういった観点についてどう思われますか?」
そんな聞き方をすれば回答は「私は」に切り替わります。

足りない権力は少しずつ重石を増やして、より大きな権力の主体的な変化を促す、それができればあなたはシーソーの達人であり、組織の影の支配者になれるのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?