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型と暴力の商品企画

商品企画の性質には二種類の系統があります。
ある意味流派と表現しても良いかもしれません。
理性派と感性派と言う感じです。

理性派は論理立っていて矛盾がなく魅力的であることをフレームワークを駆使して確認していきます。
達人が相手の急所を一撃で打ち抜くように、物事の核心を見極めてロジカルに展開します。
企画の道筋のどこにズレがあって、どこが破綻しているのか、本質はどこで、どう磨き上げていけば正しい姿が浮き彫りになるのかを見ていきます。
その企画に合った型を見出し、ズレや歪みを矯正して正しい姿勢に導く姿は武道家のようです。
このタイプになるには正しいフレームワークの理解と長い経験が必要になります。

一方の感性派が得意とするのは野生の勘と押し通す猪突猛進の勢いです。
フレームワークを活用して論理的に整理するのではなく、企画の一番の強みを見出してそこだけを徹底的に鍛え上げます。
それは緻密に組み上げられた一貫性ではなく、強い印象を重視した感性に訴えかけるものです。
武道家とは全く逆の暴力の化身のようなもので、落ちているものでも相手が動かなくなるまで打ち付ければ勝ち、と言うくらいの無法ぶりです。
その場その場で判断が変化していく為、人に教えられるほど体系だっていないのが課題ではありますが、強い情熱に対して後押しする力があるのが特徴です。
何が正しいかではなく、何を正しさとして打ち出していくかを重視します。
このタイプを目指すにはまず自分のやりたいことを明確にする必要があります。
やりたいことを実現する為にあらゆる手段を考えることがスタート地点です。

王道の武道家型の理性的なマーケター、荒ぶる野蛮人型の感性的なマーケター、どちらが好みでしょうか。
間違えてはいけないのはこの二つの方向性は決して相反するものではないということです。
起点がどちらかと言う違いであって、互いの性質を尊重し合えば協働できますし、学び合うこともできるのです。

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