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【映画レビュー】枯れ葉

アキ・カウリスマキ監督の『枯れ葉』を観てきた。

最初、映像から、20、30年くらい前のフィンランドが舞台かな、と思いきやラジオから流れてくるニュースは、最近のもの。いきなり突きつけられる時代錯誤に戸惑いながらも、人間がもつ孤独や不安が不変なものだと感じはじめたとたん、物語に入り込んでしまった。

お互い人生それなりに経験積んでるような哀愁ただよう中年男女の恋物語。全体的に暗ーい中にもクスッと笑えるような場面が散りばめられてて、実際会場でも結構みんな笑っていたのが印象的だった。そして主人公の2人のはにかむような表情になんとも気持ちがホッとしたのだった。

またセリフ回しや赤色の使い方、小津作品が好きな私にはかなりグッとくるものがあった。あと、ストーリーの中での上着の使い方が興味深かった。それぞれの人生、世代を反映しているような。

2023年の年の瀬、切ない気持ちと心温まる感情が混在するこの作品を観ることができて本当に良かった。

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