最近の記事

【読み物】クナーペン事件(2001年)

 さいきん思い出したのは、2001年に起こったある事件のことだ。モラヴィアに足を踏み入れて、一年が経とうとしていた頃だった。 ①火災 8月1日午前3時すぎ、ブルノ市郊外スタリー・リースコヴェツ地区にあるクナーペン夫妻の自宅にて火災が発生した。それは、モラヴィアの警察史上、もっとも大規模にして、もっとも長期にわたる捜査の口火であった。  出火した建物は改築中ではあったが、5人が就寝していた。シュテーファン・クナーペンの妻は、地元のひとで23歳。その3人の子と、その祖母(クナ

    【読み物】クナーペン事件(2001年)