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『失敗の科学』の著者、マシュー・サイドはリアルニンジャである ~『失敗の科学』感想~

ゆる言語学ラジオの記事が40スキを超えました。

まだ数本しか記事を上げていない中で、こんなにも多くの方に反応していただき、ありがたい限りです。
また、Pixivとラジオのほうを更新しましたので、ぜひ読んだり、聞いたりして感想をいただければ幸いです。

今日は最近読んだ本の感想を書いていこうと思っていました。
その本は、マシュー・サイド著の「失敗の科学」。

いやあ、素晴らしい本でした。
今この時代にこそ読む価値のある、珠玉の一冊です。

ですが

私は気付いてしまったのだ……
本書に隠された、恐ろしいニンジャ真実に。
そして、その真実はまだ、詳らかにされていなかったのだ。

もし本書をニンジャ考古学に詳しい者が読めば気付くだろう。
つまり、

マシュー・サイドはリアルニンジャである

という恐ろしい真実に……

どうか、心の弱い方はNRS(ニンジャ・リアリティ・ショック)の恐れがあるため、ここで読むことをやめていただきたい。
だが、真実を己の目で見んとするものは、私と共にニンジャ真実を確かめていこうではないか。

注:ここでいう”ニンジャ”とはニンジャスレイヤーというサイバーパンク・ニンジャアクション小説の半神的存在である。
もちろん、マシュー・サイドは元オリンピック卓球選手で経済学博士のライターであり、ニンジャではない。
そういう冗談が分からない人はここでページを閉じ、家族や隣人と話をしてください。そしてそうでない人はUNIXシ―ライフを楽しんでください。そうすることで海の自然とか、ラッコが守られます。以上です。



失敗の科学という本

本書は「失敗」という人間の営みについて、様々な角度から検証している人文書である。
失敗という本来避けるべき出来事を、マシュー氏はそうでないと断じる。
失敗それ自体は問題ではなく、むしろ成長の種であること、成功には失敗が必要であることを論じる。

最初はあらゆる業界の中で最も安全が確立された航空業界と、最も安全に注意しなければならない医療業界の対比から始まる。
分析を進め、冤罪という失敗に対して司法がどのような対応をしているのか、どのようにすれば失敗は成長へ繋がるのかを検討する。
さらに、なぜ人は失敗を回避し隠蔽してしまうのか、これらの内的原因と外的原因を探索していく。

多種多様な論文や書物からの引用による圧倒的な論拠もさることながら、本書は決して堅苦しくない語り口なのだ。
なにより、マシュー・サイドの文章力、構成力のなす技で、一章一章が推理小説を読んでいるかの如く、手に汗握りながら読み進めてしまう。
時には彼の手のひらで、「失敗」の再演をさせられてしまうのだ。
自分は第五章、そしてエピローグで思わず泣きかけてしまった。
それだけ自分はこの本にのめり込んでいたのだ。

これだけでもヤバイ級のライターであることは間違いない。
「でも、さすがにニンジャというのはおかしいのでは?」
ボブはいぶかしんだ

マシュー・インストラクション

さて、本書でマシュー氏は何を言いたいのか。
その要点をまとめていこう。

まず、マシュー氏は第1章と第2章から失敗すること、それ自体が問題ではなく、組織やシステムの問題であることを指摘した。失敗自体がスタッフにとってポジティブであることも大切と述べた。
続く第3章ではなぜ人は失敗から学べないのか、その内因的な要因を検討している。
飛んで5章では失敗をオープンにできない外的な要因をバイアスなどを用いて指摘している。
第4章では問題を改善するために、問題を小さくし、トライアンドエラーで繰り返すことの重要性を、第6章では失敗を成長に生かすための思考について解説している。

さて、これを纏めると、彼のインストラクションは次のようになる。

・失敗は成功に必要である
何度も失敗し、フィードバックすることで成功に至る
・失敗してしまった状況は複雑であり、これを非難するより分析することが重要
・人間は単純な物語を信じたがる
・人間は非難したがる(責任を負わせるものを作りたがる)
・これらはシステム、組織、スタッフ、そしてマインドセットによって改善しえる

マシュー・サイド『失敗の科学』より もるげん要約

おおざっぱにではあるが、彼の伝えたいメッセージはこうなるだろう。

マシュー・サイドはニンジャである

さて、改めて先ほどのマシュー・サイドのインストラクションを読んでほしい。
なにか気付くことはないだろうか。

もし読者の中にニンジャ考古学に詳しい御仁がおられれば、ある驚愕の仮説が脳裏に浮かぶことだろう。
そう、マシュー氏の要点は……

ドラゴン・ゲンドーソーのインストラクションそのものである!!

アイエエエ!?」となった方々、どうか、冷静に聞いてほしい。
私は狂っていないピンクのイルカも見えていない。
だが、一見すると「彼は狂っていた」とか「オハギ中毒か」とか「天狗の国に連れていかれたのか」とか勘繰られる方もいるだろう。

誤解を解くために、これから、ドラゴン・ゲンドーソーのインストラクションを一つずつ見ていこう。
なぜ、ゲンドーソーのインストラクションなのか。
それは私の説明を聞き終わる頃には理解できるはずだ。

インストラクション:ワン

「百発のスリケンで倒せぬ相手だからといって、一発の力に頼ってはならぬ。一千発のスリケンを投げるのだ!」

ニンジャスレイヤーwiki ドラゴン・ゲンドーソー

何を説明する必要があるだろうか。
まさに「失敗の科学」でマシュー氏が徹頭徹尾に述べてきたことそのものである。
失敗の手を止めるな、続けることが成功への道筋である、と彼は告げている。
奇しくもゲンドーソーが最初に伝えたインストラクションと同じなのである!
そして私は「もしや」と思ったのだ。

インストラクション:ツー

「ニンジャは地水火風の精霊と常にコネクトし、操る存在だ。これをフーリンカザンと称す!」

ニンジャスレイヤーwiki ドラゴン・ゲンドーソー

失敗が発生する状況はつねに複雑である。
マシュー・サイドも同様に述べ、常に状況の分析を怠るなと忠告している。
これをフーリンカザンと称せずしてなんと称すべきか。

インストラクション:スリー

「……惑うなかれ。敵の姿見えぬならば、邪悪なるニンジャソウルの存在を感じ取るのだ」

ニンジャスレイヤーwiki ドラゴン・ゲンドーソー

邪悪なるニンジャソウルの存在……つまり、認知的不協和や確証バイアス、そして批判したがる人間の本性を述べている。
失敗に直面すると人は容易に揺らぎ、惑う。
この警句はまさに、そんな局面を忠告しているのだ。

インストラクション:フォー

「ニンジャ・ソウルに呑まれるなかれ。手綱を握るのはおまえ自身」

ニンジャスレイヤーwiki ドラゴン・ゲンドーソー

インストラクション・スリーともつながるが、大事なのはそういった本能(ニンジャ・ソウル)を自覚しながらも、決して失敗から目を背けず、分析し、対峙することが重要である。
その覚悟を、手綱を握るのは己自身である。
逆に言えば、いつだって人は学べるのである、とマシュー・サイドが本書を通じて伝えたかった言葉が、此処にも記されているのだ。

マシュー・サイド、その正体は……

さて、このまでお読みいただければ、「自我科案件」と思われていた方も、疑いの余地なく私の主張に賛同していただけることだろう。
だが、一つ疑問に残る。

なぜ、マシュー・サイドはドラゴン・ゲンドーソーのインストラクションを知っていたのか。

彼はニンジャ研究家ではない。元卓球オリンピック選手で経済学の博士号を持つライターである。
確かにヤバイ級の人物ではあるが、残念ながら、彼がニンジャを研究していたという情報は得られなかった。
だが、ひとつだけ、全てを矛盾させない仮説がある。
それは……

マシュー・サイドはリアルニンジャである!

そして……

その正体は、ドラゴン・ニンジャクランの始祖、「ドラゴン・ニンジャ」なのである!

そう、マシュー・サイド自身がニンジャなのだ。
それなら全ての都合がつくのである。

詳しく説明しよう。
ドラゴン・ニンジャは様々な姿で記憶を消しながら、何度も生き永らえてきているリアルニンジャであり、ニンジャ六騎士の一角でもある。
そして、ドラゴン・ニンジャクランの始祖であれば、ゲンドーソーのインストラクションを知っていてもおかしくはない。
さらに彼がヤバイ級の功績も、ニンジャ身体能力とニンジャ洞察力の為す技なのだ。

もはや疑いようもない。
マシュー・サイドはリアルニンジャなのである。
その恐ろしい事実を伝えんために、私は筆を取ったのだ。

ちなみに、彼の胸はそこまで豊満ではない。

まとめ

ただ、彼がニンジャであろうがどうかはさして重要ではない。
本書に書かれているインストラクションは今まさにこの世界に、特に今の日本に重要な示唆を含んでいる。
チャドー、フーリンカザン、そしてチャドー
いまこそ、彼のインストラクションを思い出すべき時なのだろう。
どうか、コトダマに包まれてあれ……

あ、もし「普通にこの本の感想を聞かせろよ!」って声が多ければ、改めて感想を書こうと思います。
その際はコメントのほうでご意見よろしくお願いします。
「アイエエエ!?」な場合もコメントお願いします。

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