【小説】ワールドカオス 第3話
眠れない夜。ベッドに入ってもうどれくらい経ったのかも曖昧で……。
そんなときサイダーの炭酸みたいに頭に浮かぶ、どうしようもなくどうでもいいことの話。
あぁ……。あのとき、ああしていたら今頃どうなっていたんだろう。
こうしていれば、どうなった?
ナニナニしてたら。
ナニナニしてれば。
たら。
れば。
もしも。
あるいは。
「人生は選択の連続である」と言ったのは、シェイクスピアだ。
私たちは、常に二分の一の選択を迫られている。
YESかNOか。
行くか戻るか。
右か左か。
そのときどきで、T字路の分かれ道に立たされているようなもの。
その選択肢の数と同じだけ、私とは反対の道を選んだ可能性の私がいた。
宇宙のブラックホールに吸いこまれた人間は、二人に分裂するんだって。そして、片方は燃えて灰になってしまうんだって。
シェークスピアだブラックホールだと、さっきから無意味に知っている知識を並べて独りよがってんのも、たぶん、夜だから?
その日は、ブラックホールで生まれたもう一人の私と、一緒にスマブラをして遊ぶ夢をみた。
(了)
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