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ものがたり

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#ファンタジー

少年と椅子

少年は とある椅子を探して旅をしていた ルンマーン砂漠を歩きはじめてから もう10日は経ったころだろうか 「どこまでいっても 燃えるような砂だ  いや この砂は実際 燃えているのかもしれない」 熱い砂を足裏に感じ 気が滅入りながらも 少年の気持ちは高ぶっていた 「ようやく探していたものが見つかるんだ…!」 長い旅に 終わりを諭したのはガーバという街で偶然 出会った老婆の言葉だった 「炎のような砂漠にお前が探し求めてきたものがあるよ  時の経過を感じさせる壁 が目印だ