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お店を出すために必要なこと。

負けず嫌いというか、負けたくないという気持ちが人より強かった。
勝ちたい!というか、みんなから下に思われるのが嫌だったし、自分の思い通りにしたいという気持ちが強かったのかも。
サッカーでは先輩の試合に出ていたし、バイトでは1年で店を任されたりもしていた。その時々でやれることは本気でやっていたし、それなりに評価もされていたので、自信もあった。

SNSなんて無かった当時、アメリカのメジャーリーグに1人で挑戦していた イチロー、セリエAで活躍した中田英寿。2人の活躍をニュースで見ながらテレビの前でガッチリ心を掴まれた。
自分の道で勝負して、ひとつの事を突き詰めていき世界を魅了していた2人がめちゃくちゃカッコいいと憧れた。
外見ということではなく、中身がカッコよくなりたい。そう思うようになった。
でも中身がカッコいいとはどんな人か? 
何かに熱中している人、そして結果を出せる人、周りから信頼される人だと思う。
尊敬する仲間や人から評価され、外見だけではなく内面のかっこよさを目指し、何かに熱中する人になりたい。そう自分は考えていた。

大学を辞めて、社会に出る。
フリーター生活の3年間は今となっては誇れるものではないし、今のスタッフにそれをしろと言ったらヤバいヤツになるかもしれないが、とにかくめっちゃ働いた。
1か月で労働時間が300時間を超える時もあったり、そこに加えて川越から原宿と本郷に通っていたので往復で3時間 と無茶苦茶ハードモード。
365日中、350日くらいは電車に揺られて出勤する日々。
満員でギュウギュウに詰め込まれる通勤電車の中、逆に立ちながら寝れるラッキー!とか思ってて今思えば、かなり狂気的な考えだったw
休みもなく、彼女もナシ。
休まなすぎて休みの過ごし方が分からず、本で見たバーガー屋かカフェを探して行くか、家の前で1人でボール蹴っていた気がする。
当時はお金がなきゃ何も出来ないだろうと思っていたし、店を出すためにとにかく休まず働くくらいしか方法が思いつかなかった。
20歳で浪人してまで入った大学を辞め、みんなに宣言していたお店を出す夢。
それに向けて必死に自分を追い込んでいった。
教えてくれる先輩、オーナーさんもかなり自分に対して親身になって指導してくれた。
いい事ばかりではなくて正直なところ、キツすぎて、トイレで休憩中泣いたこともある。
思い通りにいかないし、否定される。
冬の帰り道、音楽聴きながら自転車をこいで、家の近くの急な坂道で涙が溢れてしまったこともある。
寒すぎて気持ちも体力もかなり限界に近い状態。
この涙がいつか絶対に糧になる。というか、なって欲しい。
そう願って、次の日もきつい体を起こして電車に乗っていった。

周りには店を出したいと言ってる奴も何人かいたが、言うだけなら本当に簡単。
そういう奴は大体、誘惑に負けて洋服買ったり、どっかに遊びに行ったりしていたし、そもそも飲食店をやりたいって言っておきながら、今は違うところで働いてます。みたいなのばっかり。
勝ち負けというのはないかもしれないけれど、そういうやつらに負けたくないし、口だけにはなりたくない。
自分で店を出すと決めて、浪人して入った大学もやめて、友人にも宣言した。
自分にも負けたくなかった。
毎月目標の貯金額を決めて、キツすぎるけど楽しくするのもシンドクするのも自分次第だなと思ってその目標に向けての超節約生活を楽しんだ。

なかなか辛いアルバイト生活ではあったが、やはり頑張ってると応援してくれる人がいる。
高校時代の友人は常に自分を励ましてくれたし、サッカーで出会う友人も自分がそうやって働いてる話をすると、ヤベェやつだな、と応援してくれた。
応援してもらうと、やはり嬉しくて、そいつらの為にも絶対に店を出そうと思った。ここで辞めたら自分だけじゃなくて、そいつらの想いも負けにしちゃう。
そんな気持ちを持ち始めるとキツくても続けられた。

最近お店を出すために必要なことってなんだろうと考える。
お金は大事。お金があれば説得力が違う。

でもそれよりも大事なことは応援される人になること。
応援されるにはその人のストーリーを作ることだと思う。
自分は熱中するということで自分にしか作れないストーリーを自然と作ってきた。
それを他の人たちにも示す事で、いい影響を与えることが出来たんだと思う。
その人のストーリーがあっちこっち行く人は応援したくなくなるよね。
今は違うところで働いていますが、いずれは飲食店を出したいんです。という人には応援はしづらい。今はこれを頑張っていて、それにはちゃんと理由があるとその人にとっての特別なストーリーになるかも。
あとは必死に頑張ること。
思い通りにいかないことの方が多いし、やっていく中で悔しい場面や辛い時期がある。
その悔しい経験、必死になった経験の数で自分に自信が持てると思う。

お店を出すのが、ゴールになってしまってもダメ。ゴールではなくスタート地点。
次回はお店を出す時のことなど。

つづく

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