[いただきました] 榎津幸広・清末愛砂編集代表『公文書は誰のものか?――公文書管理について考えるための入門書』(現代人文社、2019年)

榎津幸広・清末愛砂編集代表/飯島滋明・池田賢太・奥田喜道・永山茂樹編『公文書は誰のものか?――公文書管理について考えるための入門書』(現代人文社、2019年)をいただきました。ありがとうございました。
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公文書は公務員のための文書ではなく「主権者のための文書」である――。これが、憲法の要請するところです。こうしたきわめて常識的で基本的な観点から、公文書管理やその取扱いについて、やさしく、かつ包括的に整理したものが本作品です。類書はほとんどないといってよいでしょう。

以下の目次を読んでいただければわかるように、公文書をめぐる事件、制度とその運用、市民生活と公文書の役割、あるべき公文書管理のあり方という4つの柱から、公文書について包括的に理解できるようになっています。

第1部 国家権力による情報独占と公文書をめぐる事件

1-1 公権力が情報を独占する社会とは?
1-2 憲法から見る公文書とは?
1-3 日本では公文書をめぐってどのような事件があったのでしょうか?

第2部 日本の公文書管理体制

2-1 公文書管理法制はどのように整備されたのでしょうか?
2-2 公文書管理に関わる法律はどのようなものですか?
2-3 情報公開法という法律は関係ありますか?
2-4 公文書改竄を行った場合どう処罰されるのでしょうか?
2-5 戦前の公文書管理はどうなっていたのでしょうか?
2-6 立法機関の公文書管理はどうなっているのでしょうか?
2-7 行政機関の公文書管理はどうなっているのでしょうか?
2-8 司法機関の公文書管理はどうなっているのでしょうか?
2-9 会計検査院も把握できない政府費目があるそうですが本当でしょうか?
2-10 国立公文書館はどのような仕事をしているのでしょうか?
2-11 国立公文書館以外、公文書を管理している施設はあるのでしょうか?
2-12 自治体は公文書をどのように管理しているのでしょうか?
2-13 アメリカの公文書管理体制はどうなっているのでしょうか?

第3部 私たちの身近な暮らしと関係する公文書

3-1 社会保障と公文書
3-2 労働と公文書
3-3 教育と公文書
3-4 町おこしと公文書
3-5 特定秘密保護法と公文書管理
3-6 安保法制と公文書管理
3-7 自民党改憲案と公文書管理
3-8 「改憲4項目」と公文書管理

第4部 求められる公文書管理制度

4 どんな公文書管理体制が必要なのでしょうか?

法曹関係を目指す学生や行政にかかわる人は必携の本であるといってよいものです。憲法の要請する公文書管理の姿から逆行するような状況が続く中で、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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