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『三菱UFJ信託銀行 次世代の金融インフラ「Progmat」設立 新たな暗号資産の開発も』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.9.16


■三菱UFJ信託銀行 次世代の金融インフラ「Progmat」設立 新たな暗号資産の開発も

三菱UFJ信託銀行は、メガバンクなどと提携して新しいデジタル資産の発行や管理を担う次世代の金融インフラを設立すると発表しました。

 来月2日に設立される「Progmat」は、様々な資産や権利をデジタル化して証券化する金融インフラの開発などを担います。

「Progmat(プログマ)」は、RWAトークン化や暗号資産の使い道が一般の人に広く理解されるひとつのきっかけになるんじゃないかと思います。

三菱東京UFJ信託銀行が中心となり、メガバンクなどと連携したST(セキュリティトークン)を使った不動産などの証券売買を小口化し売買するマーケットプレイスがProgmatです。

今回は、うちでよく扱うRWAとしてではなく、Progmatが発行するステーブルコイン「Progmat Coin」のほうに注目してみたいと思います。


ステーブルコイン「Progmat Coin」とは

Progmat Coin は、三菱UFJ信託銀行が開発したステーブルコイン発行プラットフォームです。2023年6月に施行された改正資金決済法に準拠したステーブルコインを発行するためのインフラとして開発されました。

Progmat は、ブロックチェーン技術を使用して、セキュリティトークン(デジタル証券)を発行・管理するプラットフォームです。Progmat は、取引にかかる中間コストを自動化によって省くことができるため、投資商品の小口化が可能になります。

三菱UFJ信託銀行は、資本系列を超えた複数の金融機関と横断的に協働し、グローバルに流通可能な「国産ステーブルコイン」を発行する予定です。

・・・と、Googleの検索AI、SGE(Search Generative Experience)が要約してくれました。


囲い込み戦略と互換性の相反は解決したのか?

 現在の暗号資産や電子マネーなどと比べて柔軟性があるほか、ビットコインなどと異なり価格が変動しないということです。

 さらに、PayPayや楽天Payなど、異なるデジタルマネーが互換性を持つようになり、ポイントの払い戻しも可能になるなど、消費者の利便性が高まるとしています。

PayPay(PayPayマネー)や楽天Pay(楽天キャッシュ)など異なるデジタルマネーが互換性を持つ、とANNが報じているところに注目しました。

それぞれ別のポイントプログラムであり前払い式支払い手段ですので、現在はお互いに互換性はありません。

PayPayや楽天Payはそれぞれの経済圏の囲い込みのために事業を展開しています。つまり、事業者側は互換性はあってはならないと考えているはずです。

今回具体的に名前を挙げた事業者と話がついているということでしょうか。
消費者としては、どの決済手段やポイントプログラムでも全部使えればいいのに、と思いますのでニーズは確かにあります。叶ったら嬉しい。

しかし、囲い込みを目的としている事業者が互換性を持たせることに簡単にYesと言わないのではないか、Yesと言っているのであればどんなメリットをMUFGが提示したのだろうか、という点が気になります。


どうやって互換性を持たせるのか

日本円ペッグのステーブルコインであるProgmat Coinとの交換を経由して互換性を持たせるのだろうとは推測できます。

1.日本円→PayPayマネーをチャージ
これは今行われているし、前払い式支払い手段の定義そのものです。

2.日本円→PayPayマネーをチャージ→日本円に払い戻す
これは銀行口座への出金という形でなら可能です。

3.PayPayマネーを楽天キャッシュに直接交換
直接の交換は今は実現されていないはずです。

4.PayPayマネー→日本円に交換→その日本円で楽天キャッシュに交換
これがお店での支払い時に自動化されれば「互換性」は実現できますが、「2.」の通り銀行口座への出金でしか実現されていませんし、指定の銀行以外は手数料がかかるため等価交換できません。

そこでProgmat Coinが登場するのだろうと思います。

5.PayPayマネー→Progmat Coinに交換→そのProgmat Coinで楽天キャッシュに交換
これを支払い時に瞬時にできれば実現できます。

この仕組みを実現するには、PayPayマネーも楽天キャッシュもProgmat Coinで購入できることが必要で、相互にシステム乗り入れしていなければなりません。


Progmat Coinがそのまま使えればいい?

だったらProgmat Coinをチャージ(購入)して、店舗やECで使えればよくない?と考え始めるのではないでしょうか。これも先述の「囲い込みと互換性の相反」につながります。

もっと極端なことを言えば、電子的に使えない日本円自体が要らない気がします。価値の源泉ではありますが、概念として存在すればよく、初めから電子的に流通させればいい。

相互接続されるなら、いろんな種類のステーブルコインのどれでもよく、CBDCでも構いません。


ステーブルコインが直接流通する未来

給与のデジタルマネー払いが解禁されましたが、この制度は店舗が限定され納税に使えないPayPayや楽天Payなどを想定しているのではなく、Progmat CoinやCBDCなどのステーブルコインを指していると考えると、便利だし使えると思えます。

既に街中で使えるPayPayや楽天PayとProgmat Coinが互換性を持つことで、給与もProgmat Coinで受け取り、街中でもProgmat Coinで支払う。PayPayしか使えないお店でも自動的にProgmat CoinがPayPayマネーに変換されて支払える。

お店側も、PayPayや楽天Payで払われたお金が瞬時にProgmat Coinに交換されて売り上げ計上される。

Progmat Coinの履歴から自動的に売り上げも経費も算出され納税もできる。

ここまで行けば未来キター!ですし、そんな世界観を目指しているのだろうと思います。

プライバシーの問題や、相互乗り入れできない決済手段が混じることで別集計が入ること、現金は当面なくならない問題など課題はありますが、「あまたある電子マネー類に互換性を持たせて便利にする」というペインの解消をきっかけに、ステーブルコインが大きく広まる可能性を秘めているのではないかと思います。



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