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『リップルCEO「仮想通貨業界はすでに米国外に移動し始めている」香港、アジアへ。日本もチャンス』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.3.7

■仮想通貨業界はすでに米国外に移動し始めている=リップルCEO

米国証券取引委員会(SEC)の「強制執行」による規制は、業界を規制する「健全な方法」ではなく、米国が仮想通貨企業にとって魅力的ではない場所になる可能性があると、リップルCEOが示唆している。

米SECとの裁判を抱えているリップル社のポジショントークの面もあるとは思いますが、確かにweb3事業をやろうと考えた時に事業会社を設立する場所の候補としてアメリカは挙がりません。かつFTX事件以降、ユーザーとVCも他地域と比べてアメリカだけが極端に冷え込んだ印象があります。

つまりアメリカはクリプト業界にとって、事業会社も置かないしユーザー市場としても厳しいし米国系VCからの資金調達も期待しづらい、という、世界最大の経済規模の国とは思えない国に見えています。

SECの規制アプローチによって、米国がブロックチェーンと仮想通貨の魅力的なハブになることを逃す「厳しいリスク」を抱えていると指摘した。

原因はやはり米SECの過度な規制にあります。


暗号資産とブロックチェーンはなくならない

どんな規制を作っても、世界からブロックチェーンも暗号資産もなくなることはないでしょう。使いやすい国に移動するだけです。

これからも大規模な事件や暴落などは何度もあるでしょうし、事件事故から学んで適切な規制やガイドラインが敷かれることは必要です。

また今のブロックチェーン技術そのままで発展するのではなく、「より高速、より安価、より優れたユーザーエクスペリエンス」を実現するために抜本的な基盤テクノロジーのアップデートが必要にもなるはずです。

暗号資産とブロックチェーンは存在し続けるしアップデートされ続けます。
米SECは、さも暗号資産やブロックチェーンがなくなればいいと考えているような、それが言い過ぎなら古来の証券の範疇で管理されるべきでイノベーションは不要だと言っているように見えます。


暗号資産市場の未来、アジアでの展開が牽引する

香港の暗号資産フレンドリーな提案
香港は2020年、すべての暗号資産プラットフォームを直接規制し、そのサービス対象を適確投資家のみに限る、新しいライセンス制度を導入する計画を発表。今回発表された規制案は、その時の計画を明確にしたものにとどまらず、その範囲を拡大し、個人投資家からの関心の高まりを考慮したものになっているようだ。

アメリカが魅力的な市場でなくなる一方、香港をアンテナとする中国が存在感を増してきたのはここ数か月とても実感しています。

香港ではライセンス制度で管理下に置きつつもクリプトフレンドリーな政策を準備しているように見えます。

ルールやガイドラインを整備することでweb3事業会社を香港に誘致し、ユーザーは「中国には2億1200万人の個人投資家」がおり(表向きは中国メインランドで暗号資産が禁止されていても何らかの方法でアプローチで参入してくる期待)、中国系VCや中国系暗号資産取引所が今でも非常に活況です。

政治的なリスクはやはり気になりますし、ユーザー市場として直接中国本土が狙いにくい、アジアはAxie Infinityのスカラーシップの通りユーザーごとの課金単価が低く課金転換率も低いなど難しい点も多いのですが、確かに中国および中国語話者ターゲットのアジア圏をメイン市場としたweb3プロジェクトは今後増えそうです。


日本発はやりやすくなりそう

まず地理的に日本はアジア圏やハブとなりそうな香港に近いのは有利です。

物理的に顔合わせすることも未だに多いですし、クリプト系イベントにも足を運びやすく、時差が小さいのも打ち合わせやプロジェクト開発には良い点です。

また日本でもweb3を国家戦略に!と動いているのは大きな後押しになります。少なくとも禁止方向で検討されていないことはありがたく、課題は確かにありつつもルール整備が前向きな方向性であるのは良い点です。

FTX事件のダメージが小さかったのも功を奏しています。FTX Japanに預け入れていた消費者の投資資金は金融庁のルールに従っていた結果きちんと保護されました。

web3事業会社が監査を受けられず株式上場できない問題やクリプト会計&税率問題など残されている論点も検討が進むことに期待したいところで、「世界一クリプトが扱いやすい国」となれば世界中のweb3事業会社やファンドが日本に集まるはずです。

香港に近いことが有利、という奥ゆかしいやり方ではなく、日本を世界中から目指してもらえるような環境になれば最高。実現できる可能性は結構あると思っています。

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