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『7,000タイプのバーチャル生活者を再現、博報堂が生成AIでマーケティングなど支援』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.7

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

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■7,000タイプのバーチャル生活者を再現、博報堂が生成AIでマーケティングなど支援

毎年7,000人に調査を実施している博報堂オリジナルの大規模生活者調査データベース「HABIT」と生成AI技術をかけあわせ、7,000タイプのバーチャル生活者を生成。HABITデータから生活者の基本プロフィール・価値観/意識・生活行動・消費行動・メディア消費・ブランド評価の情報を生成AIに読み込ませることで、7,000タイプの生活者を再現しています。

ChatGPTでAIと会話できるようになりました。

上手に使うためには、先にプロンプトで「あなたは中学1年生に国語を教えている先生です。」のように人格設定を与えることが重要だと言われます。

広告会社の博報堂では、この人格設定を7,000人分、実際の生活者調査に基づいて、職業以外の細かな設定を与えることでバーチャルヒューマンを作ったのだそう。

これにより、マーケティングリサーチをバーチャルに実施できるようにするソリューションを開発したということです。


バーチャル生活者だから聞けること

ホンモノの人間を相手にアンケートやインタビューの調査が行われてきましたが、ホンモノの人間だからこそ得にくかったことがたくさんあります。

・アンケート対象の人数を集めること自体が大変
・アンケートに答えてくれる人だけに回答結果が偏る
・報酬で人を集めると、報酬内容に満足する属性の人の回答に偏る
・アンケートの環境やインタビュアーとの関係性で回答が変わる
・朝、昼、晩、平日、休日などタイミングで気分も変わる
・よく思われたい、こう回答してほしいのだなと読み取るなど、正直な反応ではない解答が集まる

など、人間相手だから不正確になってしまう場合があります。

バーチャル生活者なら、上記のような人間だからこそ起きる不都合を回避することができます。

だからこそ、PVの中でも「Honest(正直)」だとバーチャル生活者を評しています。


バーチャル生活者の調査結果をPDCAチューニング

バーチャル生活者に設定しているパラメータが適切な調査結果を返すかどうかが実用性では重要です。

バーチャル生活者のほうが人間よりも正確な消費行動の調査データが得られることを証明するためには、数多くバーチャル生活者へのインタビュー実例を作り、そこで得られた消費行動の仮説通りかを確認し、仮説が正しかったかを確認するPDCAが大切になってきます。

仮説と実証を繰り返し、バーチャル生活者にパラメータを返却してチューニングを繰り返すことで、どんどん性格な調査結果が得られるようになるはずです。


バーチャル生活者は歳をとるのか?

時代やトレンドの変遷もあるため、バーチャル生活者の性格や感覚も時代によってアップデートされるような仕組みも将来実現されると、より正確性が増します。

人間もずっと同じ性格や消費性向で居続ける人はいませんし、年を取りライフステージが変わることによってもアンケート結果が変わります。飼っていた犬が亡くなった、大地震があって防災意識が高まった、外国で戦争が始まった、など、大きな出来事があれば価値観に大きな影響を与えます。

あらかじめ設定したままのパラメータでずっといるのではなく、AIが自動的に日々のニュースを与え、個人的な事件を与え、人間社会を再現することができれば、小さな地球がバーチャルに再現されることになります。

今すぐには難しいでしょうが、将来のバーチャル生活者は本当にバーチャルワールドに生活している状態を再現することになるでしょう。


バーチャル生活者のメタバース

3D空間で、アバターを身にまとった「人間」が交流するものをメタバースと考えられてきましたが、バーチャル生活者が自律的に生活している場もまたメタバースです。

実在の都市や国を空間再現し、そこにバーチャル生活者を住まわせれば、消費行動を外部から(または中に入り込んで)観察するマーケティングリサーチも可能になります。

男女比や年齢構成など、可能な限り実際の割合で再現することで、より正確性が高まります。しかし外形的な情報は入力できても、内心や性格などは再現が困難です。

先述した通りの仮説と実証を繰り返し、結果的にどのような性格や消費行動の人がどの程度の割合で存在するのかをメタバース内で再現させれば、ひとりひとりの内心は正確でなくても、群衆としての行動結果は予測できるようになるのではないかと思います。

未来のメタバースは、バーチャル生活者が東京に1300万人、世界に80億人いる状態を再現したものかもしれません。

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