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『タレントがNFTを出すのではなく、NFTがタレントになる時代』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.9.30

■NFTをタレントとして扱い、プロデュースに参加できるプロジェクト「City Pop TOKYO」がスタート

販売されるNFTは完売後、オーディションなどを経てアソビシステムの所属タレントとして登録。広告出演や楽曲リリースといったタレントとしての活動を開始します。NFTを購入したコミュニティメンバーは、楽曲制作時のアンケートやオーディションの投票などに参加でき、ともにタレントを育成していくことができます。

メタ要素満載で興味深いNFTプロジェクトです。

NFTに描かれたキャラクターそのものをアートとして売買するのは一般的。
ファンコミュニティで詳細なキャラ設定を付けていくこともよくあります。
NFTアートのキャラクターを二次創作としてアニメ化して動かすのもまぁあります。

つまり二次創作がコミュニティで盛り上がるタイプのNFTアートプロジェクトとほぼ同じものだと言えるのですが、ここに「オーディションを経てタレント登録する」というメタ要素を入れ、さらにNFTの資産性を入れて「推しが売れたらファンも儲かる」というこれまで実現できなかったことをweb3の技術で実現させようとしているところが新しいと感じます。


■実在するタレント vs バーチャルタレント

「推しが売れたらファンも儲かる」をNFTやFTの資産性を利用して実現するのはもっともっと一般化していくと思いますが、ここでいう「推し」はだいたい実在の人物でした。

NFTアートプロジェクトでもBAYCやAzuki、Crypto Ninjaを推そう、キャラをアニメ化・ゲーム化してタレント活動させよう、という流れも来てはいましたが、明確に「推し」というイメージは持ちにくかったと思います。

さて、推し活でタレントが売れるとNFTが値上がりしてファンも儲かる、というFan to Earn的なNFTの使い方の場合、実在のタレントとバーチャルタレントとどちらが有利なのでしょうか?

実在のタレントがNFTを出した例はたくさんあります。

ある程度有名な人が出したNFTは初めから高額なことが多かったようでボラティリティが小さいか初回でほしい人に行き渡るともう欲しい人がおらず二次流通が成立しづらい状況のように見えます。

やはり効果的なのはまだ売れていないタレントがNFTを活用するほう。推し活の効果が値上がりや二次流通の活性化として現れるはずです。

CGの技術が上がりAR的にリアルタレントとバーチャルタレントが混合できるようになってもきていますが、このAKB48 SURREALの例はリアル側がバーチャルを取り込んできた例と見ることができます。

VtuberにNFTを発行する、かなりバーチャル完結に近いモデルです。Vtuberの「中の人」は実在の人物ですが、デジタル・オンラインでの活動に閉じます。


今は地上波テレビの影響力がまだ維持されているため一般認知度が高い実在するタレントの方が強い印象ですが、バーチャル完結タレントは体力無限大・歳を取らない・移動も瞬時・海外でも見てもらえる・自動翻訳も使えるというテクノロジーを最大限味方につけられるメリットがあります。

タレント活動の場としてメタバースやTikTokなどデジタルメディアの方が地上波テレビの影響力を上回るだろう未来、徐々にバーチャル完結タレントの方が出番が増えてきそうです。


■タレントがNFTを出すより、NFTがタレントになる時代

今回の「City Pop Tokyo」はNFTがタレントになるという道を示しました。

まだ平面グラフィックでしかないキャラクターが3D化され、細かな設定が与えられ、CGならではの物理的にあり得ない衣装や演出を携えて芸能活動をし始めたら相当強力だろうと思います。

そこにきゃりーぱみゅぱみゅを有するアソビシステムのプロデュース力が加わった時、NFT発のバーチャルタレントが実在のタレントを上回るインパクトやライブの興行収入を上げるようになるかもしれません。

人気になればCMに起用され地上波にも流される、ようなことも起きるでしょう。そしてCMで知った人がメタバースライブに行くようになるなどしてNFTタレントとメタバースのマスアダプションが進んでいく。そんな未来が想像できます。

実在のタレントがNFTを出してもデジタル技術を活かしきれない、という物理的な制約を受けるデメリットを考えると、NFTがタレントになる未来は結構あり得るんじゃないかと思います。

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