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『かつて腕時計が担った属性アピール。NFTはSNSのプロフィール機能で花開く。』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.2.8

■ウブロと村上隆、13本のユニークピースと13点のユニークNFTアート作品からなるコレクションを発表

ウブロと村上隆は、ニューヨークのグラスハウスで2月2日に行われたエクスクルーシブなイベントにおいて、4度目の共同アートプロジェクトとして、13点の新しいNFT作品と13本のユニークなタイムピースを発表しました。今回の発表は過去のプロジェクトに続くもので、これまでのプロジェクトで発表された時計を購入いただいたお客様や、そのNFT作品のコレクターの方に、特別な形で感謝を示すものです。

腕時計に関して全く門外漢なのですが、ウブロってとても高い時計ですよね。

いくらくらいなんだろうと思ってググってみたところ、

価格帯:¥104,280〜¥19,800,000
売れ筋価格の参考値:¥1,637,033
ウブロとは
ウブロ(Hublot)は1980年に創業したスイスの高級腕時計ブランドである。2008年からLVMHグループ入りしている。創業当初よりラバーベルトを採用したモデルを積極的に展開しているが、かつては高級腕時計とラバーベルトという組み合わせは無かったため、前衛的な存在だった。近年では、カーボンファイバー、パラジウム、タンタル、タングステン、ジルコニウムなど高級腕時計の素材として扱われないものを積極的に用いている。知名度の高いモデルとしては「ビッグバン」などがある。

売れ筋が160万円、最高値が1980万円!車か家のようなお値段でした。


高い腕時計の威圧効果

まったく詳しくなくてもウブロの名前は聞いたことがありますし、仕事の打ち合わせで初対面の人が高そうな時計をしていたら金持ちだな、仕事できる人なのかな、と思わせる威力は確かにあります。

昨今の風潮として腕時計や車などで自慢することは流行らなくなっていますし、上記のたとえ話でも初対面の仕事相手に数百万の腕時計を付けていくのはちょっと品がない、胡散臭いと捉えられる場合もありそうです。

でも威力があるのは間違いありません。
価値観や性格を、とある属性に分類させてしまう効果は確かにあります。

最近はリモート会議も増えてきて、腕時計での威圧が効くシーンも減ってきました。

そこで、高い腕時計を持っていることをリモートでもアピールできるのがNFTの活用方法です。良し悪しや品格品性はともかく、ウォレットにウブロNFTが入っていれば威圧効果は高そうです。


SNSのPFPアイコンがリモート威圧に

ウォレットの中に高額なNFTを入れていても、わざわざウォレットの中身を見に行くことはなく周りにアピールできません。

そこでPFPアイコンに高額NFTをセットすることがおととしの夏くらいに流行っていました。BAYC、CryptoPunks、Clone Xあたりが当時の代表格でした。

今回ご紹介しているウブロのNFTは腕時計の見た目そのままなのでPFPに使うにはちょっと違和感がありますが、人の顔のNFTはPFPに使いやすく、高額NFTの威圧効果を世界中の人に与えることが一種のユーティリティでした。

繰り返しですが、高額アイテムで威圧すること自体の是非はともかく、効果は確かにあります。

しかし高額NFTのPFP威圧の品のなさやNFT市場の暴落などによってブームが終焉してしまいました。


価値観を人に伝えるNFT

金持ち、成功者、イノベーターやアーリーアダプターであることを示すのがかつての腕時計やNFTの機能でした。今でもその効果は確かにあります。

一度ブームを通過した今では、金銭的価値観以外のさまざまなものを人に伝えることができるという幅の広い価値観伝達ユーティリティに展開しています。

所属コミュニティやトライブ(部族)の所属を示すブームが次に来ました。高額・金持ちというトライブだけでなく、NFTコミュニティへの所属をアピールすることや、NFTプロジェクトが目指す世界観や考え方への共感を示すという使い方です。

昨年末のローンチした「Live Like A Cat」略称LLACはその一例としてわかりやすいものです。「猫のように自由気ままに生きてみよう」の考え方に共感した人が猫NFTをPFPに設定することによって、その価値観への共鳴とコミュニティ・トライブへの所属をアピールできます。


表現できる「所属」の幅が広がる

「所属」をもっと一般化して捉えれば、例えば卒業証明書SBTを使った出身校、学部や研究テーマ・学会、勤めている会社・過去に勤めていた会社、その業種や自分の職種、住んでいる場所や街、アイドルのファンクラブ、参加したことがあるイベントなども全てトライブになります。

誰と知り合いか、何を買ったことがあるか、どこに行ったことがあるか、どんな知識を持っているか、どんな経験をしてきたか、それらすべてがトライブになり得ます。

裏返して、トライブ表現になり得ることを全部NFTにするニーズが今後生まれるはずです。もっと極端に言うと、トライブを証明するNFTが発行されないイベントや団体は参加者が減る恐れすらあるかもしれません。


見せる・確認するUXの発明が今後重要

今はトライブを自らアピールするか、じっくり話すか聞くかをしないと伝わりません。「リアルに会わないと高額腕時計が見せられない」のに近い。

SNSのPFPは手軽ですが、顔に近いデザインでないと違和感があり、かつ1点しか見せられません。

もっと表現しやすい方法が必要です。
もっと確認しやすい方法が必要です。

ウォレットの中に埋もれているさまざまなトライブNFTを一覧できるプロフィールサービスが登場すると予想しますし、その重要度は非常に高いはず。

そしてこのプロフィールサービスは単独でも立ち上がるでしょうが、中心はSNSの中のプロフィール機能です。


SNSはトライブNFTの表示・検索の中心に

見せたいものや見せたい相手をコントロールしたり、トライブを検索できたり、つながりやすそうな人をレコメンドしたりする、文字通りソーシャルネットワーキングサービス=SNSのコアになっていくのは必至です。

SNSがNFTに対応、というニュースはよく見かけます。その究極系がトライブNFTの普及とプロフィールページでの表示・閲覧・検索・マッチングになっていくはず。

イーロンマスクに買収後のTwitterはその方向性を目指すでしょうし、メルカリのようなEC系でもトライブから商品レコメンドにつなげる応用はあり得そうです。

NFTがアートの売買から先に向かう方向はトライブ化とプロフィールでの利用。そして今後のSNSはトライブNFTを中心としたプロフィール機能で人のつながりを生み出す設計になる。間違いないと思います。

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