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【はなまめとアート:思い出日記】STARS展@森美術館①

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『STARS展:現代美術のスターたちー日本から世界へー』に去年行きました。美術館に行くのは大好きなんですけど、ちょっと出歩くのを控えていたので、去年はこの一つだけしか行きませんでした。今年はもう少し行きたいって思っています。感染症対策をバッチリして。と思っていたら、また緊急事態宣言が始まってしまいました。オンライン美術館とすてきな絵の本も眺めて過ごす日々についても、今度書くことにします。

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1960年代以降に日本を起点に国内外で活動を始めて、国際的に高い評価を得ているトップランナーのアーティスト6名の作品が一堂に介したこの展覧会では、ほとんどの作品が撮影可能でした。それがすごく嬉しかったです。

展覧会前にこの動画を見てから行けば良かったと思いました。とてもわかりやすかったのでご紹介します。

⑴村上隆さん (1962東京生まれ)

一番最初は村上隆さんのお部屋です。どのお部屋でも海外で発表し始めた時期の初期の作品と最新の作品を見ることができるのが今回の展示方法になっていました。『ポップアップフラワー』は最新作で、500x1750cmの大きな作品でした。アクリル絵の具とプラチナ泊で描かれているんですよ。あとで『お花カフェ』にも行こうって話し合いました。それから、こちらのお部屋で2015年に一度お会いした阿像さん吽像さんと再会しました。迫力がやっぱり凄かったです。

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阿像(2014)

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吽像(2014)

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ポップアップフラワー(2020)

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チェリーブロッサムフジヤマ(2020)

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チェリーブロッサムフジヤマ(2020)

『マイ・ロンサム・カウボーイ』(1998)と『ヒロポン』(1997)の本物を見ることが出来たのがとっても感慨深かった。。。ってヨシコちゃんが言ってました。昔、学生の時に観た美術雑誌で衝撃を受けたことを今でも忘れてないそうです。あと『マイ・ロンサム・カウボーイ』を見て、「16億か〜…」って言ってました。でも、ぼくとその2作品の撮影をするのはやめてました。ぼくはあんまり気にしないんですけど、衝撃が大きくなりそうって言ってました。

こちらの動画で村上隆さんが現代アートの文脈についてわかりやすく触れていらっしゃいました。このシリーズ動画はこちらの無料動画を皮切りにSTARS展で取り上げられたアーティストの方の動画を有料配信する形で始まった森美術館のコンテンツです。


(2)李禹煥(リ・ウファン)さん(1936年慶尚南道うまれ)

次のお部屋は、李禹煥(リ・ウファン)さんのお部屋です。1960年代後半から『もの派』と呼ばれる現代アートの中で中心的な役割を担ってきた方です。村上隆さんのお部屋の突き抜けたカラフルな華やかさから一転、モノトーンで統一されたお部屋のなかには、パワフルな静けさが満ち満ちている感じがしました。白い砂利が敷き詰められていて、枯山水みたいな雰囲気でした。

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関係項-不協和音2004/2020

大きな岩を厚さ2cmのガラスの上に落としたあとの衝撃をそのまま展示した『関係項』がいちばん最初に置いてあって、ガラスに入った大きなヒビをじっと眺めたりしました。でも、ヒビの写真はありません。(下の写真の左奥がそうです。)撮り忘れました。ステンレスの棒と石の組み合わせで出来た『関係項-不協和音』を見た時、ステンレスの棒はどこからか落ちてきたみたいな組み方だな、と思いました。落ちてきた時の音も想像しました。

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次の写真に写っている2枚の絵は左側が新しいものです。時を経て描かれたものが2つになり、色も変わっています。この2枚にも何かの関係があることは感じますが、その何かをぼくはなんとなくずっと考えています。

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対話(左)2020  対話(右)2019

ヨシコちゃんもぼくもまだ一度も直島に行ったことがないのですが、ベネッセアートサイト直島に今年こそ行きたいです。李禹煥(リ・ウファン)さんの美術館もあるんです。


(3)草間彌生さん (1929年長野県松本市生まれ)

3人目は草間彌生さんのお部屋でした。草間彌生さんのお部屋には、撮影出来ない箇所があって、それが一番見たかった作品でした。万華鏡みたいな作品です。『Infinity Mirrored Room―信濃の灯』(2001)という名前でした。六角形の内面鏡張りボックスの中に電飾が取り付けられていて、その中を覗くと無限に広がる光の粒を見られる仕組みになっていました。やっぱりきれいでしたけど、少し怖かったです。無限ってなんだかこわい節があるなって思ってます。(写真を撮れなかったので、ワシントンで展示されていたInfinity Mirrorsの映像を下に載せました。)


突起物がみっしり生えたみたいに付いているピンクボートを観るのは2回目です。

1回目観た時は混んでいたので、どんな素材で作られていたかいまいちわからなかったんですけど、今回は人が少なかったのでゆっくり観られました。時間制の入場の良さを感じました。突起物はビーズクッションの小さいのみたいな素材感でした。突起物は男の人の大事な部分の象徴だそうです。
草間彌生さんは小さい頃からお花が話しかけてくるなどの幻覚や幻聴を体験していて、私生活に影響があるようなこうした症状を作品を作る時の重要な要素にしているそうです。

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ピンクボート(1992)

『これから逃れ得る唯一の方法は(中略)それらは一体なんだろうかと、髪の上に鉛筆や絵の具で視覚的に再現したり、思い出しては描きとめ、コントロールすることであった』

作品でよく見かける水玉や網目模様は、かなり早い段階から作られていたみたいです。

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天上よりの啓示(B)(1993)

細かい模様の反復や増殖を観ていたら、『蟲師』というマンガを思い出しました。草間さんの絵の中には、すごい原色な模様が渦巻いている感じなのですけど、『蟲師』の中に出てくる半透明な蟲がいっぱい空中にいるイメージが頭のなかでリンクするんです。すごく不思議な空間にいるような気になります。

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天上よりの啓示(B)(1993)

力強い原色が数少なく使われていて、小さなモチーフがくりかえしくりかえし描かれているのを観ると、すごく静かな気持ちになります。

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季節に涙を流して(2015)

凛とした静かな気持ちです。

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女たちの群れは愛を待っているのに、男たちはいつも去っていってしまう(2009)


(4)宮島達男(1957年東京生まれ)

4人目は宮島達男さんです。
「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」という3つのコンセプトをもとにした、デジタルカウンター(1~9までの数字が常に変化するもの)を使ったインスタレーションや立体作品を作る方です。

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30万年の時計(1987)

ぼくとヨシコちゃんが一番見たかった作品は《「時の海─東北」プロジェクト(2020 東京)》(2020)です。この作品は東日本大震災で犠牲になった方たちの鎮魂と震災の記憶への警鐘を願って作られている現在進行形のプロジェクトです。一般の方の参加を軸にして進んでいるこのプロジェクトですが、最終的には3000人の方に参加してもらい、いつも太平洋を眺められる大きくて広い場所に永久的に設置されるようにするまでがゴールだそうです。震災の被災者や被災地のことを想う一般の参加者がLED数字のカウントダウン速度を決めて、カウンターのタイム設定を行い、それらが作品の中に配置されてゆきます。この展覧会で展示されていたカウンターは719個で、それら全てが水に沈められていました。

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「時の海-東北」プロジェクト(2020)

暗い部屋に展示された全てのカウンターは青と緑のLEDライト数字を静かに刻んでいて、夜の海みたいでもありましたし、深海みたいでもありました。この光が最終的には3000個になったところを見てみたいと思いました。(3000という数字は仏教由来の数字だそうです。)大きな祈りのうねりを感じると思います。ぼくも参加しようかな、とヨシコちゃんと話しています。完成は2027年を目指しているそうです。どんな方でも参加できます。WEBからも参加できます。参加する時に一度震災を振り返って自分の中の何を刻むかを考えてから参加したいと思いました。

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「時の海-東北」プロジェクト(2020)

この展示場所には、こういった切り取り型ポストカードフライヤーも置いてありました。

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こちらは『Monism/Dualism(1989)』という名前の作品です。
薄暗い空間の中に展示されている物なのですが、その暗さの中で赤と緑の動き続けるデジタル数字を眺めていると、タイムマシンに乗っているような気持ちになりました。ゼロ『0』は、表示されなくて、暗闇になっているそうです。

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Monism/Dualism(1989)

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こちらの動画でこれらの作品について詳しくお話されていらっしゃいました。





【はなまめとアート:思い出日記】STARS展@森美術館②に続きます…

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しろくまʕ ・ω・ )はなまめとわし(*´ω`*)ヨシコンヌがお伝えしたい「かわいい」「おいしい」「たのしい」「愛しい」「すごい」ものについて、書いています。読んでくださってありがとうございます!