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『Android「Google の電話アプリ」通話の録音機能国内提供。防犯AIへの進化をぜひ!』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.17

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■Android「Google の電話アプリ」通話の録音機能国内提供

・Android 用「Google の電話アプリ」にて通話録音機能「通話の録音(録音)」がついに日本国内提供開始
2021 年 8 月の段階で日本を含む多くの地域に対する提供が予告されていた機能
通話開始後に[︙(その他)]→[録音]→[録音を開始]で録音開始

スマートフォン、つまり携帯電話で通話を録音する機能が搭載。
・・・だなんて特に新規性もなければテックギークが喜ぶニュースでもないとお思いのそこの貴方!

これにAIが組み合わさることで特殊詐欺系の犯罪防止に直結します。消しゴムマジック的なAIの活用方法はあくまでもお遊びメインですが、通話の録音から始まる犯罪抑止機能は社会問題を解決します。

といっても今回発表されたのは、Android用「Googleの電話アプリ」でシンプルに電話通話の録音機能が付いたことのみで、AIとの組み合わせや積極的な犯罪抑止機能は、現段階では私の希望に満ちた妄想です。

まずは今回搭載された通話録音機能について確認しつつ、その後にAIとの組み合わせによる犯罪抑止の可能性について考えてみたいと思います。


今回搭載された通話録音機能の概要

「Google の電話アプリ」の「通話の録音」は、発着信に関係なく、通話が開始後から任意のタイミングで通話録音を開始できる機能です。使い方は簡単で、通話開始後の画面表示にて[︙(その他)]をタップして表示されるメニューから[録音]をタップし、そしてさらに表示されるポップアップメニューから[録音を開始]をタップします。

すると、双方に流れる録音開始のアナウンスと共に、通話の録音が開始されます。日本において通話や会話の録音は通話参加者全員の同意が基本となるため、日本においては録音開始のアナウンスが流れる仕様です。

・任意のタイミングで通話の録音を開始できる
・通話を録音する際に、録音の同意を求めるアナウンスが流れる

というのが今回実装された通話録音機能です。

同意アナウンスが流れる点について、同意なしで録音した場合は裁判で証拠提出した際に「盗聴」と見なされるケースをGoogleが懸念し、今回は一律に録音の同意アナウンスが流れる仕様としたのだろうと記事では分析されています。

実際のところは相手に内緒で録音をする「秘密録音」でも証拠採用されることは多くあります。例えば会社内でのハラスメントや不正の証拠を残すための録音は相手の同意を取ることは事実上不可能ですから、一律に秘密録音が盗聴扱いされ証拠不採用となるわけではありません。

同意のない録音自体は問題にならなかったとしても、録音データを二次利用する際に同意の有無が問題となるケースも発生する可能性もあるため、プライバシー保護の観点など様々考慮しての対策で録音開始のアナウンスが流れる仕様なのでしょう。

またプライバシー侵害となり相手から訴えられるケースもあり得ます。こちらもシチュエーションや相手との関係、録音データの使い方次第な部分が大きいものです。

同意なしで録音しても問題ないケースや、同意を取らないことで証拠をきちんと押さえる目的には使えないという課題もあり、できればユーザー側に同意を取るかどうかを選べるかたちで録音機能を提供してくれるとよいのになと感じました。

とはいえ、高齢者がターゲットになりやすいオレオレ詐欺など特殊詐欺で「録音の同意アナウンス」だけで抑止できることも多いことを考えると、録音機能がデフォルトで提供されること自体は効果的だろうと思います。

さてここからは、この通話録音機能をもっと拡張できないか?を考えてみたいと思います。


拡張1:OSに録音機能を搭載でLINE電話にも対応を

詐欺電話は闇名簿の電話番号にかかってくるものでLINEにはかかってこないと思いますが、DVやストーカー被害などのケースの場合などではLINEなど別の通話手段が使われることも多いと思います。

通話自体がイヤならブロックすればいいわけですが、通話で証拠を残すことが目的な場合もあるはず。

そんな時にLINEアプリに通話録音機能がなくてもOSレベルでアプリを問わずに録音ができれば便利です。


拡張2:録音の文字起こしを音声認識AIで

録音データは後から探すのが大変です。日付や時間、通話相手くらいしかメタ情報がないからです。

会話の内容が自動的に文字起こしされ、テキストで検索できれば、目的の通話音声を探しやすくなります。


拡張3:会話の内容から詐欺を注意喚起

特殊詐欺の手口はマニュアル化されています。つまり、だいたい同じシナリオや会話の展開で話が進みます。

であれば、会話の内容から「これは詐欺の手口だ」とAIがパターン判定し、スマホの画面上に「詐欺かもしれません!」と注意喚起してくれると、より積極的な犯罪抑止につながります。

スマホを耳に当てて通話している場合はバイブレーションで画面を見るように促したり、自分だけに聞こえるように音声割込みがあっても良いでしょう。


拡張4:AIアシスタントが電話に出る

特殊詐欺グループは相手をだますプロです。会話の流れを断ち切ったり、だまされたフリをして警察と連携して逮捕につなげるようなことは、多くの人にはできないと考えた方が無難です。

であれば、詐欺だとAIが検知したり、自分自身でアヤシイと感じた場合には、AIアシスタントに会話を替わってもらえる機能があると安心です。

相手が詐欺師の場合の切り替えし方法は、とっさには出ないものです。「折り返しこちらから電話します。警察署の電話番号はXXXX-XXXXでお間違いないでしょうか?」や「あなたがおっしゃったXXXX-XXXXという電話番号は迷惑電話のリストに登録されていますが?」などという切り返しを、防犯のプロであるAIアシスタントが替わりにやってくれると心強いはず。

高齢になった両親には、かかってきた電話はすべてAIアシスタントが取り、詐欺でないと確認できたら本人に回すという順番でもよいでしょう。


拡張5:AIが学習した犯罪データを共有

特殊詐欺の認知件数は昨年2023年の1年間で1万9033件あり、被害総額も441億円以上となっています。

実害に及んだものだけでこれだけあるということは、被害を免れたけれどかかってきた詐欺電話は数万件はあるだろうと考えられます。

手口もどんどん移り変わります。オレオレ詐欺は減少しているものの、架空料金請求詐欺は、認知件数5,136件(+2,214件、+75.8%)、被害額138.1 億円(+36.3億円、+35.7%)と、いずれも増加し、総認知件数に占める割合は 27.0%(+10.4ポイント)となっています。

詐欺電話であることをAIが察知した場合、会話内容を共有することでAIがさらに学習強度を高め、新しい手口にもすぐに対応できるようにすることを仕組み化できることが望まれます。

警察などとも連携し、発信元や犯人の特定をAIが集めたデータを元に行うことも可能でしょう。


番外:防犯AI搭載の固定電話もあるといい

防犯AIについては家の固定電話にも搭載されてほしいと思います。

高齢者の詐欺被害を防ぐのに最も効果的なのは「家の固定電話をなくしスマホに一本化する」ではないかと思っていますが、固定電話はなかなかなくせない人が多いと思います。

固定電話自体がなくなりつつあるためニッチすぎるかもしれませんが、AIとWi-Fiを搭載した固定電話機が作られて、これまで挙げてきたような防犯AI機能が固定電話で使えるようになれば、一気に詐欺被害は減らせるはずです。

両親の誕生日や敬老の日のプレゼントに防犯AIを搭載した固定電話機を、なんてムーブメントも起きるかもしれません。


通話録音機能から防犯AIへの進化をぜひ!

このように、通話を伴う詐欺に関してはAIでかなりの部分を抑止できるのではないかと思います。

6月のWWDCでは「AIスマホ」化したiPhone16が発表されるのではないかと目されています。AppleがAIをどのように活用してくるのかは楽しみですが、エンタメだけでなく防犯用途の機能もぜひ充実させてほしいと思います。

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