辞めるのは簡単なことではない


「え、そんなことで辞めるの?」

今回退職する理由を説明したときに、こう言ったニュアンスの言葉を口にする人が何人かいた。

何が嫌でそんなマウントを取ろうとしてくるのかは分からないが、私は(この人はこの人なりに頑張ってきたんだろうな)と思う。

思うけど、同時にそんなの知らんわ!とも言いたくなる。


続けるのは大変だ。

だけど辞めるのも案外労力を使う。

会社なんて特にで、もう辞めまーす!と言ってそこで終わりなわけじゃない。

1ヵ月前に申請して、上司や人事と話し合って、時には周りの反対を押し切って、次の仕事を見つけて、手続きもして、凄く疲れるのだ。

表面上は平穏であっても、沢山のものと闘わなくちゃいけない。

世間とか他人とか自分とか、とにかく沢山のものと。

そうやって心を消耗している人に対して、否定をするような発言をしてくる人に出会うと、なんか嫌だなぁと思ってしまう。

別に「なんでそれで辞めちゃうんだよ」という意見を持つのは構わない。

それに、その人が今までどれだけの苦労に耐えてきたのかは私にも分からない。

けれど、押し付けはしないでくれと思う。

あなたは頑張って続けることが正と思っているかもしれないが、私には文句を言いながら嫌々やるくらいなら、自分のやりたいことをやるのが正なのであって、

お互いそういう価値観であることを認め合えればそれでいいのに、まるで今までの自分の人生を受け入れてくれと言わんばかりに否定という攻撃をしてくる。

最近はそういうことを言われると、傷つくというよりは、悲しい気持ちになるようになった。

でも大人ってそういうものなのかもしれない。

私もきっと「社会人にもなってやりたいことをやりたいなんて自分勝手だよ」とか言われたら、それは違うよ!!と噛みついてしまうだろう。

相手の詳しいことも知らずに、一方的に。

それだけ分かってもらいたいのか、それとも単純に嫌いなのか。


反対に、今回退職をするにあたって言われて嬉しかったのは、「頑張ったね」という言葉だ。

だからもしこれから同じような状況になる人が周りにいたら、私は同じ言葉をかけてあげたいと思う。

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