私は“クズなフリーター“だった
新卒で入社したバリバリの営業会社を辞めて、早3ヶ月。
今は事務とライターの仕事をして、薬に頼らない平和な日々を過ごしている。
職業欄に自分の仕事を書くとしたら、私はフリーターにあたる。
これに気付いたのは、転職して1ヶ月以上が過ぎてからだ。
2つの仕事がしたい!やりたかったライターと、メンタルを保てた事務にしよう!と心に従った結果、私はフリーターになった。
保険とか年金の手続きが面倒だな、とか、ちょっとお給料が減ったな、くらいにしか思っていなかった。
実家暮らしだったから、危機感が少なかったのもあるかもしれない。
転職をするにあたって、精神面を健全にすることが第一だったので、むしろ今の生活は前よりはずっと良い。
だけどこの前、自分の社会的評価を思い知らされた。
私は今の生き方を誰とも比較したくなかったのに。
いつかの飲みの席でこんなことを言われた。
「自分もクズだったからさぁ」
“も“ってなんだ。
最初は聞き間違いかと思ったが、会話の中で励まされたり遠回しに卑下されたりしていることに気が付いた。
高校生のときにクラスで配布された冊子にあった、フリーターと正社員の10年後の給料を思い出した。
そういうことなんだ。
この人は、私の性格も背景も何も知らない。
そんな状態で目の前にいる人の目に映った私は、“半年で会社を辞めたクズ“だった。
気分が悪かったから、その後すぐに帰った。
どんな理由があろうと、“フリーター“は“フリーター“なのだ。
年金税金保険料をきちんと納め、わずかながらでも家にお金を入れ、貯金もしてたって、私はクズなのだ。
何の差異があるんだ。
責任感とお給料が少し減ったくらい。
しかしこうやって謎にプライドを保とうとするのもまた変な話である。
私もどこかで自分に劣等感を抱いているのかもしれない。
フリーターになるときは、絶大なる誇りを持たないといけない。
そしてあの人は“クズ“ではなく“フラフラしてた“と表現すべきだったと思う。
ネットニュースなら十中八九炎上してた。
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