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だるま氏、京都をやや森見的にさまよう|京都ぽんぽこ日記③

こんにちは、だるまです。京都旅第3弾をお送りします。

森見作品の聖地巡礼をしてまいりました。

作品紹介(略称)

この度巡った場所が描かれている作品はこちらです。『きつねのはなし』は怖くて読めておりません。

『太陽の塔』(太陽)
『四畳半神話大系』(神話)
『夜は短し歩けよ乙女』(乙女)
『有頂天家族』(有)
『宵山万華鏡』(宵)
『恋文の技術』(恋)
『四畳半王国見聞録』(見聞)
『聖なる怠け者の冒険』(聖)
『四畳半タイムマシーンブルース』(タ)

『夜は短し歩けよ乙女』は格段に好きで名言集をつくりました。

左京エリア

京大周辺は数々の作品に登場します。残念ながら京都大学と吉田山、真如堂には行けなかったのでまたの機会に。

叡山電車

叡山電車沿線は『太陽』をはじめ多くの登場人物が住んでいます。

2両編成ののどかな電車で、大学生が多く利用していました。

一乗寺駅
『森見登美彦の京都ぐるぐる案内』と出町柳駅

鴨川デルタ

鴨川デルタは『乙女』や『神』で度々宴会を行っていたり、先端に立って樋口師匠が風を受けたり、対岸から花火を打ち込んだりしています。
『有』で矢三郎がくすねた赤玉ポートワインを飲んだのもここです。

残念ながら等間隔に並ぶカップルを拝むことができませんでしたが、河川敷で楽器の練習をしていました。

のどかで良きことかな!

橋の下で楽器をかき鳴らしたい

下鴨神社

下鴨神社といえば、そう『乙女』の夏の古本市です。ここで開催されるのかと妄想を膨らませました。

京都、下鴨神社の参道である。
齢を重ねた楠や榎が立ちならぶ糺ノ森を、広々とした山道が抜けてゆく。
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』、p.79

『神』では古本市で明石さんが店番をしています。
『タ』でも「私」が明石さんを追いかけたりしています。

『神』で樋口師匠が自称する「かもたけつぬみのかみ」が本当に書かれていて目をみはりました。かもたけつぬみのかみ!!

水みくじの内容がとても面白かった

『乙女』の先輩や樋口さん、『神』の「私」や樋口師匠は鴨川泉川町にある「下鴨幽水荘」に住んでいるようです。

進々堂京大北門前

『乙女』で最後に「先輩」と「乙女」が待ち合わせをする場所。読めば全人類、心がぽわっとする場面No.1です。

あの場面を再現すべく、窓際の席に陣取らせていただきました。

先輩は今出川通に面した席に腰掛けていました。
窓から射し込む冬の陽射しが、まるで春のように、温かく見えました。その陽だまりの中で、先輩は頬杖をついて、なんだかお昼寝途中の猫のようにぼんやりとしています。その姿を見た途端、私はふいに、お腹の底が温かくなる気がしました。
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』p.320
京大第二の図書館

百万遍交差点

『太陽』において、「ええじゃないか騒動」が巻き起こった交差点。あるいは、『乙女』で「私」の「ナカメ作戦」が数多く決行された場所。

変哲もない交差点で、「ここでやったんだろうか」と訝しみました。

南禅寺水路閣

『きつねのはなし』を読んでいないので、場面が分かりませんでしたが、実にキレイ。

哲学の道

『見聞』で「大日本凡人會」の面々が暇つぶしに歩く道。

京都の文化遺産に貢献しようと、登美彦氏と明石氏が『善の研究』を読んで1ページで挫折した道でもあります。地形を感じるよき散歩道です。

四条周辺

四条大橋・東華菜館

『神』で小津が鴨川に落下したり、「私」が明石さんと遭遇したりする橋。橋を超えれば祇園が広がっています。

南座

東華菜館は『恋』に登場します。

「東華菜館」という店に行ったことがおありですか。四条大橋の西にある店です。伊吹さんが行ったそうなのですが、どんなところでしょうか。男女がデートするようなオシャレなところでしょうか。
森見登美彦『恋文の技術』、p.102
東華菜館

先斗町

めくるめく夜の街、先斗町です。『乙女』の第1章では、木屋町と先斗町で不思議な夜を過ごします。

料亭から先斗町に出た我々は、北へ向かって石畳を歩きました。
見上げると左右に迫った軒に切り取られた夜空は狭く、そこへ電線がたくさん走っていました。
赤い提灯、電光看板、軒燈、自動販売機や飾り窓の明かりが、狭い街路の両側にまるで夜店の明かりのようにどこまでも連なります。
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』、p.38
路地水族館

この路地水族館は、『宵』の金魚を思わせました。神秘的すぎて、しかし夜しか訪れたくない一角。

八兵衛明神

『聖』で、主人公がぽんぽこ仮面に任命されるのですが、そのぽんぽこ仮面はこの八兵衛明神の使いです。

柳小路をずんずん歩くと通り過ぎてしまうので御用心。

スマート珈琲店

『聖』において、後藤所長が休日の朝に必ず訪れる喫茶店。

雰囲気といい、味といい、すべてが素晴らしかったです!!Fantastico! Bravo!

六角堂

『有』で偽狸総選挙が行われる会場です。
桜が大変美しく、六角の形をした講堂は幾何学的でよきでした。

京都の中心 へそ石

『有』では「偽へそ石」が登場します。

聖地巡礼はしてみるものなり

場面を思い出しては思いを馳せ、次々と移動し忙しかったものの充実していました。

森見登美彦は学生時代ここで過ごしたのかと思うと、羨ましいやら、感慨深いやら。

のんべんだらりと無駄な時間が過ごせる河川敷があるのは、大学生にとって最大の資産であるなと思いました。

かしこ


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