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“科学”を手軽に体験するならいばらきへ|茨城教育旅行モニターツアー・サイエンスday

五感を刺激する体験と、本気で向き合う大人たちの熱意が、
きっと子どもたちの心を動かすはず。
対話と体験を通じて子どもたちの未来と可能性を育む旅を、
私たちと一緒に創りませんか。

こんなお誘いをして実施した、森と未来の学校モニターツアー。茨城県内の教育旅行一押しコンテンツを1泊2日で体験していただくべく、関東近郊の教員向けの旅を開催いたしました。

1日目の2月11日は、サイエンスday。ご参加の先生型につくば市で丸一日、科学に触れていただきました。一緒に旅する気持ちでレポートにお付き合いください^^

9:30 つくば駅改札前集合

つくば駅の改札前に、本日ご参加の皆さんが集まってきます。関東近郊の小・中・高校の教員向けのこのツアー、みなさん初めましてなのかと思いきや、お知り合い同士の方が多いようでドキドキです。

つくばエクスプレスの終点であり、研究学園都市「つくば」までは最速45分で到着。最高速度は130km/hとのことですので、日帰りもムリなくできる距離。自動運転の乗り心地も快適さ、皆さんに体験していただけたでしょうか。

皆さん揃ったら、最初の目的地であるco-enへ移動します。

9:45~ co-enにてキックオフ & つくば市についての話

co-en(コーエン)は、多様な人が集い、様々なチャレンジが生まれる交流拠点。つくば駅からは歩いて3分ほどの場所にあります。

始めに、2日間ご一緒いただく参加者の皆さんから自己紹介をいただきました。今回は学校の先生方のほかにも、教育関係・旅行関係などの企業にお勤めの方もいらっしゃいました。

続いて、私たち・森と未来の学校と、今回の旅のプログラムについて、代表・尾崎からご紹介。教育旅行がもっと自由になってほしいという願いのもと、自然と科学が隣接する茨城県内でデザインした学びを提供したい思いで活動していることをお伝えしました。

続けてお話いただくのは小林遼平さん。会場であるco-enの運営などを行っている企業・つくばまちなかデザイン株式会社の方です。

  • つくばってどんなところ?

  • つくばの昔と今

  • これからのつくばと、つくばまちなかデザイン

という内容でお話いただきました。つくばに初めて来た参加者の方にも、街の魅力をぜひ知っていただきたい…! その一心で、つくば育ち・つくばのまちづくりに長くかかわってきた小林さんにお願いしました。

人口が少なくなっている日本で、つくばは人口が右肩上がりに増え続けているって知っていましたか?毎年3,000人とか5,000人とか増えているそうですよ。会場の皆さんも、この伸び率には驚いていらっしゃいました。

街に緑が多く、すっきりとした印象を受けてついお散歩したくなるような景観が特長ですが、その理由も具体的に、たっぷりご紹介いただきました。

11:00~ 実験教室

研究学園都市・つくばに詳しくなっていただいたあとは、そのまま科学に触れていただきます。

講師を務めるゆーみるしーさんに、「目には見えないけれど、1秒に1回のペースで小さな粒子・宇宙線が降ってきています」と説明を受けると、皆さんご自身の手のひらを眺めて、不思議そうな表情を浮かべていました。

道具の組み立てと観察を行う体験について、ご参加の先生方にうかがうと、小学校1年生担当の先生も特別支援学校の先生も、ご自身の担当する児童・生徒さんでもできそう! とのこと。宇宙線など物理分野について理解するのは難しくても、観察する体験が興味の入口になるかもしれません。

何人もの先生方が、時間いっぱいまで夢中になって霧箱の中を覗き込んでいる様子が印象的でした。

12:00~ 昼食

集中して観察を行うと、おなかも空いてきます。この日の昼食は、co-en内のカフェペースで縁結び弁当をいただきました。

こだわりの食材について、その選び方や調理に関する想いをうかがってからだと、一口ずつを大切に、噛みしめて食べようという気持ちが自然にわいてくるから不思議です。

「自然と向き合いながら、何をやる•やらないかを決めることが大切。自然と人間が調和して何ができるかを表現したのが、このお弁当です」

食事も哲学なのだな、と感じながら、おなかも頭も満たすことができました。

13:10~ つくばサイエンスツアーバス

午後は、つくばサイエンスツアーバスに乗車して研究施設を巡ります。土曜・日曜・祝日に運行している循環バスで、乗車券を購入すれば1日何度でも乗り降り可能。研究施設を手軽に見学できる交通手段です。

このバス、毎月第1土曜日と第3土曜日だけは、サイエンスツアーオフィス 専門のスタッフさんが同行して解説していただきながら見学できるスタッフガイド同行コースを実施しています。予約制で、何か月先まで申し込みがいっぱいの大人気ツアーなのです。

今回は、髙野麻希さんにガイドしていただきました。これがとってもためになって、面白い…!バス車内でもつくば市や研究にまつわることを教えてくださるので、移動もあっという間。

この日はガイドさんのお話を聞きながら、3つの施設を見学しました。

13:25~ 産業技術総合研究所(産総研)見学

バスを降りたのは、産業技術総合研究所。約2,300名の研究者が7つの研究領域に対して研究を進める国立の研究開発法人です。

バス停の天井には太陽光パネルが設置してあったのですが、産総研では太陽光パネルのように、私たちの生活に身近にあるものに産総研の技術が多数使われているとのこと。

「科学」「研究」というと距離を感じますが、ガイドさんが身近に感じられるお話をたくさん交えて紹介してくださるので、心の距離が急激に近づきます。

サイエンス・スクエアつくば

まずは敷地内にある産業技術のショールーム「サイエンス・スクエア つくば」へ。産総研の研究と成果をわかりやすく紹介されている場所です。

こちらでは、つくばサイエンスツアーバスのガイドさんに加えて、施設のガイドさんもいらっしゃいます。たくさんの展示がある中でも、気になるものがあれば聞くこともできます。

入口から入ってすぐのところには、日本の重さの基準「日本国キログラム原器」や長さの基準「日本国メートル原器」が。戦争中は疎開させられたほど貴重なものなので、本物は金庫内で保管。展示してあるのはそのレプリカとのことですが、重さや長さの基準となるものが日本唯一ここにあることも、その形も、ガイドさんに教えていただかなければなかなか目に止まるものではありません。奥に面白そうなものがたくさん見えるので一度は素通りしてしまった方も多い展示物でしたが、説明を受けるとしみじみと眺めたり、写真に収めたりしていました。

今回は教育旅行のモニターツアーということもあり、「お子さんたちが訪れたときに人気の展示はどれですか?」と館内のガイドさんに尋ねると、
・世界一の癒し効果があるアザラシ型ロボット「パロ
・音が鳴る布「ファブリックスピーカー」を使ったテント
・聴きとれる周波数チェックのコーナー
と、実物の案内をしてくださいました。やはり、五感をつかって体験できるものが人気の様子…!

地質標本館

産総研の広い敷地内にはたくさんの建物がありますが、今度はサイエンス・スクエア つくばのすぐお隣にある「地質標本館」へ。館内の展示は2000点以上、所蔵は16万点以上もある博物館です。

あまりの展示の多さに、何をどう見たらよいか分からず、個人で訪れたら館内をなでるように見て終わってしまいそう。それをガイドさんが、ポイントをぎゅっとしぼり、時間内でこれはぜひ!というものを解説しながら巡ってくれるのはありがたい限り。視点を示してくださるので興味を持って見学でき、見学時間が短くても満足感が得られます。

・日本では、どこで、どんな大きさの地震がおこっているのか
・人が生まれる前からの地球の歴史をどのように調べているのか
富士山の成り立ちや噴火時期について
など、お子さんたちでも気になることを、展示を見ながら聞くと深く残るはず。教科書で見たことのある化石も、展示を見て初めて「本当に存在していた生き物なんだ」と実感できる時間でした。

14:45~ JAXA筑波宇宙センター展示館見学

再びサイエンスツアーバスに乗車し、向かった先はJAXA筑波宇宙センター。日本の宇宙開発の歩みと今を知れる施設です。

展示館「スペースドーム」には、実際に打ち上げ可能な予備の人工衛星や国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の実物大モデル、日本の歴代ロケットの模型などがあり、遥か遠くに感じていた宇宙での出来事を自分の目で見て、体験できる場所です。

見てまわるだけでも圧倒され、異空間にいる気持ちを味わえますが、こちらでもそれぞれの説明を聞くことで宇宙開発の奥深さを垣間見ることが可能です。

この日、同行してくださったつくばサイエンスツアーオフィスの中村充さんもたくさんの知識をお持ちで、一緒に実験棟のモデル内の解説をしていただきました。
・中にある水色の部分は、無重力空間で移動するための取っ手であること
・両手を利用した作業時に体が浮かないように、足を固定できるようになっている所があること
・物も浮いてしまうので、側面にマジックテープがあること
などを教えていただき、宇宙と地球の環境の違いに対応するためには、細やかな工夫が必要だと気づくことができました。

ツアーに参加の皆さんは、それぞれ関心のある展示を、ご自身のペースで回っていらっしゃいました。

16:00 つくばセンターバスターミナル着・宿泊先 日航つくばへ

帰りのバスでは、ガイドさんから「どの研究施設が一番おもしろかったですか?」との質問が。この日の参加者の皆さんには、地質標本館が一番人気でした。

「複数の施設を巡ると、関心を持っていたのとは別の施設が意外と面白くて、新たな分野に興味がわく方が多いです」というお話がありました。それを聞き、深く頷いている方も数人いらっしゃいましたね。

最先端の研究を行っている施設なので、すべてを理解することはかなり難しいです。今回のツアーを通じて、無理してたくさんを得ようとしなくても、施設内のいくつかの展示でも理解や発見ができれば、十分に実りのある時間になるのではないでしょうか。研究施設だからと気負いすぎずに、まずは訪れてみていただきたいなと感じました。

ホテルまでの道中は、見学したものについて話す楽しそうな様子も見られました。こんなにも科学に触れる日はなかなかないでしょうから、モニターツアー参加者の皆さんにとっても発見のある1日になっていたらうれしいです。

以上、いばらき教育旅行のモニターツアー1日目・サイエンスdayの様子をお届けしました!
興味をもたれた方、ぜひつくばにお越しください。また、茨城県内での教育旅行をお考えの際は、森と未来の学校までお気軽にご相談ください。

さて、モニターツアー2日目はがらりと内容を変えて、茨城の自然を体験していただきました。レポートはこちらからご覧ください。

記事:荒川ゆうこ

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