なるべく綺麗でいて
彼はそう言った

なるべく綺麗でいさせて
私はそう答えた

美しくあるというのは
どのような事をいうのか

若さは時と共に確実に
刻一刻と失われるものである

女性の場合はそれが
顕著であるかもしれない

それは進化なのか
退化なのか或いは
一種の成長なのか

だけど美しさはキット
若さだけではない

朗らかに笑う祖母の笑顔が
私は大好きだった

いつもは神経質で
私の事も散々バイ菌扱いして
その幼い心をズタズタに
傷つけて来た祖母だったけど

私は彼女の笑顔が
とても好きだった

笑いジワが目元に現れて
瞼が半円を描いて
柔らかく口角が上がって

そんな彼女の笑顔を私は
美しいと感じていた

同時に可愛らしく
また愛らしいとさえ思えた

願わくば自分も
そのような笑顔を
浮かべられれるように
にゃりたいものだ

では、どのようにして
彼女はかく美しくあれたのか？

それはキット私の敬愛する
祖父のお陰だろう

可愛い洋服を着たい
髪の毛を綺麗に整えたい
そこそこに体型を維持したい

そう思わせてくれる

綺麗でいたいと思わせてくれる
存在はキットとても大切だ

それは男性にとっても
同じかも知れない

格好良くありたいと
思わせてくれる存在がいれば
力強いことこの上ないだろう

美しさも格好良さも
時と人の意志が生み出す
産物なのかも知れない

言い換えると
美しさと格好良さは
時と人の創造である