朝、草の中に咲く花を探して庭をまわる。
涼しい風が吹き抜けていく。
木の枝から下がっているツル植物が大きく揺れる。
クズ、センニンソウ、ノブドウ、いろんなツルが縦横無尽に伸びている。

セリの花が咲いていた。
片隅にセリとミツバのコーナーがある。
ワイルドストロベリーも近くに。
今ではミントとドクダミが入り込んで、雑草も生え多様性というか、混沌状態。
ああ、草を抜いてあげなくては。

きちんと手入れされた庭は気持ちがいい。
言い訳と言われても私は荒れた庭も好きだ。
伸び放題の草や木々のツル、生命力にあふれた植物をみていると、眠っている野生の何かが呼び起こされる。
抑制されていた紐が解けて、力がわいてくる。

そよ風もたくさんのものを運んでくれる。
忘れていた匂いや出来事を。
今日も明日も楽しいことがありそうな。

島には未だ人の入ってない森もあるという。
そんな場所には怖くて行けないが、近くの森でいい。
固まった感情を溶かしたい時や弱った時におじゃまする。

海に浸かって溶かす人もいる。
海に入るのは羊水に守られた胎児の頃を呼び覚ますそうだ。
なんとなくわかる。

私は森の中が落ちつく。
森の中でなくても大きな木の下で、そよ風に吹かれるだけでいい。
そんな風が今朝は吹いた。

民宿は大忙し、オーナーの奥さんも帰省しているので賄い弁当が出た。
八月は連日掃除が詰まっている。
仕事があるのはいいことだとポジティブに考えよう。

今日もお付き合いくださってありがとうございます。