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島日記 砂漠の花

「明るく静かに澄んで懐しい文体、少しは甘えてゐるやうでありながら、きびしく深いものを湛へてゐる文体、夢のやうに美しいが現実のやうにたしかな文体……私はこんな文体に憧れてゐる。だが結局、文体はそれをつくりだす心の反映でしかないのだらう。 私には四、五人の読者があればいゝと考えてゐる。だが、はたして私自身は私の読者なのだらうか」

またまた青空文庫、「原民喜」の「砂漠の花」より。
本屋大賞の「羊と鋼の森」にも、調律師の言葉で挿入されている。

原民喜は、被曝作家、悲しみの作家。
青空文庫に多くの作品があるので身を入れて読んだ。
ぬるま湯に浸ってばかりの生活に冷水をかけられたような気分になる。
きっかけがないと読まない本だろうが、青空文庫に感謝。

先日の「島日記 Yahoo」でも書いたが、原民喜の「ガリバー旅行記」にも「ヤーフ」と出てくる。
ヤフーは嫌われ者。
指輪物語のいとしいしとゴクリを思い出した。

「人間の醜さを一身に体現したような動物である」というのはペシャワール会の故中村哲医師である。
日本との間を往復する度にヤフーの国を思い出したという。
ガリバー旅行記も読み直す必要があるようだ。

脱線気味だが、もっと脱線。
「砂漠の花」のさばくとおせちに用意した「シメサバ」を画像にダジャレてみた。
島には、刺身で食べられるサバがある。
ゴマサバの一種で首折れサバと言われ、魚屋に行くと刺身にしてくれる。
一本釣りで釣ったあと、首を折り、一瞬で血抜きするのでそう呼ばれる。

コリコリ食感というよりゴリゴリ。
食べたくなってきた。
島外の訪問者がある時は用意するがいつもあるわけではない。

3日の朝焼け
左に月も

今日は明太子と、牡蠣の鍋で正月最後の昼間の宴を。
鍋は、最初に材料を酒で蒸して、作り置きの白だしを入れる。
ひとり鍋はその方法が手早くできる。

今日はゆず胡椒ポン酢で。
ポン酢は今回ポンカンで作ったので香りはあるがまろやか。
紅白なますは砂糖の代わりに柿を入れた。
シメはお餅を入れよう。

4日は早々に仕事が入っている。
今年は気弱にならないで仕事もしっかりやろうと思う。





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