中秋の名月には早いが、作ってみようと思っていたものがある。
何かのエッセイで読んだ月見お吸い物である。

急に作りたくなり、白玉粉を探すがない。
原付ではなく散歩がてら、集落のお店まで行くことにした。
早朝の涼しさの中、写真を撮りながらご機嫌に歩いていたら、雨、雨が落ちてきた。

自分を運の悪い人間だとは思わないが、こういう憂き目にはよく会う。
年中パンツスタイルなのに、無印の長めワンピースにサンダルばきで出かけたからだろうか。

めげずに雨靴と傘を取りに引き返した。
傘に落ちる雨音が心地よくて、気分がいい。
土砂降りにならないでよかった。

相変わらず看板おじいさんが座っている。
無口で怖そうだが、集落の運動会では実況中継を面白おかしくやるそうだ。

ところがお店には白玉粉はなく、上新粉の大袋しかなかった。
それでもいいや、料理にも完璧は求めない。
いつも歩かないので、往復20分あまりでふうふう言った。

鶏の肉団子を白玉粉で包んで湯がくのだが、先日余った豆腐ハンバーグの種でまにあわせる。
見た目はまあまあ、だしはおいしい。
くるんだ上新粉は少しパサついて、つるんとした食感はなかった。

白玉粉はもち米を粉にしたもので、柔らかくなめらか、上新粉はうるち米を粉にしたもので粘りはなく歯切れがいいということだった。

つるんとした食感を味わいたいので、本番は白玉粉を使おう。
予行演習したかいがあるはずだ。
ちゃんと鶏ミンチで。

今日もお付き合いくださってありがとうございます。