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【安曇野から発信する潤一博士の目】24~舘野鴻さんの作品展とフンコロガシ(ウンコムシ)

 絵本美術館森のおうちでは、現在「舘野鴻作品展~問いかける生きものたち」を開催中です。舘野さんの虫たちへの、やさしい観察眼には感服とおどろきの連続です。
 私も、1986年に、ケニアで地質調査中にサバンナで出会ったフンコロガシ(スカラベ)を、半日も夢中で観察し続けたことを思い出しました。アフリカのフン虫(スカラベ)は、日本のオオセンチコガネなどよりも、ずっと大型でした。また私も関わっている野尻湖底の発掘調査では、コン虫化石専門班の人たちが"野尻湖人"のウンコを食べていたフン虫(オオセンチコガネ)の化石探しに熱中していました。そんな昔のことなども思い出させてくれた舘野さんの作品展でした(2023年1月24日まで開催中)。

アフリカ、キリマンジャロとアンボセリ国立公園。 哺乳動物のふんは草原中にまきちらされる。
アフリカゾウのふん すぐにフン虫(フンコロガシ:スカラベ)が集まってくる
スカラベ(コガネムシ)がふんを丸く切り出し、運ぶ
運ぶ運ぶ(玉の直径は3~4cm)
ふんを土の中へ埋めてゆく
ふんは土の中へ完全に埋まる。 そこでスカラベはふんに卵を産みつける。
幼虫はふんを食べて成長する。

(地質学者・理学博士 酒井 潤一)


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