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森を見て木を見ず

就活について。
文系大学生の就職支援の仕事をしているので、その視点で書きます。あくまで主観的・感覚的な文章です。

何年もつづいた売り手市場でしたが、コロナで様相が変わりました。
就職氷河期とまではいかないまでも、採用のハードルが上がったように感じます。
買い手市場に戻りつつある。

「迷ったら採る」から、
「迷ったら採らない」へ。

外出自粛前までは、人柄とポテンシャルが気に入れば、事業理解が表面的であっても、「とりあえず採っておこう」という心理が採用側にあったように思います。

外出自粛後は、同じ学生さんでも、事業理解が表面的であれば採用していないように感じます。

「とりあえず採っておく」状態は、2018年3月卒業の代あたりからではないかと思います。インターンシップのエンタメ化がある程度定着した頃です。

この世代について心配なのは、早期離職率が高まらないか?という点です。

早期離職の理由として意外に多いのが「自己実現ができないと思ったから」です。

エンタメ化したインターンシップ、十分でない事業理解の元で採用されたメンタルのままだと、ベクトルが会社の事業より自分自身に向いています。(本来は事業への貢献がまずあって、その中で自身の成長も得られるわけですが、事業への貢献の部分が抜けてしまう)
一方で、受け入れる部署の上司は「自己実現」とか「軸」みたいな概念は知らないですから、ギャップが生まれます。

>金融業の例
「お客様に寄り添う仕事をしたい」と思って入社したら、配属先の上司から「そんなヌルい考えは捨ててまずは数字取ってこい」と言われた。

モチロンこの場合でも、新入社員と上司が健全なコミュニケーションを取れれば相互理解できますが、そのまま早期離職につながってしまうこともあります。

買い手市場になり採用のハードルが上がった(というか戻った)今、こういったギャップは生まれにくくなると思います。

事業理解をしっかりできていなければ採用にはつながりませんが、逆にそれは早期離職が減るということでもあるわけです。

「木を見て森を見ず」という慣用句がありますが、就活では逆に「森を見て木を見ず」という状態に陥りがちです。

「商社」という会社はなく、「食品メーカー」という仕事もありません。「大手企業」という会社も、「ベンチャー企業」という事業もありません。一本一本の木を見ましょう。

きちんと理解してみつけた仕事なら、キツいことがあっても踏ん張れます。踏ん張れる人は成長しますよ。

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