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地域のこれからを語らうミナミライ(仮)|越前市南地区

2022年5月某日。越前市の武生南公民館で開催された地域を語らう会。この会にまだ名はない。そしておそらく、何の会なのか、なぜ自分がよばれたのだろうか、という思っている人もいたのではないかと思う。それくらい、ふわっとゆるい入り口の会だったが、終わってみると不思議と今後いろいろと動き出しそうな雰囲気を感じるものであった。そんな第一回をレポートしてみたいと思います。

今回、公民館主事の声かけにより集まったのは、自治振興会事務局長、総務広報部長、青少年育成部長、小学校のPTA会長、中学校の育友会副会長、公民館主事、そして私。メンバーを見るとなぜ私?という気もするが、大きなくくりとして、地域に携わっている人という中には入っているし大丈夫かな。(今年は総務広報部お手伝いするし、地域のこどもたちとプログラミング教室で関わっているし、住んでいる町内のWeb化計画も進めているし)

きっかけは公民館事務所で受けた相談

ちょっと相談があるんです。そこが始まりだったと思う。
2022年度、公民館として(かどうかは分からないが)地域への関わり方を考えている時期。
例えば自治振興会という組織。各部がそれぞれが毎年同じように活動しており、何か目的を達成するためというより、例年通りこなすことが目的になっている印象(ぜんぜん違っていたら申し訳ないです)。私も数年前はそちら側の考え方だった。きっと主体的に地域をとらえている人にとっては、本当にこれでいいのだろうか、明確な言葉にはならないけどなんだかモヤモヤする、そう感じている人もいるのではないだろうか。

一度関わると面倒なことまでやらないといけなくなる。私の中でもそのイメージはあった。自分で体験していないことでも、どこからか聞こえてくる第三者の声で作られていくイメージ。今となってはそれが完全に先入観だと言い切れる。でも、そのイメージがつくられる理由は、外部の要因だけではない。私自身、今と数年前、圧倒的にちがっていることがある。それは、自分の得意なことを活かせるフィールドがそこ(地域)にあり、また必要とされているということが、より鮮明に見えているということ。

人間、知らないもの、分からないものには、どことなく不安を覚え、良い感情をいだかないもの。まず知ることが必要といえばそれまでだが、どうすれば届けるべき人に、届けるべき情報は届くのか。それは、どこから始めればいいのか。それが分からず、どうしても最初の一歩が踏み出せない。その結果、例年通りというところに落ち着いてしまう。なんとなくで月日は流れ進んでいくが、当然感じているモヤも晴れない。

話を聞いて、現状への不平不満という要素は全くのゼロで、純粋な相談なんだなと感じた。どういったアプローチ、どういった考え方、どういった方法があるのか、ただただ純粋にそれが知りたいということなんだろうと。
その場で話したのは、まず小さく動きだせる人たちで動いて、動いたことをとにかく発信する。発信するネタはできれば、地域の中でもバラけたものになるとよい。地区はいくつもの町内で構成されている。私自身、正直他の町内のことは知らないことだらけ。住む人にとっての当たり前が、他の人にとっては新しい発見や気付きとなり、それがきっかけで興味に繋がることもある。例えば、各部が年間一つずつネタをもちよるだけでも、数としては月一くらいの発信にはなる。どれだけ忙しい人でも、年に一ネタくらいはきっと持ち寄れるはず。

ただ、あまりにローカルで勝手に動くと、身内感がでて逆に気持ち悪さもでてくる。まずは今の公式の発信に近い人たちも含めて、話してみるのがいいかもしれない。そう、今回の件はそんな話からはじまった。

地域活動への参加のきっかけを知る

定刻になり会がはじまった。はじめに公民館主事から、地域への想いや、この会についての概要の話があり、その後総務広報部長に進行はバトンタッチされた。とても丁寧な手慣れた進行。まず、ひとりずつ自己紹介から。なかには、南地区の人口のうち何%が自治振興会の会員?といったクイズや、平成16年からはじまった自治振興会、当初は各部の部長はほとんどが区長だったという話などしてくれる人もいた。すでに私が知らない話盛りだくさんで、知識欲がくすぐられる。そして、冒頭でみんな結構話すの好きなんだなということが分かった。

続けて、地域活動への参加のきっかけについての話に。年代もバックグラウンドも様々な参加者たちにとって、この切り口は面白いと思った。きっかけは中高生時代の先生だったり、ママ友サークルの楽しかった経験だったり、バレー仲間にいた校長先生だったりと、予想通り様々。全体として感じたのは、総じて人の繋がりがきっかけになっているということ。時代とともに、一昔前のような半強制でスタートするような付き合いは激減している。その結果、昔ほど新しい繋がりが生まれず、広がらず、そして深まらず、地域の役職が引き継げない問題につながっている。メンバーの流動性がなければ(もしくはあってもそう外から見えなければ)、そのうちやりたい人がやりたいようにやっているだけという見え方になってくる。そうなると、ますます新しい風は入りにくくなる。

話はPTAに

複数メンバーからでた話で、PTAは好きな人がやっているイメージという声が多いらしい。PTA主催の学校イベントも、結局役員がやりたくてやっているだけじゃないかといわれることもあるという。さらには、匿名で心無い意見が寄せられることもある。少なくともこの場で聞けた話からは、好きな人がやっているというよりも、こどもたちのために必要だと思っている人がやっている印象だった。ただ、外からはそうは見えていない。目的や途中経過が見えにくく、外からほんの一面だけが見えやすくなっていると、そうなりがちなのかもしれない。その一面すら見えていない人は、人伝えの話をうのみにしているケースも多いのではないか。当事者と傍観者の間をなだらかに埋められる何か、それがあるといいのかもしれない。

公民館は敷居が高い!?

越前市の公民館では、放課後こども教室というこども向けの講座がある。参加するこどもたちを待つ間、公民館の外で立ち話をしている保護者も多い。武生南公民館には、入口入ってすぐのところにちょっとした座れるスペースもあるが、圧倒的に外での立ち話が多いらしい。公民館は敷居が高い、そう感じるという声も多いようだ。確かに、フランクに雑談する感じではない。公民館としては、エントランスの飾りなど、考えて工夫しているとのことだったが、せっかくなら放課後こども教室に通っているこどもたちの親御さんと座談会をひらいてみてもおもしろいかもと思った。感じる敷居の高さは個人差があり、定量的にはかれるものではないと思う。だからこそ、当事者のことは当事者に聞いてみる、さらには場のコーディネートすら当事者も一緒にできるといいのかもしれない。でも今回いろいろと話を聞けて良かった。公民館主事も公民館へ足を運ぶ一歩を踏み出すためのキッカケを模索し、いろいろなチャレンジしているということが知れたのは、今後関わってみようというきっかけになる。現状とマインドを知ってもらえれば、協力してくれる人も実は結構いるような気がする。

「せっかく田舎」なんだから

滋賀でスーパーウルトラベースボールという24h夜通し野球をするという地域のイベントがあるらしい。こどもたちもその日は、心ゆくまで遊んでよく、とにかく盛り上がる。夜な夜なバッターボックスに立つというのを想像するだけでも、かなり楽しそう。せっかく田舎なんだから、とても素敵な発想だと思った。

せっかく田舎なんだしやってみましょうよ!

いろいろなところで流行りのように、そんな声が溢れてきたら楽しいだろうなと思う。行政をはじめとして、どうしても守りに入らないといけなくなる組織は多い。でも、その中の人たちみんなが守りに入りたいと思っているわけではないはず。欲しいのは理由。できれば、否定する必要がない理由がベスト。それには、事例と結びつける必要がある。小さくても、重ねてみると多くの人にプラスが生まれている事例は、誰も否定できない。(甘い汁をすっている人がいるものはNGだと思うが。)

この先どんな展開になっていくだろう

気づけば予定時間を超えて話していた。そんな会だった。それぞれが携わるフィールドで何かしら感じていることがある。各フィールドで変わらないメンバーだけで話していても、そこから一歩進むアイデアはなかなか生まれない。この場には、その一歩が進みそうなアイデアや協力が生まれそうな気配がある。もし、これを読んでくれている人で、同じような悩みをもつ人がいたら、この集まりに参加してみるとよいかもしれない。

終了後、机と椅子を片付けてから、何名かでさらに立ち話がはじまった。もちろん、そのまま公民館の中で。みんな、まだまだ話し足りないことがあるようだった。気づけば延長戦が開始されている集まりは、その場を楽しんでいる人が多い集まりなのだと思う。今回新たに繋がれた人もいる。最近繋がることが第一歩なのだと思うことがよくある。今後の展開が楽しみ。

まずは、このコミュニティに名前をつけてみよう。
そうだ、せっかく繋がれたメンバーたちから案を募ってみよう。

(続く)


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