見出し画像

ジョン・フォガティーAlmost Saturday Night

今夏、CCRの映画が50年の時を越えてやってきました。音楽映画ってイイですね。迫力が違います。もちろん本物のライヴが一番ですけど、好きなミュージシャンはみんなおじいちゃんになってしまいました。

CCRって改めてアメリカンロックの王道をいってますよね、最高でした。エンドロールでは最も好きな「フールストップザレイン」が流れてウルっとしました。映画では出なかったけど、「雨をみたかい」「コットンフィールズ」「ミッドナイトスペシャル」なども好きです。そしてこの曲もサイコー↓

CCR時代ではなく、ジョン・フォガティーのソロの中で「Almost Saturday Night」という曲がありまして、実はこの曲、高校生の時ラジオでかかり知ったのですが、それがジョン・フォガティーではなくカーラ・デヴィートという女性がガヴァーして歌っていました。これが私にはとっては幸福感溢れる曲で、とっても好きでした。

当時、この原曲がジョン・フォガティーとは知らなくてポップス性の高いこの曲は、ベリンダカーライルのような80‘sの疾走するハッピーな曲としてずっと私の心の中で生き続けました。カーラ・デヴィートはほとんど無名ですけど、この動画でも一生懸命歌ってる感じがイイです。

かたや本家のジョンの「Almost Saturday Night」は、ソロ一作目収録で、チャート78位とヒットこそ無かったですけど、ジョンのライヴでは定番曲で、ライヴアルバムでも必ず収録される曲ですから、本人もかなりお気に入りなのでしょう。

そしてこの曲はその後、様々なアーティストにカヴァーされ、90年代にはなんと、私の大好きなジョージア・サテライツまでカヴァーした時は嬉しかったなぁ。

映画のおかげで今夏はひとりで「CCR祭り」でしたけど、noteでもこの頃、CCRの記事を書いている方が多くて、感想を共有できたりしてよかったです。
そういえば以前、会社の後輩でもジョンフォガティーを共有できた人がひとりいたなぁ。

彼の名はコビちゃん。きっかけは社食でランチ中、彼が音楽話をしていて「ジョンが云々ジョンが云々」と話していたのですが、どうせビートルズの話でしょうよと半分聞いていなかったのですが、どうも話が違うなと思ったら、そのジョンはジョンフォガティーのことで、私が「CCRのジョンのことかいな!?地味だなあ〜」というと彼は「先輩、ジョンフォガは地味じゃないっすよ、彼は本物っすよ」私「ジョンフォガって略すなー!」彼「先輩、CCRわかるんですか?メタル系かと思ってましたー」といった具合で仲良くなった後輩です。

彼は洋楽アーティスト名をやたらと略語化して、例えばジミヘンならまだいいものの、グランドファンクレイルロードをグラファンにするのはギリギリ許せるけど、ジョンフォガであったり、ついには私の好きなキャロルキングをキャロキンと言ったので「それやめ〜い!」と厳重注意しました。笑 

コビちゃんは略語さえやめてくれれば、ベースもやってるしTOTOも好きだし、いい奴なんです。笑 そして彼は完全にCCRのファンでジョンのソロは認めていませんでした。たしかにソロではCCRのグルーヴ感は失われ、彼が認めたくない気持ちもわかります。
でも私にはAlmost Saturday Nightという青春時代の淡い思い出ソングは、ジョンのソロ時代の曲であるし、アルバム「センターフィールド」も好きでよく聴いていました。ただ、その当時のソロ新作「アイオブザゾンビーズ」がデジタルなリズムになっていて私は失望し、その流れでCCRも聴かなくなっていました。

それから10数年経ったある日、社内メールで急にコビちゃんから、ジョンフォガティーがフジロックで来日するから一緒にどうですかというお誘いがありました。
ジョンが活動再開して来日までするなんて凄いことなんです、先輩しかCCRを理解できてる人はいないですと熱烈な文面でした。コビちゃん久しぶりだなぁ、イイなあと思ったものの、私はなんとなく面倒くさくて断ってしまいました。

コビちゃんとは短い付き合いでしたが息が合う後輩でした。メールをもらった時は私よりも出世していて、気軽に「略語やめーい!」とか言える相手ではなくなっていましたが、誘ってくれた気持ちは後々になっても嬉しかったです。
なぜなら私はその後、黒人音楽も聴くようになり、CCRの深みと凄みがどんどん分かるようになっていったからです。

映画を観ながら、コビちゃんが言ったことを思い出しました。ジョンフォガは本物だと。同時代のディランやニールヤングより黒いし、ジョンがカリフォルニア出身ながらイーグルスやドゥービーズよりスワンプだし、下地にカントリーがあるのも完全に好みです。

映画館を出た時、あの社内メールに即OKと返信して、コビちゃんと行けばよかった、とつくづく思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?