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マンフレッド•マンズ•アース•バンド 光に目もくらみ

私の好きなカヴァー曲をひとつ選ぶとしたら、ブルース•スプリングスティーンのデビューアルバムの一曲目をカヴァーした 77年のNo1ヒット、マンフレッド•マンズ•アース•バンドの「Blinded by the light/光に目もくらみ 」です。

原曲↓のブルーススプリングスティーンも好きです。こちらはフォークロック調ですね。当時レーベルは彼を第二のボブディランにしたかったらしいです。韻を踏む辞書を調べながら歌詞を書いたらしく言葉が洪水のように溢れ、歌詞の内容はよく分かりません。

マンフレッド•マンズ•アース•バンドは、71年に結成。当時普及し始めていたムーグシンセサイザー(電子鍵盤)を使ったプログレっぽいロックを展開し、76年の7thアルバムから本曲が大ヒットしました。
今回気づいたのですが、ドラマーはクリス•スレイドという人で、ジミーペイジかツェッペリン解散後にポールロジャースと結成したザ•ファームのドラマーです。ジミーペイジがジョンボーナムの後に彼を選んだことが当時、興味深かったです。重くて音数が少ないタイプのドラマーで、後にAC/DCに加入する私の好きなドラマーさんです。

彼らがこの曲をカヴァーした時、多すぎる歌詞をまず半分にし、印象的なサビの部分を冒頭にもってきて一気に盛り上げ、電子鍵盤を中心に組み立て、完全に曲を改編しました。曲はドラマティックになり、鍵盤のメロディーがキラキラする光の動きを演出しているようです。

ちなみに邦題は、なぜか一字異なり
ブルースのは、光目もくらみ
マンフレッド〜のは、光に目もくらみ
ちなみに私は、痛みで目もくらみ…
的なケガをした事がよくありました。

草サッカー歴40数年、捻挫や打撲はしょっちゅうで、膝の靱帯を痛めたり、歯が割れたり鼻や腕の骨折3回、40代でアキレス腱を切り父に「サッカーはもう辞めろ。会社に迷惑だ」と言われたけど懲りずに続け、五十過ぎからカカトの骨が変形した痛みがずっと。五十肩でスローインが出来ないのは笑い話だけど、もっとも痛みに目がくらんだのが、30代の時、キン○マにポールが当たって、キン○マ袋が内出血して入院までして手術で九針縫ったことです。

ふつう社会人になってこんなに怪我してたら会社から怒られますよね?しかしこれがなぜかウマイこと、怪我も部署異動も三、四年周期で、ひとつの部署でケガ一回みたいなサイクルにはまり、いつも「大丈夫ですかぁ、サッカーやってるなんて若いね〜」と初めての怪我みたいに優しく見られて、遊んで怪我を繰り返して呆れられのをうまく避けてきました。

しかしキン○マの時は、入院してる間、職場で色んな噂が飛んだみたいです。「キン○マが折れた」「潰れて陥没した」「もう子供産めないらしい」など。実際は内出血が止まらなかっただけで、男的にその後はなんら問題はなかったんですけど、ボールが当たった時はもう、痛みに目がくらみ、目の中で光がチラチラしました。

一週間、泌尿科で入院したのですが、看護士さん達が皆若くて、巡回の度にパンツをおろして患部を見せなければならなくて、それが恥ずかしい歳ではもうなかったんですけど、情けなかったです。
七、八人くらいの看護士さんがいて、いよいよ手術の直前に毛を剃毛するという話しになって、その頃には若い看護士さん達とも顔見知りで、えっ?オレの剃毛はどの娘がやるんだろうかと想像して、冷静に冷静に…って考えてたんです。
そしたら「剃毛しますよぉ〜」って、初めて会うご年配のご婦人担当さんが入場してきてガッカリしたのを覚えています。それに剃毛って、カミソリで剃るのかと思ってて、そしたら薬剤を塗られてシャワーしたら、一瞬でツルツルンになってしまって、いろいろ想像してたのがバカみたいでした。

先日、役所広司主演の話題の映画「パーフェクト•デイズ」を観ました。小さな幸せを見つける天才である彼が、毎日同じベンチに座って同じ木の木漏れ日の写真を撮るのですが、同じ木(=毎日同じルーティン生活)でも、木漏れ日や木の葉は光や風の具合で映り方はみな違う(=単純なことの中にもひとつひとつに意味がある)として描かれます。

パーフェクト•デイズ

昔観た映画で「イングリッシュ・ペイシェント」のラストシーンでの木漏れ日も美しかった。従軍看護士ハナが、最後に軍用トラックに乗りフィレンツェに移動する時、ハナの顔が木漏れ日で光と影に彩られるシーンで終わります。それは戦時禍でハナの周囲で懸命に生きてきた男達の喜びと苦しみを映し出しています。

イングリッシュ・ペイシェント ハナ

「光に目もくらみ」は、まぶしいくらいにエネルギッシュな曲ですけれど、私は、光と影が揺らぐ木漏れ日くらいが好きです。
人生は明るいばかりではないし、小さな幸せを散りばめてくれる木漏れ日のように光が差してくれれば、それで嬉しいです。

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