見出し画像

ロマンス 大島優子の当たり役

「生きていればなんとかなる」という映画

大島優子はAKBの頃からどこか影があるアイドルだった。
家庭環境で苦労したイメージ。少なくとも裕福で明るい家庭で育った雰囲気はない。
その意味で、女優として少し暗い過去がある人物を演じるとぴったりはまる。
この映画でも仕事は出来るが、男癖が悪い母親のいる恵まれない家庭で育った女性という役がはまっている。

優秀なロマンスカーアテンダントの役


この映画は全体に死の気配が漂っている。自殺をほのめかす母親からの手紙や何度映画を作っても失敗する映画プロデューサーは死のうかと思い(?)ロマンスカーに乗っている。

暗い過去を持つ2人の奇妙な箱根の小旅行が舞台だが、暗いなりにも観光地巡りとプロデューサーの能天気さが軽快でもある。
箱根はここでは冥土の世界の入り口の象徴になっているが、この小旅行で2人は過去を振り返りつつ現実世界の新宿になんとか戻ってくることができる。

2人の奇妙な箱根小旅行が舞台


最後、女性は相変わらず男に振り回される元気な母親との再会。男性は死亡者、負傷者ともに0という交通事故表示のある交番を見かけ、少しだけ希望の気配を感じ物語は終わる。

小品ではあるが、前向きな気持ちがもらえる映画と言える。

小田急電鉄のロマンスカー60000系MSEを舞台に描かれており、小田急電鉄の全面協力のもと撮影が行われたという。
鉄道ファンも必見。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?